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虐待表現あり。リスカ表現あり。
いつも間にか日はすっかり暮れていて、アタシの髪の色と一緒の茜色になっていた。
服も、靴もびちゃびちゃで下着が透けて見える。気持ち悪い。
「太宰。ぜんぶびちゃびちゃになったから、着替えよう。」
そうアタシがいうと太宰はうんと頷くが、
「でも、ここら辺着替えができる場所なんて、ないよ。」
そう太宰が言う、たしかにとアタシは思ったが、もう全部めちゃくちゃで。
「めんどくさいから、もうここで着替えるか?」
そうアタシが冗談混じりに言うと太宰が
「…いいけど、もし私達が襲われたら、私しらないよ。
全部全部中也のせいにして、中也残して死んじゃうからね、」
ほんとうなのか、ほんとうじゃないのか。
アタシは疑心暗鬼になりながらも嗚呼、大丈夫だよ。と言い。太宰ははぁ、とため息をつきながら渋々着替える。
痣、痣、痣、痣、痣。
そして、自分の手首をカッターで切ったかのような痕。
どれも痛々しいものだったが、何故か見とれてしまって。おかしいよな、アタシ。
そうつまらないものをぽつり、ぽつりと考えながらアタシも着替える。
嗚呼、手前の腕、ほそいなぁ。今にも折れそうじゃねぇか。
・
・
太宰はいつの間にかアタシの服を盗んでいて、着替え終わっていた。
アタシよりも身長が低いのに、ガリガリなせいかすこしだぼっとしている。
可愛い。
そう思ってしまって、くすりと笑いが出る。
アタシも着替え終わったので、ちょいちょいと太宰を手で呼び寄せる。
気づいた太宰はぱたぱたと歩き中也の隣に並ぶ。
手をぎゅっと繋ぎ、今夜の寝床を探す。