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「えーっと……、こぐまのリコが顔を出してるオムライスを見て、『食べるのがかわいそうになるな』って、言っていたところが……」
話してしまった手前、とぼけるようなことはできなくて、あの時に思っていたままを話すと、
「……まいったな」
と、チーフが照れくさそうに首に片手をあてた。
「前にも言ったかもしれないが、かわいいものが好きとか、男としてあんまり印象が良くないかもしれないと思っていたんだがな」
彼の話に、「いえ」と、首を横に振る。
「私も、前にも言ったかもしれないですが、印象が悪いだなんて思ったことはないですから。
あの、もしかわいいが揶揄したようにも感じられたとしたら、そうじゃなくて……なんて言うか、その、かわいくて好きだなって思ったっていうか……。
はっきり言ってしまうと、あの……もっと好きになったっていう感じです……」
思い切って本音を告げると、
「僕も、君を、もっと好きになってる」
チーフがそう口にして、メガネの奥の目を細めて柔らかに微笑った。
「もっと……っていうことは、現在進行形ですか?」
ちょっとだけうぬぼれて訊いてみると、
「ああ、今もずっと、好きが加速している」
うぬぼれを通り越して、のぼせ上がってしまいそうにもなる言葉がかけられて、
「……私も、前よりもっとずっと、大好きです」
彼に真っ直ぐな気持ちで応えた──。