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第2章:独房
点呼、食事、シャワー。
監視員の足音が床を踏み鳴らす。
独房の壁に映る自分の影を見つめながら、少年は問い続ける。
「なぜ、俺が…」
恐怖と絶望の中で、壁の十字架に目を向ける。
赦しは死によって得られるのか、生にこそ意味があるのか。
看守の声が独房越しに響く。
「今日、最後の日としてお前に祈りを捧げるらしい」
少年は息を詰める。
祈り…?俺に?
希望と恐怖が胸の中で交錯する。
面会室の扉が開き、46歳ほどの男――神父――が現れる。
沈黙の存在だけで、胸の奥で微かに動く何かを呼び覚ます。
少年は沈黙の中で死の重みと向き合う。
孤独と恐怖の中、少年の胸の奥の火はかろうじて揺れながら燃えていた。