/s/[storyId]/_components/heading/assets/back_arrow_icon.4081080bcaba67b8.svg){kind=icon}
/s/[storyId]/_containers/report-container/assets/more-icon.20cfac1b79e24f56.svg){kind=icon}
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
タイトル、作家名、タグで検索
ストーリーを書く
テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
タイトル、作家名、タグで検索
ストーリーを書く
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！
海底に何かがあると言っているタイミングで出て来たな。侵入して来た者を止める魔物か？ 戦わずに進むには、光輝くものを渡せば良さそうだが。
「うおお～！ ここはわたしの出番ですよ～。何が来たって拳で！」
何でルティだけいつもそうなんだ。戦う気満々すぎるだろ。握りこぶしを何度もぶつけるとか戦闘態勢に入ってるし……。ここにはギルド依頼に来ただけなのにな。とりあえず戦いに来たわけでも無いし、大人しく引き下がるか。
「キラキラしたものを差し出せば何もしないんだな？」
「何もしないどころか案内をして差し上げるわ！ 見た感じあなた、頼りがいが無さそうですもの。欲しいものを頂けるのなら、最期まで面倒を見てあげる」
頼りがいが無さそう、か。それに最後？ 最期？ おれの聞き間違いじゃないよな。
「欲しいものとは？」
「キラキラしたもの――そう言えば人間なら分かりそうなものだけど？」
高価な品でキラキラしたものといえば宝石だ。洞門には貝殻をあちこちで見かけるが、探せば真珠くらいは出て来る気がする。そうなると単なる宝石では満足しなさそうな――。
レア確定ガチャならそれらしいものも出てくれそうではあるが。とにかく引いてみるか。
「――って、駄目だルティ！ 戦うとは言ってないぞ。そのぶんぶんと振り回した拳を引っ込めて！」
「えええ～？ 何でですか！？ だってどう見てもやる気じゃないですか！ これは拳で黙らせて……」
彼女には語気を強めた言い方じゃないと止まりそうに無いな。どうか泣きませんように……。
「ルティシア・テクス。おれの言葉を聞けないのか？ 聞けないなら――」
「はうぅっ！？ 嫌です嫌です～！ アックさんに逆らいたくないです。ごめんなさぁぁい！！」
言うことを聞けないなら後でいくらでも愚痴を聞く――そう言おうとしたのに。恐ろしいことを言われると思ったのかルティはしょんぼりと大人しくなってしまった。
気を取り直してガチャを引くと、
【藍石の宝珠】【緋石の宝珠】【白石の宝珠】
【氷晶石の宝珠】【精霊結晶の欠片】 など、四種類の宝珠と精霊結晶の欠片が出て来た。
今回はアイテム系だからなのか魔石からは特に熱さを感じない。
腰袋に魔石を入れようとしたその時。突然誰かにその手を押さえつけられた。
「あーー！ 何をしているんですか！！」
ルティが声を張り上げているが、それに構わずおれの手を押さえつけているのは――宝石を欲しがっている彼女だった。
しかも、
「その魔石を頂けない？ それがあれば全てに満足出来る気がする……」
「悪いが、そこに置かれている宝珠をもらってくれ」
彼女の様子が何かおかしい。まるで何かに憑りつかれているような、そんな感じがする。
「ふふふ、見ていたわ。その魔石から出て来たのよね？ それさえあれば宝珠をいつでも出せるはずだわ」
元々はワイバーンからドロップした魔石だ。そこから色んな属性と混ざり合って。特別な何かが魔石に封じられている可能性は決して否定出来ない。
敵意を感じさせない彼女だったが魔石が気になって仕方が無いようだ。そのせいか、おれの手を押さえつける力がかなり強い。眠っているフィーサを鞘から出すか？
だが一足先に、
「このぉぉぉ！！ アックさんから離れなさいっっ！」
ルティの拳が彼女にヒットしていた。ルティの力は相当なもので、水棲の彼女は吹き飛び壁に叩きつけられた。ガンッ。とした鈍い音がしたが大丈夫だろうか。それにしても攻撃をするなと言っていたのに、こればかりはナイス判断だな。
「う～んん……あれっ？ 何で壁に張り付いていたのかしら？」
頭を打ったことで正気を取り戻したか？
覚醒魔石が直接おれに悪さを引き起こすことにはなっていない。しかし魔石は本来、ガチャをする以外では見かけないレアなもの。何らかの原因で魔物の彼女に影響を与えたと考えるべきか。
まぁ、何とかなるよな。
「わあっ！！ キラキラ～！ ねえねえ、これ全部頂いていいの？」
完全に正気に戻ったな。地面に転がる宝珠に夢中なのが何より。
「構わないよ。全部キミのものだ」
「やったぁ～！ それじゃあ約束通り、人生の最期まで傍にいてあげますわ！ あなたさまっ」
「――今、なんて？」
頭を打って人格でも変わったのか。初めの頃よりも人懐っこい感じなんだが。
「聞こえなかった？ あたし、スキュラ・ミルシェは、あなたさまのお傍でずっとお仕えしますわ！」
「い、いつからそんな約束を！？」
「キラキラしたものをくれるとおっしゃられた時からですわ。あなたさまのお名前が知りたいです」
「ア、アック・イスティ……」
「アックさま！ それではこの先の古代種神殿へご案内差し上げますわ！」
考えようによってはこのまま案内される方が得だ。元々そこを目指していたし、丁度いい。
「神殿？ そこに物があるということか」
「それでは参りましょう、アックさま」
彼女の中では決定したことらしく、スキュラは先の方で手招きをしている。よりにもよってフィーサが眠っている間に魔物が味方になるとは。ルティの拳には聖なる力でも含まれて……あぁ、回復魔道士だった。
「どうしてそうなるんですか～！！ あれっ？ アックさん、こっちの結晶の欠片はいらないんですか？」
「うん？ そうか、光ってないからか。それならルティ。きみが持っていていいよ。精霊結晶の欠片だし、何かに使えるかもしれないよ」
今回はガチャの力で得られた仲間では無かった。必ずレアガチャで味方を得るとは限らないという見本だな。間接的に仲間になったという意味では間違ってないし、まぁいいか。ルティの拳の効果と力、さらには魔力の強そうな味方。
これから先、よほどの相手じゃなければ戦える気がする。とにかく今は神殿に行って、依頼を終わらせることにしよう。
/s/[storyId]/_containers/next-in-series-container/next-in-series/assets/list-icon.c10ab777f3210550.svg){kind=icon}
作品ページ