毎度更新が遅れてしまい申し訳ございません!
わざとでは無いんです!ただ脳と指が働いてくれないだけで
言い訳もそこそこにしまして
では、どうぞ……
物心着いた頃から、父親の事が好きだった。
それは家族としてじゃなく、恋愛的な意味で
幼い頃からずっと父の事が好きだったんだと言う事に気付いたのは、小学校に上がってから。
その時はまだ恋愛とかよく解ってなかったし、それを表現する学も無かったから
この感情を具体的に表すことが出来るようになったのはもう少し経ってからだったけど。
最初の頃は、それはもう酷く悩んだ。
男が男を…それも、実の父を好きになるなんて異常な事だと言う事は幼い子供でも理解出来たからだ。
誰かに相談する訳にも行かず、父は勿論叔父や2人の兄達にもこの感情は隠して生きてきた。
でも大きくなるにつれ、ひとつの違和感に気付いた。
それは
父さんとワイら、似てなさすぎね?
そう、明らかに俺たち兄弟と父が似ていないのだ。
父と叔父は兄弟なだけあって笑い方やツボ、声が似ているが(顔はあんまり似てない)、兄弟3人の内誰とも共通点や似ているところがない。
と言うか俺たち兄弟も似てない。
記憶では間違いなく俺は父さんの子だし、その他の誰かの記憶も無いが疑問点を挙げればいくつか思い当たる節がある。
まずウチには母親が居ないし、死んだとも逃げたとも聞かされてない。聞いた事はあるが気まづげに濁されるだけだった。
次に俺達には祖父母も居ない。父方の方は早くに亡くなっていると聞いたが母方の方は全く話が出てこない。
色々理由はあるが何よりもおかしいのは
あのピュアっピュアな父さんが女を相手できる気が微塵もしないのである。
だって考えてみて欲しい。
同僚の女性からの食事のお誘いを腹が減ってるのかと勘違いしてバナナを手渡し
映画でいやらしいシーンになった途端何かと理由を付けてリビングから逃げ出す上
中学生がキャッキャする程度の下ネタで恥ずかしそうに顔を背ける
あの!!!父さんが!!!!!
最低3回女と致しているのは流石に無理がある!
絶っ対に無理やろ!!
は?非童貞?
やめてください、解釈違いです。
…とまあ、これらから導き出されるのは
父さんと俺ら、血繋がってない説
である。
仮説の域ではあったがあまりにもしっくり来てしまったのでもうそうとしか考えられず、何なら半分確信していた。
ただ、それを直接父さんに聞くのは如何なものかと、丁度中学に上がったタイミングで1番上の(たまに)頼れる兄であるウツに聞いてみる事にした。
課題に追われてリビングで現実逃避中のウツ兄に声を掛けた。
「ねぇウツ兄、ちょっとええ?」
「ん〜?どしたんぴーくん。…あっ、もしかして課題手伝ってくれたり?」
「ぜぇったいヤダ」
「冗談やって……んで?どした?」
「あ〜……もうめんどいから単刀直入に聞くけどさ」
「父さんとワイらって、血ぃ繋がってる?」
ガタンっ
ウツ兄が突然、手に持っていたグラスを落とし、慌てて零れた水を拭いた。
…これは
「そんな反応するって事は…当たっとるみたいやな」
「……憶えて、無かったんやね。ショッピ」
ほんの少しだけ、ウツ兄の声が震えている気がした
「シャオ兄は?」
「アイツは憶えとる」
「…いつから?」
「……お前がまだ2歳の頃や。俺が4つで、シャオロンは3つ」
「…そら、ワイは憶えてへんわな」
「いや…ぴーくん昔から賢かったからてっきり憶えとるかと……」
「流石に無理やわ」
しばし沈黙が流れる
「…俺らが、どうやって父さんの…エーミールんとこ来たか知りたい?」
普段とは全く違う、真剣な眼差し
「…うん、聞かせて」
「…せやな……なにから、話そか」
「俺らは_____」
その後、ウツ兄が話してくれたのは、
俺たち兄弟は、元々貧しい母子家庭の産まれだと言う事。
俺たちの母親は、ギャンブルと男に溺れ時には子供達に手を上げる様なクズだった事。
そして、母親に捨てられた俺たち兄弟を、父さん…基エーミールと市長であるねこひよこさんが見つけて保護してくれた事。
その後色々あって、施設では無くエーミールに引き取られ、息子として育ててくれていた事。
叔父のトントンとエーミールは、あまり似てないが紛れもなく兄弟である事。
俺たち兄弟は、それぞれ父親が違う事。
それから
「エーミールは…父さんは、間違いなく、僕の事も、シャオちゃんの事も、ぴーくんの事も、心の底から愛してくれとるよ」
「…それは、言われんでも分かるわ」
父さんは俺らの事を、心の底から愛してくれているという事。
自分達を引き取り、愛し、育ててくれている父に、こんな不純な想いを抱くのは些か罪悪感が湧くが
父と血が繋がっていないと確信した時
俺は心の中で歓喜した。
ずっと、ずっと父へ片想いを拗らせ続けていた。
でも親子だからと、血の繋がった家族だからと諦めていた。
でも、父とは血縁関係上赤の他人。
それならば、まだ多少の希望は残る。
《父さん》の事は大好きだし、”家族”として愛している。
けれど俺は『エーミール』の事を愛しているのだ。”1人の人間”として。
例え父が、エーミールが、俺の事を”息子”として見ていたとしても
いつか必ず、俺のモノにしてやる。
もう少し大きくなれば、大人の男らしくなれば、
もしかしたら
そんな希望を胸に携え
「なーんも進展が無いまま7年もたったっピ!!!」
「ひぇ、ショッピが壊れた……」
突然の大声に驚いたらしいエーミールが少しだけ体を縮めて情けない声を上げた。
フッ…!流石のワイもその程度のあざとさには耐性があるのだ。
ビデオカメラ回しときゃ良かった。
「シャオロンといいショッピといい、なんで急に叫ぶんよ……ビックリするからやめてぇ…?」
「元はと言えば父さんのせいやけどな?」
「えぇ…?なんかごめん」
相変わらず鈍感なこって
グラスに残っていた日本酒を一気飲みして、ガンッと机に突っ伏す。
「うわすごい音した、大丈夫?」
「だいじょぶ」
ちらりとエーミールを見やれば、心配そうな顔をしたままワインをちびちびと呑んでいた。
嗚呼、クソ…なんでそんな綺麗なんだよ
若く見える訳でもなければ、中性的な顔立ちという訳でもない。
ガッシリした体つきに彫りの深い顔、ゴツゴツした手や指もそうだし、髭だって生えているのに。
エーミール以外の男なんてゴメンや。
エーミールに比べたらチーノとかの方が余っ程華奢な体つきだが、彼奴とまぐわるのなんか想像しただけでも鳥肌モノだ。
そんな事をウダウダ考えていれば、フワっと頭を撫でられ、驚いて顔を上げる。
「あー、やっぱちょっと赤くなっとるね…一応冷やそか」
「は、ちょっ…と、父さん…?」
「ん〜?保冷剤持ってくるからちょっと待っとき」
「あっ、ちょっ、ま…」
最後にぽんぽん、と頭を優しく叩いてから、エーミールはそそくさと冷蔵庫に向かって行った。
伸ばした手は行き場を失い、空中に鎮座する。
そしてすぐに状況を理解して、またもや机に突っ伏した。
あぁ、こんなの、何よりもわかりやすい子供扱いじゃないか
悔しい
ねぇ、エーミール、お願いだから。1回でも良いから、俺の事を息子じゃなくて、”1人の男”として見てくれないか。
「ショッピ大丈夫?痛なって来た?」
「…ちがうっす」
「じゃあどうしたん?」
エーミールはまた頭に手を伸ばす。
俺はその手を掴んで、わざと指を絡めた。ビクリと揺れる手を掴んだままひとつ深呼吸をする。
「……あんま…子供扱いせんでください」
今の俺に出来る精一杯のアピールだ。
これなら、あの鈍感ぽわぽわピュアミールだって、少しは解ってくれる…!
はず!!
エーミールは暫く固まった後、いつもより少し眉を下げて笑った。
「…あー、そっか。もう20歳やもんねぇ…流石に嫌か……」
違う!!!そうじゃない!!!!!
違う、違うんだよ。そんな顔して欲しかった訳じゃない。
俺はただ、俺の想いを解って欲しくて…
「ちっ!ちゃいます!!俺は、…おれは……」
大事な所で言葉が出ない。これは昔っからだ。
あぁ、自分が嫌になる。エーミールに自分の想いを伝える絶好のチャンスなのに!
「…無理せんとき、ショッピ。ごめんな?もう癖ついちゃって…」
たはは、と頭を掻きながら笑う顔は、いつもの大好きな父さんで…エーミールで
「…嫌じゃ、無いから」
「うん」
「…父さんの手ぇ、好きやから」
「うん」
「…やから」
「うん」
「……また、なでで…?」
「勿論」
また、フワりと頭を撫でられる。
大好きな、大きくて、意外と細くて、少し色が黒くて、中指にペンだこの出来た、父さんの手。
昔から、何となく不安な時は、いつも父さんが優しく頭を撫でてくれていた。
俺は結局、酒を飲めるようになろうが、煙草を吸えるようになろうが、この手に甘えてしまう子供のままだ。
嗚呼…悔しい
自分は自分で思っている以上の意気地無しらしい。
いつか、もっと
もっと、大人らしくなれたら
アンタは、俺を頼ってくれますか?
見てくれますか?
「…父さん」
「どうしたん?」
「…好きっす……」
「んふふ…俺もやで」
はやく、大人になりたいなぁ
ショッピ 年齢20歳[ヤバシティ大学二回生]
兄達が2人共同じ大学に入ったので自分もノリで入った。天才肌で文武両道の万能型。しかし面倒くさがりなので出席日数はギッリギリのサボり魔。
恋愛は基本せず溜まってくると適当にその辺の女を捕まえ適当に唆し適当にワンナイトで済ます。エーミールへの想いを自覚したのは兄弟内でもダントツで早かった。
普段クールな拗らせメンヘラファザコン
血の繋がりを疑う以前からエーミールの事が好きだったので、エーミールと血が繋がっていないと知った時は心の中でガッツポーズを決めた。
最近エーミールがよく週末に出かけるのでそろそろGPSを付けるか悩んでいる。
兄弟の事も大好きだし尊敬もしているが普段はツンとした対応を取っている。叔父のトントンには割と素直。
煙草を吸うようになってから謎の鳩が頻繁に副流煙を求め出現する様になった。何となく意思疎通もできる。
好きなAVはお義母さんモノ
はい、お疲れ様です。作者の白猫ヤマトです。
三兄弟編ようやく終わりました〜!
言うてもたった三話ですけどね……
あ、予告しとくと次は弟(tn)編です!
tn編では三兄弟を迎えるより前の昔のお話とかが多くなるかなぁと思いますね!
幼少期とかかけたらいいなぁ…
それでは、また次の作品で……
コメント
1件
うわー…。末っ子特有のあざとかわいさ…。 大好きッ!! 三兄弟それぞれのパパへの拗らせっぷりが愛おしいので、仲良くパパさんの奪い合いをしてください( ^ω^) 実弟の拗らせも楽しみにしています♡