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最近小説一作ばんと書くより楽しい気がしますわ。
今後も短編圧縮形式が続くと思います。
⚠️旧国×日本 の詰め合わせです。地雷さんすみません。
【退屈】🇮🇹👑×🇯🇵
昼下がり。
麗らかな日差しに誘われ業務を放棄していると、フロアの片隅に人影を見つけた。
何の群れだと歩みを止めて目を凝らす。
そこには一輪、可憐な花が咲いていた。
不意に目にした恋人の姿に、思わず口元が緩んでしまう。
仕事絡みの話でもしているんだろう。
ちょっと待って話しかけに行こう、と自販機のボタンを押す。
しまった。シエスタ前なのに。
そんなことを思ってももう遅い。
ぱっくりと口を開けるコーヒー缶をみつめ、ため息を吐く。
日本が来たら押し付けようとちびちび飲み進める。
まだ話し終わらないのかと廊下の奥を覗き込んでみて、思わず笑みが漏れた。
ちょっと甘やかして欲しい時とか、キスだけで止めた時とか。
何か不満がある時、日本はよく手首を触る。
そう。ちょうど今みたいに。
退屈させてることにも気付かないような相手なんかと喋るより、何でもわかってあげる僕といた方が楽しいに決まってる。
今日はもういいや。
昼寝なんか、勿論仕事なんかもしないで、日本と一緒にいてあげよう。
1人で小さく乾杯をして、食道にコーヒーを流し込む。
空き缶をゴミ箱に放って、勢いよく床を蹴り出した。
「にほ〜ん!何喋ってんの〜?」
【あと少しだけ】卍×🇯🇵
不快。
彼の姿で醜い欲を発散させる輩がいることが。
彼の笑みが自分以外に向けられることが。
彼が誰にでも自分と同じように接することが不快で仕方がない。
これではせっかく手に入れた恋人の地位も全く意味がない。
彼……常にぽやぽやとしている日本の瞳に、自分以外が映らないようにすることなど、自分にとっては造作もない。
だが___
「この前のお店、とってもおいしかったですね!今度はあそこのケーキ食べてみたいです。」
「今日、ナチスさんみたいな猫ちゃん見たんです。写真撮ってきましたよ。」
「ナチスさん、今日お土産もらったんです。一緒に食べましょう。」
楽しげに並ぶ言葉はどれでも小さな星の粒のようで、胸の奥を照らしては、じんわりと優しく染み込んでくる。
「ちょっと遠出になっちゃうんですけど……ここ、ナチスさんが好きそうな雰囲気のところでして……今度のおやすみ、デートしませんか?」
今日だって、会社ではやつれ切っていた顔を輝かせて話してくれるのだ。
やろうと思えば、今すぐにでも縛り付けて、自分専用の彼にできる。
だがそうすると、週末のデートも、目つきの悪い猫の話も、他の奴らに向ける目と自分に向けられる目の温度差も、全て消えてなくなってしまうのだ。
「……それは楽しみだな。次回は君が好きそうなところを探すとしよう。」
「えへへ。じゃあ、来週の予定も決まりですね!」
日本が嬉しそうに次の予定を指折り数えながら微笑む。
朱の差した頬を撫でてやりながら、胸の中で呟いた。
次の望みを叶えたら。
彼との予定を全て消化したら。
閉じ込めるのは、それからでも遅くはない。
スプリングが軋んだせいで、脱がされた衣服が床に落ちる。
ひんやりした空気と大きな手に肌を撫でられていると、ソ連さんがタートルネックに指をかけ、迷うように瞳を揺らしていた。
「……ソ連さん?」
「……悪い。俺は着たままでもいいか?」
低く押し殺した声。
「別にいいですけど……?」
見上げると、端正な顔立ちが珍しく気まずそうな表情を作っていた。
こちらの顔色を伺うような視線に、胸がざわりと不穏に蠢く。
「なぜ急に……?」
「いや、お前の……。……何でもない。」
ほんとにどうしたんだろう。
ケガでもしたんですか、と聞こうと開いた唇にかぷりと噛みつかれ、仕方なくそのまま身体を預けた。
***
「ひっ……♡ゔぁっっ、あっ♡♡イ゛ッ〜〜〜〜〜!!」
ぱちん、と指先まで迸るように快楽が弾けて、思わずソ連さんにしがみついた。
ぎゅっ、と余韻を逃すように大きな背を抱き締める。
息を整え身を離すと、ソ連さんの呻き声が聞こえた。
「……ソ連、さ………?」
「……やっぱ無意識か。」
何の話か飲み込めず、穏やかに光る瞳をみつめる。
ソ連さんは小さく息を吐くと、徐に上半身をあらわにした。
「これ見ろ。お前イく時爪立てる癖あるんだよ。だから着といたんだ。」
背中に、猫に引っ掻かれたときのような赤い線が走っていた。
痛みには強いが連日になると流石に、という呟きに頬が熱くなる。
「何か都合の悪い痕でも付いてるのかと………。」
「俺が浮気してる可能性の方が低いだろ。」
「まぁ、それはそうですけど……じゃあ言ってくださいよ。」
微かな怒気を孕んだ声にそう返す。
不安になります、と続けると、拗ねたような声が聞こえた。
「だってお前、じゃあその傷消えるまでなしとか言うだろ。」
「………。」
否定できない。
図星を疲れて固まる僕に、ソ連さんはふ、と目を細めた。
「まぁ、俺は別にお前抱けるなら痛くてもいいけどな。」
「……僕はよくないです。」
こうして僕の爪は、常に短く保たれることとなった。
コメント
2件
供給ありがとうございます…大好き以外語彙無くなります… 何方も旧国らしい色気があって尊いです💞にわかさんのナチ日特に愛してます🥹🙏🏻💖