桃青
桃赤
※青君と赤君は双子設定です。
※過激な言葉、表現が入ってますので苦手な方はお控えください。
僕には付き合っている恋人がいる。
優しくて、僕のことを大好きな彼。
付き合って数ヶ月以上経つけど、まだ怖くてキスまでしかできないという僕にも、「いつまでも待つよ」なんて微笑んでくれていた。
僕の家でお泊まりをするときも、黙って抱き締めて眠ってくれて。
そんな関係が心地いいと思っていた。
そして僕には、僕と見た目はそっくりだけど、中身が正反対な双子の弟がいる。
中学の頃からソッチ方面がお盛んで、よく家に彼氏を連れてきていた。
部屋が隣だから、夜中にはあんあんとえっちな声や音が聞こえてくる。
そんな弟の奔放さを、臆病な僕は素直にすごいな、なんて思ったりしていた。
そんなある日。
大好きな彼である桃君が泊まりに来てくれていた。
夜はいつも通り僕のベッドで二人並んで眠って。
だけどふと、真夜中に誰かの声がして目が覚めた。
「こら…、だめだよ」
「ふふ、いーでしょ?ちょっとだけ食べさせて♡」
反対側を向いて寝ていた僕は、その聞き慣れた声にドキリとして身動きが取れなかった。
愛らしく笑う人懐こいその声色は、弟である赤のものに間違いない。
もう一人は当然桃くんで、僕はなぜ二人が会話をしているのか全く分からなかった。
ばくばくと心臓が異常な程に早鐘を打つ。
それでも目を開けることは躊躇われて、音だけが鮮明に響いてきた。
「ほら…やっぱり♡溜まってるんでしょ?」
「…、だめだって。青が起きちゃう」
「大丈夫だよ♡ちょっとだけだから…」
「…っ、あ…」
ちゅぷ、となにかを口に含んだような水音が聞こえてくる。
ん、ふ…、ぅ、というくぐもった声も。
一瞬何が起きているのか分からなくて、僕は完全にパニックだった。
「だめ…ほんとに出ちゃうよ」
「はぁ…♡おっきい…♡やっぱり、思ってた通り、桃くんのおちんちんおっきいね…?僕のここに挿れてよ…♡どうせお兄ちゃんはエッチさせてくれないでしょ?」
ふふ、と笑いながらの台詞に耳を疑う。
大体の状況が掴めてしまった。
桃くんは性欲が強いと知っていたけれど、まさか僕の恋人にまで手を出してくるなんて。
それに、あんなに優しくて僕のことを大事にしてくれてる桃くんが、弟相手にエッチなことをしてしまうなんて。
悲しくて悲しくて、だけど起きるのも怖くて寝たふりを続けるしかなかった。
その内に赤は巧みな話術と技術で誘惑し、桃くんは、ここじゃダメだよ、なんて言葉を残して部屋を出て行った。
しばらく放心状態だった僕は、鳴り止まない鼓動を落ち着かせるのに必死で。
だけど壁越しに弟の喘ぎ声が聞こえてきて、思わず耳をそば立ててしまった。
「あっあっあっ♡きもちいっ♡桃くんのおちんぽきもちいよぉ♡」
「…はぁっ…はぁっ…」
「もっともっとぉ♡いっぱい奥グリグリしてぇ♡」
あぁん♡と猫みたいに鳴く赤と、息を荒げて彼を求める先輩。
夢じゃないかとすら思った。
僕とはまだキスしかしてないのに、弟とエッチしているなんて。
パンパンと肌がぶつかり合う音が激しくなり、シュウの喘ぎもどんどん大きくなってきた
「桃くんっ♡おちんぽみるくちょうだいっ♡ナカに出してえ♡♡」
「…あっもう…っ、中に出すよ…っ」
「うれしいっ♡いっぱいせーしだしてぇ♡ああぁん♡おちんぽみるくきたぁ♡♡♡」
激しく叫んだその声を聞き、僕は泣きながら気を失うように眠りについた。
…
翌日、目が覚めてみれば桃くんは僕を緩く抱き締めながら眠っていて、昨夜の形跡なんてものは何もなかった。
おはよ、と微笑む姿もいつも通りで、僕を大好きだと瞳が物語っている。
もしかしたら、本当に夢だったのかもと思えた。
赤の方も、特に何かいってくる訳でもなく、至って普段通りだった。
ドキドキしつつも、アレは夢だと思い込むことにして。
だけど数日後、また桃くんが泊まりにきたから、どうしてもドキドキしてしまった。
大好きだよって優しく口付けてくれた彼と共に眠りにつく。
桃くんは僕をきゅうっと抱き締めてくれていて、それだけで安心できた。
なのに。
「またエッチしよ…?」
「こら、ダメだって…」
「そんなこと言って、もう勃起してるじゃん…♡本当は俺が来るの期待してたでしょ…?」
真夜中、また二人の会話で目が覚めた。
桃くんはちょっとだけ抵抗するような素振りを見せるものの、大した意味はなかった。
結局二人は部屋を出て、赤の部屋へと向かっていく。
やっぱり夢じゃなかったんだ。
そう思った僕は、ドキドキしつつも、この目で確かめたくて、そっと部屋を抜け出した。
小さくドアの隙間が開いていて、そこから中を覗き見る。
甘えるように桃くんの膝の上に乗るシュウは、服をめくり上げて胸元を晒した。
すると、可愛い…なんて呟いた桃くんが赤の乳首を吸い始める。
僕は桃くんの行動よりも台詞がショックだった。
可愛い、だなんて。
完全に桃くんの方も乗り気で、赤との行為を楽しんでいる。
それが現実として突きつけられてしまい、またポロポロと涙が出てきた。
「ん…♡もっとちゅっちゅして…?」
「うん…、ここ、ぷっくりしてて可愛いね」
「あっ…きもち…♡…ねぇ、青ちゃんの乳首は触ったことある?」
蠱惑的な笑みを浮かべた弟の質問に、彼は首を横に振る。
そういうのはまださせてくれないだ、なんて寂しそうな声音にほんの少し罪悪感を覚えた。
僕が抱かせてあげないから、桃くんは赤の誘惑に負けてしまったのか。
僕がエッチを怖がっていなければ、こんなことにはならなかったのかもしれない。
「桃くん♡ちゅーして…?」
「ん…」
「んぅ…ふぁ…♡もっとぉ…♡」
ぎゅう、と甘えながら唇を貪り合う二人。
エッチだけじゃなくて、キスもしちゃうんだ。
もうこんなの、僕と付き合っている意味なんてきっとない。
明日にでも振られるのかな。
そう悲しく思いつつも、僕は最後まで二人の エッチを見届けてしまった。
「あっあっ♡きもちいいよぉ♡」
「気持ちいい?ここ好き?」
「好きっ♡好きっ♡せんぱいのことも好きぃ♡」
あん♡と喘ぎながらまたキスを強請る赤。
二人は抱き合いながら絶頂を迎えていた。
…
それでも翌朝の桃くんはやっぱり普段通りで、むしろ一層僕に甘々だった。
愛おしむような視線を向けられれば心が揺れてしまう。
桃くんはまだ僕のことを好きなんだ。
そう実感すると、浮気をされているのに諦めきれないような気持ちになった。
数日後。
また桃くんが泊まりにきた。
きっと赤が誘惑しにくるはず。
そうしたら今度こそ起きてちゃんと止めよう。
そんな風に決意したのに、赤は来なかった。
代わりに、桃くんが自分から部屋を出て行く。
どこに向ったかは考えるまでもなかった。
苦しくて悲しくて、だけどどうしても見届けないと気が済まなくて赤の部屋を覗く。
きてくれると思った♡なんて愛らしく微笑む弟と、興奮した様子で押し倒す桃くん。
激しく絡み合いながら、またエッチが始まった。
「桃くんっ♡きもちいよ…♡桃くんもきもちい?」
「すごく気持ちいいよ…っ」
「ほんと?俺とエッチするの好き?」
「好き、好きだよ」
「じゃあ俺のことも好き?」
揺さぶられながらの台詞に、好きだよと囁いて口付ける彼。
あぁ、もうダメだと思った。
どんなに彼が僕に優しくしてくれたとしても、そんなのは罪悪感からの嘘でしかない。
桃くんはもうとっくに魅力的な弟の虜だ。
僕に勝ち目なんて
「なかったんだ、、」
女々しいセリフと、甘々な2人を背に僕は家を出た。
行く宛てもなくただただこの場から立ち去りたかった。
もしかしたら探してくれるかもなんて淡い期待を持ちながら。
スマホを持ち電話を開いた。
そして、彼の名前を変更した。
『大好きだった人』
と、それを削除した
コメント
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続きってありますか?🤔💭? 本当にこの話好きです🫶🏻️︎💞
続き死ぬほど待ってます🥰🥰
続きありますか?