テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
※めッッッッッちゃ胸糞悪いモブがいます。
ttが中盤不憫かも
独自解釈が混ざっています
本番なし
ちょっといかがわしいかなと思ってセンシティブつけました
rttt以外のヒーローのCP匂わせ(というかほぼ確)あり
この世界には、男女の性の他に第二の性がある。
Subを世話したい、いじめたい、お仕置きしたい、褒めたいという本能を持つDom。
Domに尽くしたい、いじめられたい、お仕置きされたい、褒められたいという本能を持つSub。
個人差はあるがなんらかのきっかけでDomにもSubにもなれるという性質を持つSwitch。
他の三つの性とは違い特殊な性質がなく、一般的に多くの人が持つとされているNomal。
この第二の性は中学から高校の年頃にかけて発覚していくという。
俺は高校ニ年生の夏に検査でSubだということが分かった。
正直Subという結果が出た時はさほど気にしていなかった。パートナーがいなくても抑制剤を飲めば大丈夫だし両親や兄妹は第二の性の違いで差別をするような人間ではない。
が、実際はっきりSubとして過ごし始めて分かった。これは世の中のSub達が苦労するわけだ。
抑制剤はいつ欲求不満により精神不安定や体調不良になってもいいように持ち歩かないといけないし、稀に起こるDom同士のクラスメイトの喧嘩で放たれるGlareによって気分が悪くなってしまうことも少なくなかった。
幸いにも俺はSubの中でも症状が軽い方だったらしく、抑制剤を飲んだり誰もいない場所に移ったりしたらすぐに治った。
そして絶対的ヒーローとして活動している今も特にパートナーが必要だ!というくらい困ったことはない。むしろ学生の時より抑制剤が必要になる回数がほんの少し減ったくらいだ。
だが。
「なぁマナ君。
やっぱり俺達Subってパートナー
いたほうがいいのかなぁ…」
「主語デカすぎるやろ
せやなぁ…まぁ、作っといて損はないで」
あるおしゃれなカフェの席で俺とマナ君は向き合って話をしていた。
というのも、Oriensは俺だけでなくマナ君もSubなのである。なのでこういう悩みなんかを相談しやすい。今回も休みを合わせてもらってこうして話を聞いてもらっているのだ。
「でもテツ、今まで抑制剤で事足りてたんやろ?
もしかして…症状、悪化したんか?」
「ぅ”…ハイ、」
マナ君の鋭い視線と言葉に俺は力なく頷く。
実は最近、抑制剤だけでは症状を抑えられなくなってきているのだ。一般市民の中にたまにいるDomが放つGraleだったり、Domと触れ合えず欲求不満に陥ったりした時に抑制剤を飲むのだが、その症状が一日たっても収まらないこともざらになってきていた。
「テツ、お前なぁ…
ただでさえSubは大変なんやから
隠し事はせんといてくれって言っとるのに…」
「カウンセリングなんかは行ったりしたん?」
「なんか…怖くて行けないんだよね…」
「知らない人とPlayするの怖いもんな
そう思ってるなら無理に行く必要もないけど…」
一応、俺みたいなDomとなかなか触れ合う機会のないSubのために簡易的なPlayができる施設はある。が、俺はなんだかそれが怖いと言うか、そういう感じがして行く気になれなかった。
「ってなるとDomのパートナーは
作っといたほうがええかもしれんなぁテツは」
「寄り添ってくれる存在がいるって
安心できる面でもな」
そう言うとマナ君は無意識にか愛おしそうに自分の首にデバイスと一緒に下げているネックレスを撫でた。
そのネックレスはマナ君の恋人でDomである西の彼を思わせる蛍光色の緑色があしらわれていてとてもおしゃれだ。
「でも俺知り合いにDomあんまりいないよ?」
「せやなぁ、そこやな…
パートナーがいなくて身近なヤツはリトくらいか?」
俺と考えていることが一緒だったらしく、マナ君の口からリト君の名前が挙がる。
というか、MECHATU-Aの中でDomはリト君とライ君しかいないのである。
「でもリト君、引く手数多だろうし…
ジムにリト君とパートナーになりたいって人
結構いると思うんだよなぁ」
「そうなったら俺、
勝てる気がしないし」
「ん”ッッ」
俺が独り言のように言葉をこぼすと、飲み物を飲みながら聞いていたマナ君が急にむせた。ごほごほと咳き込む彼にえ大丈夫?!と備え付けのティッシュを渡す。
「…DomとかSubとか関係なく聞きたいんやけど、」
「テツってリトのこと好きなん?」
「ぶッッ」
今度は俺が吹き出す番だった。口に含んでいた水が危うく出そうになり慌てて手で口を塞ぐ。ティッシュも何枚か取ってテーブル周りを拭いた。
「いいいいや?!リト君のこと?!
そういう目で見てないし?!
ましてや恋人になりたいとか思ってないし?!?!」
「誰も恋愛対象としてって言ってへんやろ」
「あ”」
ジト目で突っ込まれ俺は言葉に詰まった。がくりとうなだれ思わず顔を両手で覆う。
「あ〜…その反応はガチっぽいなぁ…」
「聞いといて何その微妙な反応…」
「ごめんて
…じゃあリトとPlayしてみるっていう線も消えるなぁ」
「だよなぁ…
多分俺リト君とやるってなったら爆発すると思うからさぁ…」
「いや爆発て」
そこまで話すと、マナ君はライ君が今日東に来てくれるからというわけで解散した。「俺もなんとかできんか考えてみるわ」と言って帰っていったマナ君に手を振り、俺は自宅へと足を運んだのだった。
次の日。
「こちら佐伯。エリアEに発生したKOZAKA-Cの
全滅を確認」
『りょ〜かい!僕んとこも後ちょっと!』
『俺のとこも終わったで!ほなウェンに合流するわ!』
『ならテツ、俺そっち行くか?』
「助かるよリト君!」
いつも通りそれぞれの持ち場でがっかりポイントを集めようとするKOZAKA-Cを倒し終わった俺達は、まだ合流はしていないが二手に別れて後処理を行うことになった。
「怪我人は…今のところなしかな
本部に転送、と」
俺は周辺を見回りながら怪我人がいないことを本部に簡易的なデジタル資料に書いて送った。
と、不意にどこからか人の話し声のような音が聞こえてきた。
耳を澄ましてみると、ある裏路地から聞こえているようだ。避難が遅れた一般市民がいるのか、はたまた生き残りのKOZAKA-Cがいるのか。どちらにせよ見過ごすわけには行かない。
俺は念の為取り出しやすい位置にナイフを忍ばせ、ゴーグルを装着してあたりを経過しながら裏路地の音のする方に近づいていった。
音の位置はすぐに見つかった。影からそこを覗いてみると、男が二人いた。何やら言い争いをしているようだ。まだ避難警戒区域の警報は解除されていないのでここにいると大怪我をしてしまっても気づかれにくい。
そうなるとマズい。俺はすぐさま男二人の間に割って入った。
「喧嘩ならもうちょっと明るい所でしてくれよ」
「あ”?誰だてめぇ」
「おい、コイツヒーローじゃねぇか?」
二人は急に見知らぬ男が介入してきたからか驚きの表情を見せたが、すぐに俺を舐めるような目つきで見てきた。
「ヒーロー様が何の用だよ」
「何って、喧嘩を止めに来たんだよ
まだ警報が解除されてないんだからこんな
暗い所さっさと出てほしいんだけど」
「俺らの問題なんだから邪魔すんじゃねぇよ!」
俺の態度が癪に障ったのか、片方の男が俺の胸ぐらをつかんだ。引っ張られた服で少し首が締まってぐ、と苦しげな声が喉から出た。
こちらとしてもやり返したいところだが、一般人にナイフは向けられないし万が一がないと「ヒーローが暴力を振るった」と言われ危うい立場になりかねない。腹が立つが、ここはなにもせずにいるのが吉だろう。
「殴られたくなけりゃさっさと立ち去れよ」
「嫌だね。そうしたら職務怠慢になる」
「…チッ、コイツ見てたら俺もムカついてきたわァ
なぁ、どっちが先に泣かせられるか勝負しようぜ
お前が勝ったら俺が悪かったってことにしてやるよ」
「いいなぁそれ。それで善悪決めるかw」
さっきまでただ見ていただけの男が舌打ちし背筋が凍るような提案をした。それに俺の胸ぐらを掴んでいた男も賛同した。
そうすると俺は壁に叩きつけるように放り投げられた。かは、と肺の中の空気の一部が外に出ていく。
睨むように二人の男を見上げる。が、俺は体がすくんでへたり込んでしまった。今俺に向けられている、二人の男の明らかな殺気とイラつきが込められたオーラ…Glareだ。
息が苦しく荒い。目の前の景色に焦点が合わない。苦しい。辛い。くるしい。なんで。今までこんなひどくなかったはずなのに。
急に大人しくなった俺の様子を疑問に思ったのか、片方の男が俺の両頬を片手で無理やり鷲掴みにする。
「もしかしてお前…Subか?」
「っはは、そりゃあいいな!
どうせお前みたいなやつは欲求不満なんだ、
俺らが直々に”躾”してやるよw」
男が拳を振りかぶるのがぼやけた視界の中で見えた。
ぁ、あ、なぐ、なぐられる。だれか、だれか、ぉねがい、たすけて。
ぐるぐると回る頭の中でただ情けなく考える。痛みに備えて反射的に目を瞑る。
が、いつまで立っても殴られた衝撃や痛みは来なかった。怖さに耐え恐る恐る目を開けると、温かなオレンジ色と海のような青緑色が見えた。
「…お前ら、テツに何しやがった?」
「ひッ」
「なぁ、答えてみろよ」
「こ、コイツが楯突いてきたから…!!」
「俺は何したって聞いてんだけど」
「ッに、逃げるぞ…!」
「はぁ?!おま、…クソがッ!」
バタバタバタ、と走っていく音が複数遠くに聞こえた。男たちがここから出たのだろうか。俺は安心して変身が解けた。だがまだ息苦しさや辛さは変わらない。視界がぐるぐると定まらない。
「テツ?!テツ大丈夫か?!」
正面から肩に手を置かれ声をかけられた。
くぐもってよく聞こえないけど、もしかしてリトくん…?たすけにきてくれたの…?でも、どうしよう、ふるえが止まらない。目がぐるぐるする。くるしい。どうしよう、こわい、こわいよ。
俺はパニックのままでまともに口を開けず、やっとのことでリト君の腕を一瞬触ったくらいだ。
「テツ?呼吸合わせられるか?!
ゆっくりでいいから真似して呼吸しろ!」
リト君はお手本のように「吸って、吐いて、」と言いながら深呼吸のお手本を見せた。俺も真似して吸ってみるが、すぐにできなくなってひゅ、と喉から下手くそな呼吸が漏れるだけだった。
「ッ、もしかして…Sub dropか…?!」
リト君が焦った様子でそう呟いたのが確かに聞こえた。Sub drop。SubがDomから多量のGlareを浴びてしまったりストレスなどが限界を超えて溜まってしまった場合などに陥ってしまう現象。これに陥ってしまったSubは音が届かなくなったり不安感や疲労感を覚える。最悪の場合精神病にかかってしまう場合がある。
やだ、おれ、これからどうなるの。リトくん、たすけて、こわい、苦しいよ、こわいよ。
俺の荒い呼吸が更に不安を煽って苦しくなる。
すると、リト君は「ごめん」と謝った。
なにを、そう頑張って口に出そうとした瞬間。
「テツ、Relax」
リト君が英語を口にした。途端、さっきから感じていた焦りや不安、視界の不安定さが一気に改善されリト君の顔がやっとはっきり見えてきた。
「り、と君…?」
「そう、俺だよテツ。
…もうちょっと続けるな」
「Come」
「ん、ぅ…」
なんだ、これ。ふわふわする。
俺は言われた通り招くように広げられたリト君の胸にぽす、と身を預けた。そうすると、開いた状態だったリト君の腕が俺の全身を包み込むように背中に回る。そして安心させるようにぽんぽんと背中を撫でられた。
「来るのが遅くなっちまってごめん
多分、さっきの奴等のGlare浴びちゃったんだろ
怖かったな」
「ごめ、リト君、俺、」
「謝んな、テツはなんも悪くねぇよ」
Good boy、そう言われると優しくて甘い、ふわふわな多幸感が全身をじわじわと包んでいった。
途端に疲れが急にどっと来てまどろみ始める。
「…テツ、眠い?」
「ぁ、ん……、ちょっと、」
「結構な時間苦しかったもんな
寝てていいよ、無理すんな」
さらりと優しく頭を撫でられると、俺は安心しきってそのまま重いまぶたを閉じた。
「…期待、しちゃうだろ」
リト君がポツリと呟いた言葉は俺の耳に届かなかった。
To Be Continued…
皆様ごめんなさい書きたかったがために続きある話作っちゃった…
本当は読み切りにしたかったです…
タイトルに読み切りとは書いてないのでどうかお許しを…
それとお聞きしたいのですが、今回作品を書くに当たってルビ機能を使わせていただきました〜
とはいっても諸事情でアプリではなくブラウザで書いているのでルビ振りに必要な《》だったりはすべて自分で打ってます。
ちゃんとルビは振られているでしょうか?大丈夫でしょうか?
振られていなかったら教えてください…プレビューで試してみても出来てるかどうかわからなかったもんで…