テラーノベル
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もう、殴られても痛みを感じなくなって
何を食べても味がしなくなってきた頃に
『死にたい』
ふと、そう思った
でも、何故か勇気が出ない
だから
あの場所に…ぺんちゃんに会いに行った
rd 「ねぇ、ぺいんと」
pn 「…なに?」
rd 「俺がさ、」
rd 「死にたい、って言ったらどうする?」
pn 「…止めはしないよ」
やっぱり
やっぱり、ぺいんとは俺の最高の親友だった
rd 「…ありがと」
人は、死ぬ時が1番綺麗なんだって
rd 「俺…今までで1番綺麗になってくるね」
rd 「…来たらダメだよ?」
pn 「…分かってる」
その後ぺいんとと一緒に、燃えるように赤い夕陽を見た
心の中では、ずっと
rd(早く燃え尽きないかな
なんて考えてた
孤独と共に崖に来た
鳴り響く海が波打つ音
気持ち悪いほどの快晴
全部全部、心底どうでも良かった
ひらり、と宙を一回転
体がふわっと空に浮く
今、俺は
俺はこの世で一番綺麗なのだろうか
rd 「どう?ぺんちゃん」
ザブン、と音がする
視界が薄れて、意識が朦朧としてゆく
その時の景色は、俺が見てきた景色の中で
多分1番綺麗だった
rd 「おやすみ、世界」
そんな何処にでもあるような言葉は、泡になって海に溶けた
コメント
3件
好きです…! 言葉選びというかなんというか…好きです…