TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

君の味方

一覧ページ

「君の味方」のメインビジュアル

君の味方

10 - 目に見えるものが真実

♥

603

2023年11月13日

シェアするシェアする
報告する


kn「じゃぁ、飲み物取ってくるから適当に座っててー。」


俺はshkを部屋に残して扉を閉める。階段を降りて台所へと向かう。


kn「あー…shkってジュース何が好きなんだろ。」


冷蔵庫を開けて目の前にある飲み物を見ながら考える。あまり一人にするのも悪いので無難に麦茶が入ったビンを取り、二つ分のコップをトレーに乗せて部屋に戻る。


kn「あ、shk!扉開けて欲しいー!」

sh「っ!!ごめんなさい!すぐ開けます!」


焦った声で扉を開けるshk。俺の顔を見て何かを思ったようにカーペットの上に座った。また俺の知らないshkがみえる。きっとこれも玄関での行動と同じで家でしている事なのだろう。


kn「ごめんな、手塞がってて。助かった。」

sh「あ、あぁ。」


コップに麦茶を注ぎshkに渡す。俺も自分の分を注いで一緒に飲み始める。


kn「…あのさ、その暴力っていつからなの?」

sh「えと…俺が中3の時に母さんが暴力振るわれてて…俺は高2になったぐらいからかな…。」


話しながらお腹をさするshk。一番お腹周りに暴力をされるのだろう。顔や手にはあざや傷が見えない。


kn「顔とかには傷ないの?」

sh「…見えない所に絶対してるっぽい。」

kn「なるほどな…。」


俺はコップに入った麦茶を飲み干すとshkにグッと近づく。


sh「な、何?」

kn「腕、見せて。」


訳がわからないままshkは腕を出す。シャツの裾をまくり傷がないか確認する。腕にはやはり何も無い。


kn「足は?」

sh「足は太腿辺りにはある…。」

kn「見せて?」

sh「え!?」


shkの驚いた表情を見て俺は気づく。何て事を言ってしまったんだと…。


kn「違う!別に変な意味じゃ無くて!その、証拠として写真に残しておこうと思って! 」


顔が熱い。恥ずかしい…。shkを見ると同じように顔が赤らんでみえる。

少し気まずい雰囲気が漂う。俺は麦茶を注ぎ、それをまた一気に飲み干した。


kn「…ごめんな。その説明も無しに。」

sh「いや、大丈夫。」

kn「shk携帯とかないの?あるんだったら証拠残しときゃいいのに。」

sh「携帯…あるんだけど毎回チェック入るんだよ。」

kn「なるほど…。じゃぁ、やっぱり俺が写真で残しとくわ。」

sh「…えと…」

kn「…あー、見せにくい所は大丈夫だから。」

sh「……写真、絶対に誰にも見せんなよ。」

kn「見せる訳ないだろ!信じろって。」


そう言うと、shkは決心したようにシャツとインナーをゆっくりと捲る。徐々に見える傷が生々しさを物語っていた。


kn「近くで見ると酷いな…。」


あの時、遠目で見た傷は腫れぼったいような感じだったのに。今目の前にある傷は細かい擦り傷、切り傷、打撲、小さな火傷…

俺は一つ一つ写真を撮る。全て撮り終えてそっと手を伸ばした。


kn「…一年もこんなの我慢してんのか。」

sh「kn…?…っ!」


まだ治っていない傷があるのか傷に触れた途端shkが顔を歪める。


kn「あ、ごめん!」

sh「まだ、治ってないのとかもあるから…あんま触んな。」

kn「わかった。…てか脇腹とかにも見えてるけどもしかして背中も…?」

sh「…ある。」

kn「見せれるなら見せて欲しい。」


shkは頷きシャツのボタンを外していく。インナーを脱いで俺に背中を見せてくれる。

kn「まじかよ…。」


背中はお腹とは比にならないくらいの傷があった。主に背中を重点しているのだろう。俺は写真を撮り、また優しく触れる。


kn「shk… 」

sh「…もう写真撮ったんだろ?恥ずかしいから、服…っ!?」


俺はshkの言葉を遮り、ギュッと抱きしめる。


sh「やめっ!!なに………って、kn?」


俺は抱きしめたまま顔を肩に埋めて泣いた。どう表現していいかわからない感情が溢れて自然と涙が出てきた。


kn「俺…絶対にshkの事、助けるから…!」

sh「………っ。」




shkも俺も涙が止まらなかった…

何も話さず、ただ抱きしめたまま暫く俺たちは泣いていた……



この作品はいかがでしたか?

603

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚