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キーンコーンカーンコーン
ふぅ、終わったぁ…。
さて、図書室にでも行こうかな。
部活に入っていない俺は放課後することも無く、暇だった。
1年の時、勧誘は沢山来たが、全て断った。
部活に入って何かのトラブルや喧嘩に巻き込まれるのは御免だ。
ガララララ……
図書室の扉は相変わらず開けるのに力がいる。
ガタンッ!
なるべく静かに閉めるつもりだったが、大きな音を立ててしまった。
すぐさまその場を逃げるように俺はその場を早足で去った。
『ブルーソワレの鳥』
見つけた。
手に取ってみると、かなり分厚くて重い。
花の絵は描かれていなかった。
俺は本を借りるために図書委員の居る方へ向かった。
「本借りま…」
「は〜い」
なんだか聞き覚えのある声だな?
「え〜っと、いつ返し てもらえれば良いんだっけ」
「一週間後だって!それぐらい覚えとけよw」
「そうだったわw」
「はい、どーぞー」
「「えびす君」」
!
「たぬき先輩とえんちょう…!?」
「あれ、気づいてなかったんだ」
「図書室に来るなんて珍しいね」
「ま、まぁ…てかなんで居るんですか!?」
「俺達図書委員だからさぁ」
「そうなのかよ、」
「で、この本借りに来るってさ、やっぱりぺんとに会った?」
この本のことを知っている?
「なぜそう思うんですか?」
「ぺんと、この本よく持ってるから」
「ま、ぺんてぃ花好きだしな」
そう、なんだ…。
「花で思い出したんだけどさ…」
「?」
「…いぬたぬき、もしかしてその話するのか?」
「…やっぱ、ぺんとの口か ら話したほうが良いよな、なんでもないや」
「そう…ですか」
「さ、せっかく借りたんだから読みなよ」
どーぞ、とえんちょうは面倒くさそうに本を手渡した。
その態度、ムカつくんだけど…。
「はいはい座りまーす」
俺は仕方なくえんちょう達が居る所から離れた窓際に座った。
そしてブルーソワレの鳥を開いた。
『この森には一羽のとても美しい色の鳥が居た。
ある日、鳥が森の中を羽ばたき、遊んでいると青く美しい1輪の花を見つけた。
鳥は気になり、その花をつつき蜜を飲んだ。
その蜜は今まで飲んだ蜜より、とても甘かった。
幸福感に満たされ、鳥はとても幸せだった。
しかし、次の瞬間強烈な全身の痛みと吐き気に襲われ、鳥はその場を倒れた。』
キーンコーンカーンコーン
もうこんな時間か。
続きは気になるが時間は守らないといけない。
俺は図書室を出ようとした。
「えびす君、その本どう?」
「まだ、途中で…」
「そっか」
「じゃ、またね」
「はい、さようなら」
俺は鞄に本を押し入れ、図書室を去った。