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梓は八王子の山間部に向かう途中、鞄の中に自分の手帳を入れていた。

調査メモや、かつて自分が見た夢の断片をメモしていた黒いノートだ。

もし現地で“何か”を見つけたら、それに記録を加えようと思っていた。


山道の途中で一度、ザックの中からその手帳を取り出し、確認した記憶もある。

確かにあった。存在していたはずだった。


──だが。


廃神社が見えてきたとき、彼女はふと、違和感を覚える。


(……あれ、手帳……?)


ザックのポケットをまさぐる。いない。別の仕切りも開ける。

いない。落とした? どこで? あれほど丁寧に詰めたはずなのに──。


引き返そうかと一瞬思う。

だが、すぐ近くに見える社殿の輪郭に視線を奪われ、その思考は霧散した。


(まさか……呼ばれてる?)


そう感じた。

鞄に入れていた“自分の手帳”が、まるで入れ替わるように消えている。

代わりに、この場所には“何か”がある気がした。


鳥居は半壊し、参道は苔と根に覆われていた。

狛犬は片方だけが残り、もう一方は顔が削られていた。


苔むした石段を上がる。

社殿の正面扉は半ば崩れていた。

だが、不思議と「入ってはならない」という感覚はなかった。


否。むしろ逆だった。


(早く、見つけなければ)


そう、胸の内で誰かが囁いている気がした。


(→ 後編へ続く)

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