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※キャプション必読
性同一性障害についてです。
莉犬くん病んでます。
過去のことについても出てくるかもです。
苦手な方はブラウザバックお願いします。
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莉犬side
「んん~~」
やっと作業が終わった。
大きな伸びをして、スマホに手を伸ばす。
何時間もパソコンとにらめっこしていたせいで体中が痛い。
目もしぱしぱする。
思い頭を持ち上げながら、なんとなくエゴサをする。
俺は歌い手として活動している。
ふとした瞬間、昔が懐かしくなる。
ほんの数人しか見てくれなかった最初の頃。
そのほとんどがアンチだったっけ。
転機は何年か前、メンバーと出会ったときだった。
着実に動画や放送をしていく上で、状況が少しずつ変わってきた。
今となっては、俺らに毎日「好き」を伝えてくれるリスナーさんがたくさんいて。
俺らはそんなリスナーさんに応えられるように、楽しいを届けられるように頑張っている。
そんな活動が、俺は大好きだ。
だから俺は毎日こうやって動画作りに励んでいる。
でも、活動って良いことばっかりじゃなくて。
誹謗中傷を受けることは日常茶飯事。
ああ、ほら、また。
『莉犬の声嫌い』
『下痢犬が』
『こいつ歌下手じゃん』
『声キモ。これのどこがいいの?』
………、
我慢、我慢。
好きっていってくれるリスナーさんはいっぱいいる。
そんなの俺が1番分かってる。
でも。でも。
だからってアンチで傷付かない訳じゃない。
俺だって1人の人間だよ、?
疲れたなぁ…
動かせばコキコキと鳴る肩が重くて仕方ない…
てかあれ、今4時…!?
あっぶね、また徹夜寸前だったわ。
…ほぼ徹夜だけど。
徹夜するとメンバーから心配されちゃう…
俺としては夜の方が作業はかどるんだけどねw
とか思いつつスマホを置いて、冷えきった廊下に出た。
大好きなペット達はもう寝ていて、足音1つしない。
さっさと寝よ…
俺は寝るのが好きだ。
ふかふかで、あったかいベッドでごろごろする時間が何よりも好き。
なんにも考えなくていいしね。
でも、寝る前にはお風呂に入らなくちゃいけないでしょ?
だから、俺は寝ることを躊躇してしまう。
お風呂が、嫌いだから。
なんでかって?
だって、だって、だって。
“女の”自分の体を見なくちゃいけないじゃん。
心は男、体は女。
仕方ないと分かっていても抑えられない吐き気。
自分の、”女”の体に対する嫌悪感。
止まらない自傷行為、自殺願望。
お風呂に入る、たったそれだけでこんなに精神が削られる。
辛い苦しい嫌だ死にたい殺してよ…
普通男の子に、いや普通の子に生まれたかった。
神様はなんで、こんな手違いをしちゃったんだろう?
どうして普通の体じゃないのかな
俺、なんかしたかな
なんでなの
どうすればよかったの
男になりたい訳じゃない、最初から俺は男なの。
でもどう思っても、体は女で。
それは死ぬまで、いや死んでも変わらない。
なんで俺、生きてんのかな
日常生活でこんなに苦しい思いをしなくちゃいけないのかな
出来るだけ体を見ないように、短時間でお風呂を済ませた。
自室に入れば、俺は俺でいられる。
ここからは、俺の好きな時間。
簡単に言えば、腕を切る。
通称リスカ。
俺はこの行為は別に悪いことではないと思っていて。
だから切る。
毎日毎日、俺しか知らない秘密の楽しみ。
おもむろに左腕を出し、照明の下で照らす。
右手に持つ、黒光りするカッターが何とも言えぬ妖しさを醸し出している。
ぁあ、キレイだな。
こんな俺でも。
少し力を入れて引けば、シュゥ、と肌に赤い線が走る。
ぷつぷつと赤い球体ができ、やがてそれらが集まり腕の上を滑っていく。
端から見れば痛そうに見えるこの行為も、やってみると案外いいストレス発散法だったりする。
みんなにバレたら引かれちゃうけどね、w
傷付けて傷付けて、俺は生きる辛さを希釈している。
またこうやって俺は。
このカラダを呪いながら、1日を過ごしていく。