※キャプション必読
性同一性障害についてです。
莉犬くん病んでます。
過去のことについても出てくるかもです。
苦手な方はブラウザバックお願いします。
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莉犬side
気付けば真っ暗なところにいた。
俺なにしてたっけ、
思い出せない…
あたりは、地面も、足も、自分の腕すら見えない完全な暗闇。
どこだろう、ここ?
なにも見えない、聞こえない。
怖い。
「………ろ……………て」
「な…………あ……た……」
あれ、?
今微かに誰かの声がした。
そっと耳を澄ます。
「ど……して……られ…………の」
「おか……さ……し…で………や……る」
また声がした。
誰かいる、?
あれは…確かに人だ。
でも、なんて言ってるか分からない…
「わた………こ……して」
「ど…………ふ…うに………き…れな………の…」
やっぱりなんて言ってるか分からない。
分からない、知らない。
でも、
なんだか聞いてはいけない気がした。
全身の毛が逆立つような感覚、、、
聞きたくない。
聞いちゃいけない。
耳を塞いで、目を閉じなきゃ。
そう本能が警告しているのに、
俺の体は全く言うことを聞いてくれなかった。
声が近づいてくる。
「私を……して」
だんだんと鮮明に聞こえてくる。
「ど……して………に生きられないの」
嫌だ、嫌だ、聞きたくない。
「お母さ……は死んでやる」
ぁあ、これ。
「お母さんなんか死んでやる」
やっと、分かった。
「私を殺して」
分かってしまった。
「どうして普通に生きられないの?」
、、、お母さん。
そう思ったとき、服を後ろから引っ張られた。
真っ暗な中、その人だけははっきり見えた。
俺のお母さん。
また、、、包丁を持っている。
なんか喋ったと思ったら、
私を殺して、なんて。
昔と変わってないなぁ。
体も昔のままだった。
気付いたら俺も昔の姿に戻っていて。
………胸があった。
スカートを履いていた。
髪が長かった。
一気に吐き気がこみ上げてきて、頭もぐるぐるしてきた。
生理的な涙が出てきて、止まらない。
………ねぇ、お母さん。
俺だって苦しいんだよ。
ねぇ、お母さん。
自分だけ死んで楽になろうとしないでよ、。
ねぇ、お母さん。
なんで俺を産んだの?
ドロドロとした感情が溢れ出した。
死にたい、
死にたい、
死にたい。
大嫌い、
大嫌い、
大嫌い。
お母さんも。
こんな俺も。
俺は包丁を手に取って、
自分の首に当てた。
膝立ちになって、顔を上げて首がよく見えるようにした。
お母さんはぼんやりとこちらを見ている。
そんなお母さんに向けて、
「……………俺を、殺してください」
そう言って笑った。
高い、いつもの声で
狂ったように笑い続けた。
いつの間にかお母さんは消えていた。
笑い声が泣き声に変わった頃、
突如お腹に圧迫感を感じた。
と同時に、辺りが一気に白く光った。
俺は眩しさで思わず目を閉じた。
目を閉じる直前、家族が見えた。
お父さん、お母さん、お兄ちゃん。
、、、
「……ん、」
なんだか、お腹のあたりが重い。
痛いとかじゃなくて、ただ重い。
なんだろう?
不思議に思いつつうっすらと目を開けると、そこには俺のペット達がいた。
さっきまでの暗い世界から一変して、ここは自分の家だった。
胸もない。
髪も短い。
履いているのはズボン。
そう分かったとき、すごくほっとした。
じぃっとこちらを見つめる小さな家族。
…………さっきのは夢、だよね。
俺も、お母さんみたいになっちゃうのかな。
いや、もうなっているのか。
首に包丁を当てた時点で。
やっぱり死ねば良かった。
夢なんだったら。
「……………くぅ、」
飼い主の不安を察したのか、ペット達が俺に擦り寄ってきた。
可愛いなぁ…
ふわふわしてあったかい。ちょっと重いけど。
このぬくもりに身を任せ、俺はまた眠りについた。
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か