💙×💛
💛視点
リクエストを頂いた吸血鬼パロです✍
「……若井〜…」
「ん……」
僕にぎゅっ、と抱きついて離れないこの存在。そう、僕の恋人。最近は忙しくてあまり家に来れていなかった。別に仕方のないことだと普通は思うかもしれない。けれど少しだけ特殊なのだ。
「ずっとハグしてても変わんないの!いいから早く飲んでよ!」
「無理。」
抱きついていた身体を力ずくで無理やり引き剥がし、上げられた顔に腕を差し出す。直ぐに、ふい、と逸らされた顔に大きくため息をつく。家に来た時からずっとこの調子だ。ここ数日血を飲んでいなかったはずなんだけれど。
「何でよ。若井だってお腹すいてるでしょ?」
「空いてるけど…」
「じゃあいいじゃん!僕のこと食べていいよ!」
チラチラとこちらを伺う視線に、どうぞ!とまた差し出してみるが不機嫌な顔を向けられてしまう。
「涼ちゃんの事食べ物だと思ってないし。」
「じゃあ、……恋人として。恋人として食べて!」
何とか説得させようと考え、頭に浮かんだ言葉を使ってみる。きっとこれなら飲んでくれるだろう、そう思っていたが、返ってきた反応は予想外のものだった。
「…誘ってるの?」
「は、?いや、違うよ!だって若井もうずっと何も飲んでな……」
そこではっ、とした。勝手に僕以外の血を飲んでいないと思い込んでいたが、ここまで拒否されるのなら他の誰かのを飲んでいたのかもしれない。確かに数日とは言えど、お腹を満たせないなんて辛すぎる。それでいいなら僕も良いんだけれど……
「…僕だけがよかったなあ…。」
あまり多いとは言えないが、この世界にはそれなりの数の吸血鬼がいる。最初は若井がそうだなんて考えても居なかったけれど。結局僕と出会う前だって他の人で空腹を満たしてたんだ。今更、だよね。
「……なんかごめんね!大丈夫なら僕もう帰るよ。都合良い時また呼んでくれればいいから。」
光の差さない部屋の片隅に置いていた自分の荷物を持つ。若井の顔を見れないまま、部屋の扉に手をかけると、後ろから浅い呼吸音が聞こえた。正常とは言えない苦しそうな音に思わず振り向くと、蹲り俯いている若井が居た。
「若井、!?だ、大丈夫!?」
「っ、ごめん。かえ、って。 」
「え…… 、でも」
「帰れって!!!」
突然部屋に響いた怒鳴り声にビクリと肩を震わせる。俯いたままの若井の表情は分からないが、心配な気持ちを押し殺して部屋の外に出る。冷たい空気が漂う廊下がやけに無機質に見えた。部屋の扉に背を任せ、さっきの僕の行動や言動を振り返ってみる。あんなに怒らせることをしただろうか。怒鳴られた悲しみや、他の人への嫉妬の感情で心の中がぐちゃぐちゃになる。
「…っ、う……ぼく以外がいいのかな… 、っ、わ!?」
呟いた僕の発言に答えるよう、突然部屋の扉が開いた。完全に油断していた身体が支えを失い、後ろへと倒れる。
「…?若井?」
倒れた僕の身体を支えてくれた若井を見上げる。腕の中にすっぽりと収まった僕を見下ろす瞳がいつもより鋭く見えた。
「ごめん涼ちゃん……」
「全然大丈夫!気にしないから!」
弱々しく吐かれたセリフに、慌てて首を横に振る。きっとさっき怒鳴ったことだろう。安心させるように言葉を紡ぐと、僕を抱き締めたままの若井の手が服の下へと入り込んできた。
「…なら我慢しなくてもいいよね。」
「……は、?」
つづきます。次回🔞です。
コメント
6件
最高! 続きが楽しみ!
うわぁああああああ!!!!最高すぎる!!!!リクエスト答えてくれてありがとうございます!続き楽しみに待ってます♪
楽しい😀やっぱりすごいな。吸血ものってこんな感じなんだ。続き気になるー♪俺はまとめるのが下手だからか、短編苦手なんですよね。書いてみても気づいたら長編ものに⋯⋯何故!?ってくらい下手。詰め込みが甘いのかな?