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狡いと思うが気に入った女を手に入れるには駆け引きやちょっとした工作は必要だ。


赤と青のUSBを用意したのは赤には旦那が愛人と別れたいと言っている言葉が録音されていて、もしかすると離婚を思いとどまらせる可能性がある。しかし、青を選択したら離婚の意思をさらに固くするだろう。

だから、ちょっとだけ青を選択するように誘導しただけ。

人生と同じだ。一人で決めたと思っていてもどこかで意識決定を誘導する言葉や事柄があったりする。



あの日、買い物から帰ってきたら事務所の前で悩んでる女性がいた。

大体は不倫関連だ。

事務所が実に入りにくいこともあるが、まだどこかで相手を信じたい、もしくははっきりとわかることが怖い。

だから躊躇する。


話を聞いた時、きっと彼女は依頼に来ると思った。


案の定、彼女はこの事務所に来た。

仕事を探すという言葉を聞き逃すはずもなく、ちょうど一人辞めてしまったから誘って見ると即決だった。

しかも、なかなかに有能ではっきり言って拾い物だった。


こんな可愛くて仕事のできる嫁が居て浮気をする旦那がどんなもんかと思ったが至って普通の男だった。

そして浮気相手が彼女とは正反対で、蓼食う虫も好き好きというか、普段うまいものを食べていると珍味も味わいたい感じだろうか。


酷だと思ったが、しっかりと現実を見る方がいいと思って調査に同行させた。

完全に離婚に向けて気持ちが固まっただろう。




愛人との対決を提案するとすんなりと受け止めていた。

初めはか弱い女性で守ってあげたくなるような人だと思ったが、芯は強いのか強くあろうとしているのか目が離せない。


対決の日、きっちりとキメてきた彼女は、いつもの可愛らしいというよりも色気を感じる美人という形容詞がピッタリときた。

彼女なりの戦闘服なんだろう。


緊張しすぎて大丈夫だろうか?とも思ったがここは正念場だ。本人がやらなくてはいけない。

彼女が受付に歩いて行くところ見送ると、二人が座るであろう席が見える場所に移動した。


彼女は女優ばりの演技でしっかりと役割を果たすとビルから出てきた

彼女は涙を流していた。


やはり酷だった


「誰を信じればいいんだろう」


というつぶやきに


「なら俺を信じればいい」

と答えた。

これは本心だ。


彼女を心の底から助けたいと思った。



その日も浮気調査の結果報告をしていた。


きっと許してズルズルしてまた裏切られる。

だから、突き放すと彼女に冷たいと言われたが、クライアント全員に優しくしても身がもたないし、結局結果をどう使うかは本人次第だし、どう行動を起こすかも本人次第だ。



旦那の不倫の報告書を自分で作成している彼女に同情もするが、乗り越えて欲しいという気持ちもあるそして、傷ついた彼女の心に入っていこうとも思っている。


ただ、旦那は彼女を簡単に手放すととは思えないからその時、彼女がどういう行動に出るかだ。


案の定、旦那は離婚を拒んで話し合いは平行線になったということだった。

ちょうどそこに不倫相手から連絡が来て、彼女の機転で月曜日に200万の振込がされればもういちど話し合いをしてもし振り込みができなければ調停に入ると話をしたが、あの旦那、変なところは行動力がある。

そんな行動力があるなら、女に誘われても毅然と断ればこんなことにならなかったのに。


結局200万の振込はされていた。


ただ、このままでは彼女だけが辛い思いをし続けることになる。


だから、離婚をしない時のための誓約書も作った。


まさか、妻の体調不良が自分のせいだと思いもしなかっただろう。

PTSDを発症したということは、この先妻に触れる事もできないが互いが自由になる誓約書。

そんな誓約書を作った。


そして、俺は彼女を望みを叶えることにした。

公認ラヴァ〜それでも愛してる〜

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