コメント
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凄く面白そうです!
後日。
結局事件の後始末で委員長は仕事に追われていた。
けど、前と少し違うところといえば、佐々木が委員長の仕事を率先して手伝っているということ。
雪乃の伝えたかったことは、どうやら彼に伝わっていたらしい。
そしてミカルゲだが、お札が無くなりもう封印ができないということで、特殊警察へと引き渡されることとなった。
特殊警察は主に危険なポケモン達から市民を守る組織で、対ポケモンディフェンス部隊、通称『PBF』と呼ばれている。
受け渡しは速やかに行われたらしく、校舎から出てくる黒い制服を着た数名の部隊員とすれ違った。
先頭を歩いていた金髪の男と目があった気がしたが気のせいだろう。
そして、友人の美希はというと、
「だから、ここはこの公式を使うの」
元気に雪乃にスパルタレッスンしていた。
「あー…ほう…へぇ…」
「聞いてないでしょ」
「い、いやいや、めちゃくちゃ聞いてますよ」
「じゃあここ、わかるよね」
「すいませんわかりかねます」
「…いい?もう一度説明するわよ」
呆れながらも丁寧に教えてくれる友人に、思わず顔が緩む。
「…聞いてないでしょ」
「いやぁ、いい友人を持ったなぁと思ってね」
「あのねぇ」
今それどころじゃないでしょ集中しろ、と頭にチョップされる。
よかった、日常が戻ってきて。
雪乃は窓の外を見る。綺麗な夕焼けが眩しくて目を細めた。
「ただいまー」
家に帰ると「おかえりー」とキッチンの方から声がする。
靴を脱いでいるとリビングからイワンコが走ってきて「ワンワン!!」と飛びついてくる。
「ただいまイワンコ」
ひとしきりイワンコを撫でた後キッチンへ向かう。
「お兄、ただいま」
「おかえり雪ちゃん」
キッチンを覗くと長い髪を一纏めにしてエプロンをつけ、夕飯の準備をする兄の姿があった。
「今日のご飯何ー?」
「今日はカレーだよ」
兄の手元を覗くと、美味しそうなカレーが出来上がっていた。
「やったー!カレー好き!」
「もうできるから、手を洗って着替えておいで」
「はーい」と返事をし、洗面所へ行こうとした時、
「おいこら待てチビ」
立ちはだかるもう一人の兄の姿が。
「何春翔。もう帰ってたの。ちょっとそこ邪魔だからどいて」
「おいこら逃げんな」
「なに?早くカレー食べたいんだからどいてよ」
「これ、なーんだ」
バッと目の前に突き出されたのは、なにやら見覚えのあるぐしゃぐしゃになった用紙。
「…何それゴミ?」
「そう、ゴミみたいな点数のテスト用紙だな」
「ふーん、それが?」
「誰の名前が書いてあると思う?」
「うーん、ちょっとよくわからな」
「おめーだよ」
そう言って雪乃の頭を鷲掴む兄、春翔(はると)はグシャッとテスト用紙を握り潰す。
「なんだこのクソみたいな点数は?頭どうなってんだお前」
「いだだだだだ、ちょ、なんでそれ持ってんの!」
「お前の部屋のゴミ箱に入ってたんだよ隠蔽しようとしやがって」
「うわ、人の部屋のゴミ箱漁るとか!ストーカーかよいだだだだだ痛い痛い脳みそ壊れる!」
「うるせぇちょっとショック与えた方がその残念な脳みそも少しはマシになんだろ」
「無くなるっ、脳細胞が死ぬっ、もっと馬鹿になるからやめろぉぉぉ!!」
「どうしたの二人とも」