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「いいけど、本人いないのに、どうやって聞くのよ? それは後で、美都を連れて来てからじゃなかったの?」
「うん、そう思ってたんだけど──……」
と、エミが言いながら、
「前に一緒に撮った写真がスマホに入ってたから、それでアドバイスもらってもいいんじゃないかなって」
スマホの写真フォルダを開き、スクロールをして美都の写真を表示させると、アミに見せた。
「そういうのあるなら、早く言ってよー」
「だって、今思い出したんだもん」
ちょこっと口を尖らせて言うエミを、「そっか、ゴメンて」と、アミがヨシヨシと頭を撫でて、写真を覗き込んだ。
「ああ、けっこうキレイに写ってるから、これでもイケそうかな。店員さんにある程度の方向性を見極めてもらって、あとは私たちで決めたらいいしね」
そうアミが話すと、さっそく売り場の店員に声をかけた。
写真を拡大して、どんなメイクがいいのかを店頭で尋ねてみると、「この方なら、明るめのオレンジやグリーンなどが似合いそうですね」と、アドバイスが返された。
「もしよろしければ、お写真をこちらのメイクアップシュミレータにアップしていただくと、実際にメイクしたような感じが見られますが、いかがですか?」
「「お願いします!」」
揃って声を上げる双子に、店員さんはふふっと笑うと、シュミレータへ案内をした。
美都の写真を上げ、いくつかカラーを顔に乗せて試してみる。
「やっぱりオレンジ系が、美都のイメージに合うみたい。店員さんも言われてたように」
モニター画面を眺めて、アミが言うと、
「うん、美都かわいいー」
エミが、にっこりと笑って答えた。
そうして最終的に、アイシャドウは華やかなオレンジとパールグリーンのニ色使いに、チークは自然な風合いのオレンジベージュにと、だいたいの色合いが決まった。
「ルージュは、パレットで混ぜて、美都に一番しっくり来るのにしようよ」
アミの意見に、エミが「うん」と同意をすると、二人は選んだアイシャドウとチークを買って、売り場を後にした──。