テラーノベル
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ピクニック中、LoveDummyはデレデレした様子でTapeDummyの腕に抱きついた。
「愛してる」
何度も聞いたその言葉にTapeDummyは何も言わずに頷いた。
その行動には彼女と同等の愛があったはず。
でもLoveDummyにはそれは愛の欠如だったようで。
「僕のこと、どうでもよくなっちゃった?」
腕に抱きつく力が強くなる。
「そんなことない。私も愛してる」
咄嗟に否定しても、LoveDummyには言い訳にしか聞こえなくなっていた。
「こんなこと言いたいわけじゃないけど、それが本音には思えないよ」
LoveDummyはTapeDummyから離れて俯いた。
(また、不安定になっちゃったな)
TapeDummyは少し面倒に思いながらも、LoveDummyに寄り添う。
「私の気持ちは本物だよ、だから、ねえ……機嫌を直して一緒にピクニックの続きをしよう?」
すると突然LoveDummyはTapeDummyの手首を掴んで押し倒した。
「嘘つき!!!僕のことなんて愛してないくせに!!!」
彼女の瞳からは涙が溢れていて、苦しそうだった。
(ああ……)
彼女にはいつも笑顔でいて欲しいのに。傷つけて泣かせてしまった。
「ほんとに愛してくれてるなら……わかってるよね?」
察してほしそうに見つめられても、TapeDummyは目を逸らすだけだった。
「キスしてよ……なんでわかってくれないの……」
「……」
TapeDummyはLoveDummyの襟を掴んでキスをした。
決して紳士的ではない行動に、一瞬彼女を逆撫でしてしまったか、と焦ってしまったが、彼女は嬉しそうに舌を絡ませて密着してきた。
「……ん」
「ふふ、んふ……ぁっん」
いつの間にか襟を掴む手は腰に回っていて、抱きしめ合うようにキスをしていた。
LoveDummyはTapeDummyの頬を両手で掴んでキスを愉しんでいた。
「……ん、何して……」
「Tapeともっと仲良くなるためのおまじないだよ…んへへ…♡」
LoveDummyはTapeDummyのネッカチーフをほどいて、首元にキスをする。
TapeDummyの甘い声が彼女を刺激して、キスの数が増えていく。
「マーキング、これでTapeは僕のもの……ふふ」
キスマークを撫でてそうつぶやくLoveDummyにTapeDummyは少し困惑していた。
「Tapeも、僕にマーキングして」
「…?どうやって……」
「首、噛んで」
目を細めて笑う彼女にTapeDummyは動揺する。
「早く噛んでよ」
「…わかった」
少し悩んだあと、TapeDummyはLoveDummyの首元をゆっくりと甘噛みした。
「もっと強く噛まないと跡つかないよ」
「痛いよ…そんなことできない」
「僕がしてほしいの、お願い」
お願い、その言葉にTapeDummyは従うしか無かった。
「ん……ふふ、跡ついた……♡」
「痛くなかった?」
「うん、ありがとう……ふふ」
LoveDummyは噛み跡を愛おしそうにさする。
「愛してる」
TapeDummyは咄嗟に出たその言葉を取り消すことはなかった。
「…僕も愛してるよ!」
さっきまでの涙は笑顔に上書きされて、幸せに満ち溢れていた。
コメント
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歪んだ方法で気分治すのか…ちゅき