藤澤「『藤澤涼架の、それだけはやめて!』。司会の、藤澤涼架です、よろしくお願いします。」
??「よろしくお願いします。」
藤澤「えー、早速ですが、大森さん、最近、それだけはやめて!という」
大森「え? 紹介とかなし? ゲストなんだけど。」
藤澤「あ! あは、すみません、えー、本日のゲスト、大森元貴さんですー。」
大森「はい、どうも。」
藤澤「では、早速、大森さん。」
大森「はい。」
藤澤「最近、それだけはやめて! ということ、ありましたか?」
大森「んー…、あー………ないですね。」
藤澤「ねぇなぁんで! 答えてくれるって言ったじゃん!」
ダイニングテーブルで向かい合わせに座って、元貴がケラケラと笑っている。僕のラジオの反省会として、元貴が「今度はちゃんと答えるから」って言ってくれたから、こうしてテーブルに着いてラジオっぽく練習してたのに。やっぱり答えないんかい!
僕がヘソを曲げて、立ち上がると、元貴が、はー…と笑いながら腕を掴んできた。
「ねぇごめんて。」
「もういいよ、そうやって意地悪して楽しんでれば良いでしょ。」
僕は、怒った顔をしてそっぽを向いて拗ねる。ソファーに座る僕の腕にくっついたまま、元貴も隣に座ってくる。
「ねー、ホントに怒ったのー?」
「怒ってないよ、拗ねてんの。」
「スネ夫かー。」
まだふざけてる元貴を、ジロ、と睨む。元貴は肩をすくめて、立ち上がると、リョウカを抱っこしに行った。もう、都合が悪くなると、すぐリョウカに逃げるんだから。
リョウカは、元貴が飼っている、白っぽいフワフワの小型犬。僕が、僕と同じ名前を付けたんだけど、若井には「重くない?」って引かれたっけ。
若井、そうだ、若井だ。
若井のラジオでの、『ベン』のクオリティの高さに僕が落ち込んでいたから、慰めてくれた後、元貴が練習に付き合ってあげる、って言ってくれたんだっけ。なのに、さっきみたいに非協力的な態度で、また僕を困らせて笑う。
「…最近、元貴冷たくない?」
ソファーに座りながら、僕は手元に視線を落として呟く。リョウカを抱っこした元貴が、また隣に座った。
「そんなことないワン。」
リョウカの脚を持って、元貴が高い声で言う。なんだよ、さっきは、 俺の態度に傷付いたら俺に言えって言ったクセに…。僕は呆れた顔で、リョウカの脚を手で握る。あー、可愛い。
「ねえ、リョウカ、歯見せてるよ、やめてあげなよ。」
「…藤澤涼架の?」
「…それだけはやめて!」
ふふ、と笑って、元貴は、リョウカを持ち上げるのをやめた。僕にリョウカを抱っこさせて、元貴が顔を近づける。
リョウカを胸に抱っこしたまま、僕は元貴のキスを受け入れた。顔の角度を変えて、どんどんキスが深くなっていく。
「…!」
リョウカが、僕たちの顎をペロペロと舐め始めた。僕はくすぐったくて、つい、ふふ、と笑ってしまうが、元貴が僕の口に舌を入れるのをやめてくれない。二つのベロに舐められて、僕はなんだかすごく恥ずかしくなってきた。
「ん…ちょ、っと…やめて…。」
「んー? ちゃんと言わないとやめなーい。」
「はあ?」
「ラジオの練習、するんでしょ?」
ニヤッと笑って、スルスルと手を服の中に入れてくる。僕は、顔を舐めようと首を伸ばすリョウカを両手で止めるのに必死で、元貴に対抗することができない。
元貴がとうとう僕のズボンをズラして、ソファー横のサイドテーブルからローションを取り出した。
「なんでそんなとこにあるんだよ!」
「え? いつでもここで出来るように。」
もちろん、そこからコンドームも出てきて、ちゃちゃっと準備を始めた。
指に潤いをつけて、中へと入れてくる。
「あ…ちょ! 嘘でしょ!?」
「大丈夫大丈夫。さっきトイレ行ったでしょ。」
「でも…! あ…。」
脚を持ってグイッと引き倒されて、僕はお腹にリョウカを乗せたまま、ソファーに仰向けになった。元貴が指を抜いて、熱を持った中心を、僕にあてがう。
「ま、待って、ホントにやめて! リョウカが…!」
「…ちゃんと言わないと。」
「なにが…!? 」
「…藤澤涼架の?」
「…〜〜!! それだけはらめて!!」
「…噛んじゃったね、残念。」
元貴は容赦なく、僕の中へ埋め込んできた。
「あぁ…! ちょ……と…。…ん…!」
僕の抗議などお構い無しに、元貴が腰を振ってくる。リョウカが僕の胸に乗って、一緒にゆさゆさと揺れている。僕はリョウカに見つめられながらこんな事をしているのが居た堪れなくなって、リョウカをなんとかソファーの下に行かせようと手で促す。チリチリと首輪を鳴らしてぴょんと飛び降り、おもちゃの方へ、チャッチャッと爪を鳴らして歩いて行った。
ホッとしたのも束の間、元貴が自身を引き抜いたかと思うと、僕の身体を反転させて後ろからまた挿れようとする。
「…元貴、…だめ…。」
「…なにが?」
「……だから……これ…。」
「言わなきゃわかんないなぁ。」
そう言いながら、また僕の中へと侵ってきた。休む間もなく、ずーっと抽挿を繰り返される。顔をソファーに押し付けて、声が出るのを防ぐが、くぐもった声が情けなく漏れ出てしまうだけだった。
「あ…あ…!」
「…涼ちゃん、気持ちいい?」
蕩けるような声で、上から僕に言葉を落とす。僕は、ゆさゆさと揺さぶられ、耳からは元貴の甘い声が入ってきて、背中がゾクゾクと痺れた。
こんなに明るい部屋の中で、リョウカをケージにも入れずに、ソファーでこんな事をするなんて…。
「ん…ん…あぁ…!」
ものすごく、興奮する…!
「…涼ちゃん、気持ちいいんだねぇ。やめなくてよかったねぇ。」
ああ、僕は変態になっちゃったんだ。こんなに強引な行為をされて、ここまで気持ち良くなっちゃうなんて。でも、それは、相手が元貴だからだ。愛する恋人だから、受け入れたいだけ。だから、まだ、きっと、僕は大丈夫。
誰への言い訳なのか、僕は頭で必死に自分を正当化して、快楽に身を委ねていた。
「はぁ…涼ちゃん…好き…。」
「ん…元貴…俺も…好き…あ…!」
最後に向けてしばらく強く揺さぶられて、元貴が奥へと打ち付け、何度か力を込める。
ゆっくりと引き抜かれて、僕は力無くソファーに倒れ込む。
「涼ちゃん、お風呂、行こ。」
元貴に腕を引かれ、僕はゆっくりと立ち上がって素直に着いて行く。
湯船に浸かって、元貴に後ろから抱きしめられる。暖かくて、さっきまであんなに乱れていたのが嘘のように、穏やかな時間が僕らを包む。
「…涼ちゃん、ごめんね。」
「なにが?」
「んー…いろいろ。」
「…ズルいなぁ…。」
そうやって、元貴は、全部許させてしまうんだから、ホントにズルい。
「えーとぉ、それだけはやめて!ってことはぁ。」
「なに急に。」
「答えてんじゃん。えっとぉ、恋人がすぐ拗ねることですねー。」
「拗ねてねーし。」
「あとはぁ、なんかやたらエロいことですかねぇ。」
「やめろ。」
「若井を構いすぎるとヤキモチ妬くし、スネ夫になります。 」
「…そうなんですねー、じゃあ、もう、えっちすんのやめときますねぇ。」
「え!」
元貴が、焦って僕の顔を覗き込む。僕が赤い顔で睨むと、へら、と笑って誤魔化してきた。
「あんまり意地悪しすぎると、ホントにもうやんないからな!」
「ごめん! 涼ちゃん!!」
浴室に、元貴の焦った声が響き渡った。
「それだけは、やめて!!」
コメント
48件
「ねぇなぁんで!答えてくれるって言ったじゃん」て言うスネ夫な涼ちゃん可愛すぎ♡ 拗ねちゃうのとかリアルにありそうで都合悪くなってリョウカに逃げた元貴くんにはやられたw 元貴くん、涼ちゃんにリョウカまで加わってのセンシティブ!情報量多いてベン!! 活動休止はダメージが半端ないよね😩直近でダメージくらったのはPerfumeだな
好きが更新されていくぅ⤴
最期のそれだけはやめて!のオチ、最高です🫶✨ そして、ジト目同盟として、感謝の言葉しかありません💕←この顔で?笑 最近♥️💛不足だったのと、先日のラジオのモヤモヤが見事なくなりました🙌 最近冷たくない?が決め手ですね🫡