「みんなでご飯行きませんか? 美都も一緒に」
アミが『美都も一緒に』と付け加えて、私の方を振り向いてニッと笑った。
「もうー……アミぃー……」
恥ずかしさで顔から火が出そうにも感じる。
「ああ、いいね。みんなで行こうか」
二人の意図を知らないチーフがデスクを立つと、私は先を行くアミとエミの後をちょっと困り顔でついて行った。
オフィスのエントランスを出ると、「あっ! ねぇ、コンビニスイーツが食べたくなっちゃった」と、急にエミが言い出した。
「ああそれ、私も食べたいかも。だからすいません、二人はお食事にでも」
アミがそう続けて話して、「いってらっしゃい」とばかりに、手をひらひらと振った。
「アミ、ちょっと待ってって……」
「いいから、行って来なって。私たちも、チーフとランチしたつもりで、ちゃんと食事して帰るから」
アミからそう耳打ちをされて、「もうー……」と、その策士っぷりに苦笑を浮かべる。
「チーフ、美都とランチ行って来てくださいね」
エミから念押しの一言が投げかけられて、
「あの二人が、チーフとランチにって……」
矢代チーフの顔を上目使いに窺いながら話すと、「ああ、そういうことか」と、合点が行ったように返された。
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