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※❤️💛❤️
今、俺は心臓がバクバクしている。
なぜなら、涼ちゃんが出ているドラマを観たから。
いつもの優しい涼ちゃんじゃない、闇社会の役の涼ちゃん。
何かに芽生えそう、そんな事を思っていた。
ドラマをリアタイした次の日、運がいいのか悪いのか、2人だけの仕事だった。
でも今日は救世主(若井)がいて欲しかった。
昨日観たばかりなのに。
「元貴……?大丈夫?」
涼ちゃんは俺が変なことにいち早く気づいた。
なぜこういう時素早いのか。
感情豊かだからなのか。よく人を見ているからなのか。
「ん、大丈夫。」
なるべく平静を装って答える。
バレていそうだけど。
「寝れてないの?」
心配そうにこちらを見る。
昨日は違う意味で寝られてない。
俺はなるべく誤魔化して
「うん、ゲーム、してて。」
俺ってこんなに嘘つくの下手くそだったか。
涼ちゃんはしばらく黙って俺を見つめる。
多分嘘なのバレてるな。
「無理には聞かない。」
そう短く俺に言った。
ごめん。でもこんな理由話せるわけない。
涼ちゃんの悪い表情、優しくない言動や言葉に興奮した、なんて。
「無理だけはしないでね。」
いつも通り、優しく笑う。
俺は愛想もなく素っ気ないまま答えたのに。
そして自分の作業へと戻って行った。
これから俺は毎週毎週寝られなくなるのか。
リアタイ必ずできる訳ではないけど。
次の日には本人に会うのに。
どうしよう。でも1話観たなら最後まで観たい。ストーリーも涼ちゃんも。
「耐えられるか……俺……。」
1人静かに呟いた。
なんとかいつも通りの俺に戻って行った矢先に2話目が始まる。
またゼロからに戻っていく。
2話目も、先週と同じく刺激が強かった。
俺も涼ちゃんにあんな強く言われてみたい。
そう思うようになってしまった。
かなりドMで変態だと思う。
こんなのじゃ、無かったのに。
その日、興奮しすぎて1人であの役の方の涼ちゃんを想像して抜いてしまった。
付き合ってもない。告白もしてない。
かなり最低だ。
過程を飛ばしすぎている。
げっそりしているのはさすがに隠せなかった。
「なぁ大丈夫かよ。」
さすがに若井も気が付く。
寝れてねぇの?と付け足して。
「あー……うん……。」
若井には言ってもいいか。昔からの付き合いだし。
「ちょっとさ、今夜うち来てくんない。」
相談、というより性癖晒しになるけど若井に話してみよう。
なんとかぎこちないけど涼ちゃんとも仕事を乗り越え若井と俺の部屋に入る。
「で、何をお悩みで?」
若井は座りながら俺に聞く。
何回も悩みとか愚痴を聞いてもらっているから今回も何かに悩んでる、だから寝られてない、そう思っているのだろう。
「あのさ、引くかもしれん。」
これから話すのだいぶ攻めてる事だから。
「え、何。引く……?」
どういう……?若井は俺が言ってる意味も分からずはてなマークを浮かべている。
「いや、元貴は元貴だし。俺が引いたところでちゃんと聞くよ。で、何があった。」
良い奴だ。本当に。
「えーと、涼ちゃんの、ドラマが始まったでしょ。」
俺は事の経緯を話していく。
あぁ!と若井が頷く。
「日劇のやつね。涼ちゃんバリバリのヤンキー。普通に似合ってた。」
やっぱりそうだよな。メンバーとしてはそこに行くよな。
「それ、なんだよ……。」
それ、と言って何が?と言いたそうな若井。
「ガラ悪い涼ちゃん?涼ちゃんっていうか霧矢、か。え、それが?」
それが何だって言うんだ?と若井が俺を見る。
「その、ミセスでいる涼ちゃんは素のいつもの涼ちゃん、じゃん。」
当たり前だけど。
え、うん。と若井も相槌を打つ。
「役の涼ちゃん、にさ……すっごい興奮しちゃってさ……。」
自分で説明するのかなり恥ずかしい。
性癖を晒してるだけだからな。
若井を見ると目をぱちくりさせている。
そりゃそうだ。こんなデリケートな話、学生の時ぶりだ。
「え、何、あの霧矢の涼ちゃんが好きなん。」
ストレートだな。
そういうことになるか。
でも涼ちゃんはどの涼ちゃんも好きだからちょっと違うか。
「んーいや、涼ちゃんはどんな性格でも好き。なんて言うか、知らない1面を知って変なのに目覚めた……みたいな。」
罵られたい、みたいな事だと思う。
「あーなるほど。元貴ってMなんか。うっえー。」
若井が顔をウゲッとしながら言う。おい、殴るぞ。
「うるせぇな。だから困ってんだ。」
どうしてくれるんだ。俺だってそう思ってる。
「まぁ、あれはやばいよな。破壊力。普段のギャップがありすぎる。」
そう。涼ちゃんの普段は真逆だし。ホワホワで、優しくて、暴力とは無縁の。
「だから毎週毎週こうなるのかと思って、涼ちゃんにはぎこちなくなるし。かと言って観ちゃったもんは気になり過ぎる。」
そもそも観なきゃいい話なんだが。
ここまで影響でるなら。
でもあの涼ちゃんをもっと見られると思ったら毎週リアタイしたいレベル。
「え、もう付き合えよ。」
若井がスンっと真顔で言った。
真面目に相談受けてくれよ。
「おいめんどくなっただろ!」
俺は若井をちょっと睨む。
「いや、まじ。」
若井はまだ真顔で答える。
「え、本気?」
告白するってか?
じゃないと付き合えないしな。
若井は静かに頷く。
茶化さないってことはガチである。
「いや、ええ……。」
俺は更に困惑する。
考えたこと無かった。もちろん恋愛的に好きだけど。
付き合う気もなかったし。
「しゃぁねぇ、キューピットになってやっか。」
そう言って肩を鳴らす。
待て勝手に話を進めるな。
「いや、無理だろどう考えても。」
どうするんだよ、ミセスは。
「俺らに恋愛禁止なんてありませーん!付き合ったなら発表すりゃいいそれだけだろ。みんなも分かってくれるよ、それでこそJAM’Sだし。」
ド正論言うなよ。
そうだけど。みんながみんな受け入れてくれる訳でもないけどな。
「でも、どうすんのさ……。」
俺、アタックする気ないんだが。
「どうせ元貴が自分で頑張れよって言っても何もしないだろうから、任せとけよ!幼なじみ! 」
昔から一緒にいるだけあるな。全部読めるのか。若井のくせにムカつくな。
でも、俺自身のためでもあるし、 ここは若井に助けてもらうか……。
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