証拠を綺麗に消して終えてホテルを出た。
さっきまであんなに可愛かったしょっぴーはもういつもの顔で『腹減った』とか言っている。
切り替えが早すぎて、俺の方が気持ちが追いつかない時がある。
岩本くんとしょっぴーは淡泊な付き合いをしてると勝手に思っていたから、はじめに羞恥で顔を真っ赤にして涙ぐみながら『照といられない時、寂しくて身体が疼いてセックスしたくて仕方なくなる、でもこんなのめめくらいにしか言えなくて』としょっぴーから聞かされた時には随分と驚いた。
そこから、万が一行きずりとか面倒な事が起こってもいけないからと始めたしょっぴーの性欲処理と言う名の、実質不倫関係。
最初の方こそガツガツして積極的だったけど、最近は罪悪感が大きくなってきているんだろう、行為のあとによく浮かない顔をしている。
しょっぴーのリクエストで個室の鉄板焼を食べに行った。
幸せそうにたくさん食べている。
阿部ちゃんには『しょっぴーとご飯食べてるよ』と、鉄板焼の画像を送った。
阿部ちゃんからも『美味しそう!ホテル着いたからひと休みしてから俺らもご飯行ってきます』『照が面倒見てくれてありがとうって』と返事があった。
🖤「面倒、ねぇ」
💙「ん?あ、照だ。もしもし?うん、めめといるよ。は?子どもじゃないしわかってるわ、バカ。…うん、じゃあ」
岩本くんと話すしょっぴーの声は恋人に甘えているそれで、俺がどんなに身体の寂しさを埋めてあげた所で聞く事はできないものだ。
🖤「岩本くん、何て?」
💙「めめの言う事ちゃんと聞けって、意味わからん」
言いながら牡蠣を頬張る。
🖤「ふーん」
掘りごたつ席の中で脚を伸ばし、向かいのしょっぴーの脚の間に差し込む。
💙「えっ」
🖤「ちゃんと言う事聞いてね、って」
つま先で脚の付け根を何度も撫でていると、だんだんそこは硬くなってきた。
💙「バカ、やめろ…こんなとこで」
🖤「感じてる」
💙「はっ、ふっ…」
逃げればいいのに、気づけば自分から擦り付けている。
🖤「そんなに腰振って、店員さん来たらどうするの」
💙「はぁ、はぁ…あっ…」
🖤「もう。帰れなくなる」
結局、この日はもう一軒ホテルに寄って再び身体を重ねた。
そして行為のあと、また浮かない顔をした。
💙「照がいない寂しさを埋めたいのか、めめとしたいのか、よくわからん時がある」
帰りの車でしょっぴーがそう気持ちを吐露した。
🖤「それ、俺に気持ちがあるかも知れないってこと?」
と返すと、露骨に顔を歪めて
💙「うわ、やっぱ違うわ、考えたら気持ち悪ぃ」
🖤「ちょっと、それは傷つく」
💙「悪い悪い。でも気持ちはないな」
🖤「俺だってないし」
わかってるよ、と口を尖らせ
💙「もうやめるわ。やっぱり照が好きだし、これって裏切ってるよなってずっと引っかかってた。勝手言ってごめん」
と帰り道に買った水を一気飲みした。
そして車が自分の家に着くとすぐに降り、こちらに手を振るとオートロックを抜けて帰って行った。
家に帰ってスマホを見る。
阿部ちゃんからの連絡はない。まだ岩本くんと食事中だろうか。
しょっぴーとの関係はあっさり始まって、あっさり終わった。
正直、俺も寂しさとかはなくて、安堵の方が大きい。
抱かれているしょっぴーはそりゃ可愛かったけど、どこかで何でも阿部ちゃんと比べている自分もいた。
阿部ちゃんに『楽しんで、気をつけて帰ってきてね』と、『色々ありがと』と送ってきたしょっぴーには『どういたしまして。次は何食べる?』とそれぞれ返し、お風呂に向かった。
コメント
13件
しょっぴー罪悪感を感じて ちゃんとやめれてえらいね!
めめに罪悪感足りないなあ
意外とあっさり終わった。って書いててあ、あれ?ってなっちゃった😂