アジトの大きな扉が開いて白い光が入ってくる__
そこには凸にーと見たことの無い女の子だけがいて、パパの姿はなかった。
「凸、、、さん」
うたえもんが寂しそうな声をかける
パパ?
パパは?
凸にーが帰ってきたことも嬉しいけどおどろくのパパは?
パパはどこ?
「凸にー!パパは!!ねぇパパはどこにいるの、、、?」
「、、、おどろくちゃん、、、」
「ねぇパパはどこ?凸にーお目目どうしたのだ?そこの女の子は、、、?」
みんなが痛たましくおどろくのことを見てくる
なんでみんな答えてくれないの?
ねぇおどろくのパパは?
「凸にー、、、?お目目痛くないの、、、?」
「だ、大丈夫だから、、、」
ほんとに凸にーとは思えないぐらい生気のない返事が返ってくる
凸にー、、、?
「医務室行きましょっか、、、」
静寂を突き破るようにしぇいどしゃんがそう声をかける
うたえもんが気まずそうに一旦お仕事のお部屋に戻る
「行こっか、、、凸さん」
さもにーが凸にーを医務室までエスコートする
いっつも凸にーにエスコートされてたのに
「、、、行きましょっか。お名前は?」
「、、、ななっし〜、、、」
「そうですか。行きましょっか」
呆然と。
おどろくのことだけをおいて話が進んでいく
パパ、、、は、、、?
おどろくのパパはどこにいるの?
おどろく、、、おどろく悪い子だからパパそのまま出てっちゃったのかな、、、
パパ、、、?
「おどろくさん」
部屋に戻っていたうたえもんが何か袋を持ってしゃがんでおどろくと目線を合わせて話しかけてくる
「うたえもん、、、?」
「少し、、、話ししよっか、、、」
「うん、、、」
「おいで」
そう言って手を引かれてしぇいどさんが丁寧に手入れをしてくれているお庭に行く
中央にはよく分からないけれどドーム状の建物のところに行く
椅子があるからそこに座らせられる
「とりあえず、、、おどろくさんはい」
そこにはプリンと林檎ジュースが置かれる
うたえもんいつ用意したんだろう?
「、、、食べていいの?」
「うん」
しばらくこんなのが並ぶことがなかった
というかプリンもおどろくが好きなお店のやつ
パパとよく買いに行ってたところの、、、
「やっぱり美味しいのだ〜!」
おどろくがプリンを食べている横でうたえもんが申し訳なさそうな顔でおどろくのことを見守っている?
うたえもんも食べたいのかな?
「うたえもん!!はいっ!」
適当にプリンをすくったスプーンをうたえもんに差し出す
「僕は大丈夫だからおどろくさんが食べな?」
「そうなのだ?欲しかったらおどろくが食べ終わる前に言ってね?」
「わかった」
しばらく沈黙が続く
「おどろくさん」
「ん?プリン欲しいのだ?」
うたえもんが失笑する
「お話しよっか」
「うん」
そういえばお話するために来たんだった
「そういえばパパは??うたえもんパパは???何か知ってる??」
「ちょうどそのこと話そうと思ってさ、、、」
うたえもんが言い淀む。
ちまちま食べていたおどろくのプリンももうそろそろ無くなってしまう
もうちょっと食べたいな
「ボス、、、はね、、、帰って来れなくなっちゃった、、、」
「な、なんで!!お国の戦争は終わったんじゃないの??だから凸にーは帰ってきたんじゃないの?」
「ご、ごめん言い方が悪かったよね」
うたえもんは一呼吸をおいて再度おどろくと向き合う
「ボス、、、ね、、、」
「うん」
「死んじゃった、、、」
嘘だ、、、
「パパは、、、」
「パパは生きてるもん、、、!」
お庭の空気が嫌で、
うたえもんから逃げるように走り出すのだった
コメント
1件
何回読んでもこの場面は悲しいな…