テラーノベル
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自分には昔から嘘が見えた。
嘘をついているとその人の背景が色づいて見えた。
その嘘の種類によって色が違う、ということもだんだんとわかっていった。
それ故に友達と思っていた子に友達だよね、と言ったあとの「うん」が嘘ということもクラスの女子が私たち親友だよねといいながらそう思ってないのが見えたりとにかく世の中は“嘘ばかり”だと気づいて自分だけの世界に引きこもった。
幸い、家族はみんな本音や思いやりの嘘が見えるくらいだったからなんとかやってこれた。
そして信用出来る若井との出会いは俺を大きく変えてくれた。
「毎日来るのめんどくさいだろ」
「そんなことない、だって一緒に学校行きたいし!」
「この曲どう思う?」
「元貴の作る曲好き、俺もギター上手くなりたいから頑張る」
そんな素直な若井が再び出会って俺とバンドをしたいと言ってくれた時も嘘のないことが嬉しかった。
そしてたまにつく他愛もない嘘···例えば寝不足じゃないと眠そうにしながら欠伸を誤魔化すようなものが逆に愛しいと思えるくらい、若井はいいやつだった。
そして綾華と高野と··· もう1人、素直で嘘をつくときは人のことを思ってばかりのりょうちゃんとの出会いも俺にとって大切なものだった。
本当に素直で飾らないりょうちゃんが可愛くて大好きだった。
たまに厳しいことを言うのも心のままで、けどだからこそ繊細で優しいところに惹かれて愛しいと思うのに時間はかからなかった。
大人たちの中には嫉妬のような憎悪のような赤黒い色のの嘘や、見栄や虚勢の濁った黄色のような嘘を付く人が多くいた。俺はその人たちとは距離を取り、素直に嘘無くぶつかってくれる人や、俺のことを思って言ってくれている人たちだけを選んで進んできた。
嘘が見えることも使い方によっては悪くない、そんな風に思えるくらい成長したと思っていた。
それが崩れ始めたのは活動休止をした頃だっただろうか?
それか平気だと思いながらも実はとっくに心は崩れていたのか俺にはよくわからない。
ただ、再び嘘に怯え、信じられる人は若井とりょうちゃんだけだってことが俺にはハッキリわかった。
コメント
3件

新連載!嬉しです〜 いつも不思議なストーリーを沢山思いつくの、すごいです! いつもどうやったら思いつくの〜!って考えながら読んでます✨️
確かにこの世は嘘でまみれてるし、嘘のない世界が理想だけど、そんなに甘くないもんね。今日も今日とて生きづらい⋯⋯。
新連載✨楽しみです‼️