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どうしようもなく緑間が好きな高尾
高尾目線
高>>>>(<)緑
最近緑間真太郎の様子がおかしい
いや、もともと緑間はおかしい奴だけど何かが違う。
それもWCの洛山戦から。
前からよく泣くなとは思って いたけど、毎日のように泣いているのは初めて見た。
先輩がいないしずかな部室、ただそこで寂しくまつ毛を揺らしているだけ。
俺はと言うとそんな緑間に声をかけてやれず拳を握るばかり。
だがそんな緑間にやっぱり話しかけようとあの日のように彼に話しかけた。
「……なァ、緑間」
わざといつもらしく真ちゃんと呼ばないで苗字で呼ぶ。
おしるこの香る彼からなんだという声が聞こえてきて少し笑いかけ
「……さびしいな、やっぱ」
「……そうだな」
そういう彼の割にはいつもより素直で、でもあまり笑えない。
メニューの内容もあまり変わってないはずなのに、宮地先輩も木村先輩も大坪先輩もいない秀徳高校バスケ部は寂しさだけがさまよっていた
今緑間、真ちゃんを支えられるのは俺1人。
あぁ、絶交の独り占めチャンスなのに、彼を見る度に辛くて手が出せない。
なあ真ちゃん、俺のことどう思ってる?
……今そんなことを聞いたとして、今後の部活に支障をきたすと思いなかなかいえない。
恋愛ごとを今更放り込んだとしたら、もうあの神聖なパスを二度と出すことは出来ないだろうから
数ヶ月経つと真ちゃんの泣き顔は見なくなった。
いつものようにストイックに長時間練習していただけ。
ただひとつ、わがままだけなくなってしまった。
1年生の頃の少しわがままで子供っぽい、泣き虫な彼はもう居ないのだ。
寂しさも感じながら彼の背中だけをみつめる。
距離もだんだん遠くなるのかもしれない。
毎朝チャリアカーを引いてるはずなのに、毎晩送って、連絡も取り続けてるだけなのに彼は俺の中で孤立感を感じている。
寂しいよ真ちゃん、置いていかないで。
「ーーぉ、ーかお、高尾、」
俺の顔を覗いては緑間はそう声をかける
「何眠っているのだよ、早く練習に行くぞ」
アンダーリムメガネを直してはそう言って教室を一緒に出ていこうと言うばかりに俺の裾をつかむ。
感じたのは普段感じなかったツンデレのデレの部分。
先輩になった緑間は成長しただけじゃなく心も強くなり、少しは甘える気力もでたらしい
俺を見つめるそのエメラルドのような瞳がとても美しくてやはり惹かれてしまう。
あの試合の時もお前のことだけ追って……
「高尾、無視とは……」
「悪ぃ真ちゃん、卒業まで待ってようと思ったけど……もう無理だわ」
彼の手を握り教室を出る
久々に彼の慌てた声が後ろから聞こえてつい高笑いをしてしまった
「真ちゃん、俺お前のこと好きだわ」
走ってる最中に口走りやべっと思った時には彼の顔は火照りに侵食されていた
今まで見た事のないような驚きようについ可愛いと思ってしまい胸の奥がキュンとする
「た、たか、たかお、それはどういう」
わなわなと震える彼を屋上までの道に連れていきグイグイと階段を昇らせ、最終的に後ろから抱きつく
大好きだぜ、真ちゃん
始めてそう彼に言えた。
人生初の告白は、他でもない秀徳高校の、我が愛しのエース様だった