ワンクッション!
この小説には以下の要素を含みます。
・擬人化
・勝手な設定が盛られている
・私の妄想全開&推し優遇
・オリキャラ
・軽い暴力表現
・「ゆっくり育てていってね!」のネタバレ(ダンジョン行きますので未プレイの方はゆく育をちょっとでもプレイするか開き直ってからどうぞ)
以上のことが許せる女神のような心の持ち主様はどうぞお進み下さい。苦手な方はブラウザバックをお願いいたします。
それではどうぞ。
?「……あの、やっぱダンジョン間違えてますよね?かつての鉱山ならもうちょっとあっちに……」
?「でも地図ではここのはずなんだけどなぁ……」
少し奥に、お化け屋敷に行くような足取りで先へ進む者が2人いた。ふと、後ろから足音が聞こえた。二人が振り向くと、そこにはモンスターがいた。二人は急いで先へ走っていく。
?「ギャー!まってまって聞いてない!こんなモンスターがいるとか聞いてないー!」
?「ほらやっぱりダンジョン間違えてるじゃないですか!廃坑にこんなモンスターいるわけないっすよ!」
その時。何かの光が見えた。
?「『ウィンドカッター』!」
いきなりの暴風に、2人は地面に伏せた。やがて暴風が止むと、自分たちが通ってきた道から何やら声が聞こえる。
魔法少女「風神さん、攻撃魔法はこうやるんですよ!」
剣豪「相変わらず派手に行くなお前」
魔法少女「魔法なんて派手にやらないと魔法じゃないですよ!」
雷神「ん?誰かいる?!」
剣豪「……って、何してんだお前ら」
ジェネ「鍛冶屋と鉱夫じゃねえか」
2人には聞き慣れた声が聞こえた。
鍛冶屋「ジェネラルさん!良かった、助けて下さい!」
鉱夫「剣豪さんもいる!生きて帰れそうで良かった……」
雷神「あれ、ジェネラル知り合い?」
雷神がそう問う。
ジェネ「ああ。弾薬を提供してもらってるんだ。」
剣豪「俺も道場の剣作って貰ってる」
鉱夫「ん?ここまで強い人たちがここに来てるってことは……やっぱりダンジョン間違えてますよ鍛冶屋さん!」
鍛冶屋「うわ嘘でしょ!?ここ廃坑ダンジョンじゃないんですか!?」
剣豪「廃坑ダンジョンって……前に俺が一人で行ったところじゃねぇか?」
ジェネ「……これ地図が間違ってねえか?廃坑ダンジョンはこっちだ。偽物掴まされたんだな」
ジェネラルが地図を覗き込んでそう言う。
鍛冶屋「嘘!?」
剣豪「(まあ廃坑ダンジョンも十分ヤバかったとは思うが……)」
鉱夫「マジか……じゃあ早く行きますよ鍛冶屋さん」
鍛冶屋「そうだね……あっそうだ!剣豪さんしばらく道場空けてるって本当ですか?木刀届けに行った時に重戦士ちゃんが言ってましたけど」
剣豪「あいつ……まあそうだけどよ」
魔法少女「今は何でも屋みたいなのやってるよ!」
鍛冶屋「へぇー……」
鉱夫「ほら鍛冶屋さん、早く行きますよ。俺こんなとこ長居したくないんすけど」
鍛冶屋「そうだね。今後ともごひいきに!」
そう言って2人は入口の方に向かって歩いていった。
冬乃「これ大丈夫なんですか?」
冬乃は縁側に座っている雷神に言う。外では魔法使い、巫女、盗賊、重戦士、剣士が剣豪と魔法少女に特訓されている。狩人はおそらく学校で委員会でも任されているのだろうと、冬乃は勝手にそう思った。
冬乃「(まあ狩人君はそういう子だからね……仕方ない)」
狂戦士「冬乃!ちょっと騎士診てやってくれ」
冬乃が振り返ると、血まみれの狂戦士が、これまた血まみれの騎士を担いでいた。
冬乃「うえぇ!?ちょっとちょっと!医務室!医務室行くよ!」
雷神「情けねぇなぁ騎士!女の子に担がれちゃってさぁ!」
冬乃「雷神さん煽らないで下さい!」
冬乃は2人を連れて医務室に行く。それと入れ替わるように、お茶と茶菓子を持って風神がやってくる。
風神「おっ、やってるねぇ」
雷神「なかなか強くなりそうだね……楽しくなってきたよこりゃ。私も混ぜてもらえないかな……」
風神「雷ちゃんがやったら絶対全員黒焦げにして終わるでしょ?」
雷神「……そっか……」
風神「……雷ちゃん」
雷神「ん?」
風神も縁側に座る。
風神「ありがとうね」
雷神「……いいよそんなの。何千年一緒にいると思ってんのさ」
風神「それもそうだね」
冷めないうちにと、雷神が湯呑みに手を伸ばした。
風神「……でも、スパルタ訓練を眺めながら優雅にお茶なんて、趣味悪いねぇ」
雷神「お茶持ってきたの風ちゃんだよね?」
その夜更けのこと。
盗賊「……そろそろ行くか」
そう呟き、夜の街へ出ていった。
向かった先は、この街有数の大企業の社長の邸宅だった。盗賊の背丈の倍はあろう柵に足をかけてよじ登ると、音も立てずに敷地内に着地する。
盗賊「(……ここには何もなかったか……)」
盗賊は正門の方をちらりと見やった。
盗賊「(ガチガチに警備されてたのはあの門だけ……ガバガバじゃねぇかよ)」
そして、音も立てずに走り出した。ポケットから針金を取り出し、裏口の鍵穴に差し込むと、裏口が開いた。
盗賊「……(にしてもスゲー家だよな。その金、ちょっと位俺ら貧乏人にくれてやっても罰は当たらねぇのに。)」
そんなことを考えていると、目的の金庫に着いた。
盗賊「(これサイレンついてるやつだな。仕方ねぇ。荒立てたくはねぇけど、やっぱり計画通りに……)」
盗賊は金庫を離れ、メイドの部屋に向かった。裏口の時と同じ手口でドアを開けると、そこでは盗賊より少し上くらいの年のメイドが寝ていた。髪は盗賊と同じ青でショートカット、目も盗賊と同じ黄色。背丈も同じくらい。これが、盗賊がここに派遣された理由だった。調べたところによると、夜遅くまで働いていることが多いメイドとのことだ。
盗賊は液体の入った瓶を取り出すと、中の液体をメイドの口に流し込み、服を奪って持ってきていた袋にそのメイドを入れた。この袋は特殊な魔法がかけられており、中のものが自動的に「本部」に送られるのだ。袋の中身が消えたのを確認すると、奪った服を着てそのメイドと変わらぬ格好になった。そして、もう一度例の金庫に向かう。ダイヤル式の鍵を、調べていたとおりに合わせて開ける。
盗賊「(多分この底面に重さを感知する何かがついてて、こいつを頂くと重さがなくなって、)」
ジリリリリリリ!
盗賊「(サイレンが作動して鳴るってわけだ)」
屋敷中にサイレンが鳴り響く。ただのメイドには何が起こったかわからず、うろたえるしかない。メイドはただ、その場から逃げ出すことしか出来なかった。
そして、そのメイドはそのまま行方をくらませ、見つけられることはなかった。
――
盗賊「っていうシナリオを想定してたんだろうな」
服をもとに戻し、盗賊は裏路地の建物に入っていった。
盗賊「ただいま!」
「おぉ下っ端!なかなか良い女捕まえたじゃねぇか」
そこには例のメイドがおり、手枷や足枷できつく固定されている。まだ目は覚めていないようだった。そう。ここは暗殺者ギルドの本部。盗賊は暗殺者ギルドに登録していたのだ。
盗賊「気に入ってもらえたか?」
「ああ。ここまで出来たら大したもんだ。んで?例のブツは?」
盗賊「もちろん取ってきたよ。ほら。」
盗賊は変装していたときの胸の詰め物代わりにしていた袋を取り出し、投げて寄越した。
盗賊「これでいいか?」
「ああ。バッチリだ。これ、お前の取り分な。」
盗賊「サンキュ。」
「そういえばお前、ここのことバラしてんだってな」
盗賊の頭に、狩人と巫女と魔法使いの顔が浮かんだ。
盗賊「あいつらには組織は潰れたって伝えてるんだ。俺がこんなに天才だったら、怪しまれるだろ?じゃあな。」
盗賊は袋を受け取ると、帰っていった。構成員も、犯罪の手口も、全てが謎に包まれた暗殺者ギルド。確実に言えることが何も無いが故におとぎ話だとさえも噂されるそれは、実在したのだ。
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