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大会後の夜。
人気のない体育館。
「お前さ」
また、その呼び方。
「俺のこと、好きなんだろ」
直球すぎる。
「……はい」
もう逃げない。
「先輩が好きです。誰よりも、かっこよくて、誰よりも強くて。私にとって、一番の人です」
沈黙。
数秒が、永遠みたいに長い。
そして――
「……俺も」
顔を上げる。
「お前が毎回絆創膏持ってくんのも、くだらねぇことで笑うのも、試合で俺のプレー見て泣くのも」
一歩、近づく。
「全部、好きだ」
距離が、なくなる。
「俺は守る側だけどさ」
そっと手を握られる。
「お前のことは、絶対守る」
夜の体育館で、二人だけの約束。
それからも、音駒は“繋ぐ”チームのまま。
コートの中で誰よりも低く構える背中を、
私はずっと見ている。
「ちゃんと見てろよ」
あの日の言葉通りに。
そして今度は、私が支える番だ。
夜久先輩の隣で、
同じ未来を見ながら。
――青春は、まだ終わらない。