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高杉さん」「何だよ」
「僕を殺してくれますか?」
僕は銀さんが本当に好きなんだ
万事屋も銀さんがいるから僕もいるんだ
僕の居場所はいつだって銀さんなんだ
だから
「殺して下さい」
なんで貴方なんかに出逢ってしまったんだ
出逢わなければ良かったのに
なんで…
どうして貴方は…
いつも寂しそうな瞳をしているんですか
貴方なんかに興味は無いのに
貴方が居なくても僕は幸せなのに
なのに
その瞳を見ちゃうと
少しでも安心させてあげたくなるんだ
「お願い高杉さん」
銀さんを悲しませる前に
この卑怯者で最低な罪人を殺して下さい
貴方を愛する前に…
子供みたいに甘えた仕草で首に手をあてがって終わることを求めても
目を閉じれば手を伸ばしている銀さんがいて
霞む月に照らされながらきつく抱きしめられた彼の胸の中はとても暖かい
今はこのまま眠りたい
今日も
無情に過ぎてゆく
泣きながら好きだと言った新八
まるで自分に言い聞かせるかのように
何度も何度も呪文のように繰り返された言葉
苦しそうに
切なそうに
そして…
『…たか…すぎ…』
ほんの一瞬
小さな小さな声で発せられた名前
聞いてはいけない
否
一番聞きたくない名前
【やさしいキスをして】
『何があったか知らねぇが…俺はお前が好きだ』
本当は見て居たんだ
お前と高杉が話をしている所を
それに…
新八が高杉の事を好いていたことも知っていた
又新八の前から高杉が姿を消した事も知っていた
俺は卑怯な奴なんだ
泣く事さえ出来ないくらい傷ついている新八に付け込んで
自分のモノにして…
それでも
俺はコイツが好きなんだ
誰になんと言われようが
守ってやりたいんだ
『好きです…土方さん』
『俺も好きだ』
どうしたらお前の中から奴を消し去る事が出来る?
どうしたら…
俺はお前の一番になれるんだ?
新八の中に潜む奴の影どんなに新八を愛しても
その部分だけは取り除く事が出来ない
お前の為なら何もかも放り投げて走っていくから
息を切らしてでも
指を冷やしてでも
すぐに駆け付けてやるから
そして一日中
髪を撫で肩を抱き
新八…お前が眠るまで側に居てやるから
…今の俺には
お前が…新八が好きだという事実しか持って無いんだ
これしか無いんだ
どんなに縋っても俺には奴をお前から消してやることは出来ない
高杉という名前が消える事は無い
ならば…
俺がお前の運命の相手だと
ただ一人俺だけだと
やさしいキスをしてくれ
「だっ…だめったら…だめっ!!」
もうこれで何回イカされた事か…
今日はそんな気分じゃないっていっただけでそんな気分になるまで責め続けて欲しい何て一言も…一言も言っていない
『ある日の二人』
「ダメって…新ちゃんの此所はノリノリだよ」
ツプリと小さな音をたてながら僕の下の唇に銀さんの指が入る
一本
二本
いつもなら少しづつ侵入する指が今では、いとも簡単に飲み込む
「おねが…やめ…」
「嫌だ」
ぐちゃぐちゃと卑猥な音を立てながら掻き回され
それと同時に僕の思考もぐちゃぐちゃと掻き回される
「新八」
「…んふっ…」
ねっとりとしたキスが全身を犯していく
嫌という程与えられた快感なのに
ぐったりした腰を持ち上げられ
銀さんの熱く反り立ったモノが何の抵抗も無くすんなりと挿入ささる
待っていたとばかりに僕の腰が自然と浮く
「…何だかんだで新ちゃんも期待してたんじゃん」
黙れ変態
…がそんな言葉もこの快楽の前では何にもならない
出る言葉は泣き声に近い喘ぎ声
「…あっ…んふっ…!ひっ…もっ…いやっ!」
この快楽は卑怯だ
僕を落とす
どんなに抵抗しても
この快楽から僕を救ってくれるのは結局銀さんだけ
「…銀…さっん」
「…何…新八」
そんな優しい声を出さないでくれ
その声だけで僕をダメにするから
「おねが…い…」
「なーに?」
頭の中が白く霞んでゆく
早く僕を助けて…
「ーイカせて」
途端
銀さんの動きが一瞬とまり
次に腰を思いっ切り掴まれガクガクと無茶苦茶に揺さぶられた
「…あぁっ!そっそんな…っ!」
「…新…八っ!」
突然目の前がショートし
スローモーションを見ているかのように銀さんの体が僕の上に倒れこむ
それと同時に
僕の意識も遠のいていった
※※※※※※
目が覚めたのは次の日のお昼丁度
「しまったぁぁぁっっ!!」
今日は久しぶりの仕事だ
この仕事をキャンセルなんてしまったら…
今月生きて行けない
そう思った途端
隣りで気持ち良さそうに爆睡している天パに怒りが込み上がってきた
もともとこの天パが昨夜あんなことをしなければ…
思い出したくもない昨夜
思い出せば出すほど…恥ずかしくて…
「起きやがれ!こんの変態天パっっ!」
「……っ!!ぐぁぁっ!」
銀さんの悲痛な叫び声は空しくも誰にも届きません
それでも
今日も一日幸せな二人でした