テラーノベル
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ブランチを食べ、俺が片付けをしていると叶さんの声が聞こえる
どうやら予約したお店にお断りの電話をしているようだ
「‥‥叶さん、ごめんなさい」
「ん?どうして?」
「俺が風邪引いてこんなになっちゃうから‥‥」
「気にしないで。一応昨日の時点で行けない可能性があるって言ってあったから。いつも行ってる店だから大丈夫だよ」
「‥‥でも」
「本当は出来ないんだけど、特別にテイクアウトして良いって言ってたから、僕今から貰ってくるよ。こやはお留守番してて」
「‥‥お留守番」
「お利口にしててね?」
「完全に犬として見てますよね?」
「そんな事ないよ。はい、お手」
「‥‥‥‥‥‥」
俺は叶さんを睨みながらも手のひらに手を乗せた
「こやはノリが良いんだから」
「叶さんの為に仕方なくやってるんすから‥‥仕方なく」
「よく出来ました」
頭を撫でられるとしっぽを振ってしまう
「もう、早く行って来てください!」
「分かったよ。すぐ戻るから待っててね」
そう言って家を出た
そう時間はかからなかった
1時間ちょっとで叶さんは戻り、手には色々詰まった箱
そこからはとても良い匂いが漂っている
夜の7時を過ぎた頃
テイクアウトして来たものたちを皿に並べてクリスマスをお祝いし始める
さすが叶さんのご贔屓のお店なだけあって、何を食べても美味しい
食事を済ませて風呂に入る
叶さんに頭としっぽをドライヤーしてもらい、ますますモフモフの毛並みになったみたい
叶さんはテレビを見ながらまた俺のしっぽで遊んでる
俺はスマホを弄っているけど、叶さんにしっぽを触られているとスマホに集中出来ない
仕方がないからスマホをテーブルに置いた
それを見て叶さんが俺の顔を覗き込んだ
「どうした?もう眠い?」
叶さんの声に耳がピンと立つ
まだ眠くはないけど‥‥
「もう11時過ぎたし寝ようか」
「え‥‥‥‥」
手を引かれ寝室に向かう
毛布を捲られ、ベッドの中に入れられる
すぐに後ろから叶さんに抱きしめられ、口が肩に当たった
「おやすみ、こや」
「あ‥‥おやすみなさい‥‥」
え?
寝るの?
クリスマスなのに‥‥
でも俺の体を気遣ってくれてるに違いない
そう思っていると勝手に鼻が鳴った
「‥‥キュ〜ン‥‥」
俺は明らかに自分の鼻から出た声に驚き、手で鼻と口を覆った
‥‥聞かれた?
そっと後ろを振り向く
目を閉じたままの叶さんが笑いを堪えている
「‥‥叶さん?」
「‥‥可愛すぎだろ」
「え?」
目を開けるとギュッと抱きしめられた
そして同時に口付けされる
「んっ‥‥っ‥‥叶さん?」
「寝るわけないじゃん」
「でも‥‥」
「僕が寝るって言ってから耳としっぽが下がっちゃってさ。仕舞いには可愛く鳴いちゃうんだから。そんなのいくらでも意地悪しちゃうよ」
「そんな‥‥別に俺‥‥耳なんか‥‥」
自分でわからないんだから言われても上手く言い返せない
そんな俺の耳に叶さんが口を近づける
「今夜は寝かせないよ」
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