──────Hれいまり視点──────
「う、 ぁ…?」
目元にしのびよる微かな光に反射的に強く目を瞑るが、それが生きている証であることに気づいて何度か瞬きをする。
遠くからとも、近くからとも言える距離から声が聞こえる。最初は何を言っているかも分からなかったが、段々とその声がはっきり聞こえてくる。
「──────さん!れ───さん!起きて!!」
「うわぁあ!?」
突然真隣から聞こえた大声に反射的に跳び上がる。あまりにも大声だったことで声の主が一瞬誰だかわからなかったが、その優しげな瞳ですぐに分かった。
「───あ!い、いえもんさんじゃないですか!驚かせないでくださいよー!」
私はあくまで冗談っぽく振る舞いながら、軽くいえもんさんを叩く。
───それにしても、いえもんさんが大声を出すなんて。そんなこと、今までで経験したことがないことで、少し戸惑う。おそらくだが、今まで出会ってきたいえもんさんのなかで1番幼いからだろう、と推測を立てる。幼いながらの活発さ。それが大声を出した理由だろう、と半ば無理やり決めつける。
いや、違う。他に気にすることがあるだろう。
「あ、れ?私、生きてません?」
そう、あんなにも勢いよく頭から落ちたというのに、死んでいない。いや、それどころか怪我ひとつない。私は自身の手で頭を確認するが、傷跡すらなかった。
「一応、苦手ながらも回復魔法を…。光属性なので、ある程度できました。瞬時に治せなくて申し訳ないです…。」
そういいながら申し訳なさそうな表情をうかべるいえもんさん。私は再度、自身の頭を触る。その頭のどこにも怪我をした跡がないことを確認した後、私は心の奥底で恐怖がうずめいた。魔法によって治した、ということはわかっている。けれど、こんなにもあっさりと傷が治ってしまうのは、どこか人外味を感じてしまう。まるで、私が人外になってしまったかのような。
そんな言葉には現し難い不気味さを覚えつつも、その事で表情を曇らせることはしなかった。
あくまで、バカそうな、青年を演じる。
「全然です!完璧に治ってますよ!れいまり、完全復活です!」
ベッドの上でくるりと回ってみせる。そうしてやればいえもんさんはどこかホッとしたような表情を浮かべた。魔法が上手くいっているか確証がなかったのだろう。その疑念が取られた表情は私には少し眩しかった。
「えと…こんな話、急で申し訳ないんですけど…。」
突然いえもんさんがかしこまって言う。私は立ち上がった自身を再度ベッドの上に座らせ、続きを促す。いえもんさんは中々口にしようとしなく、しばらく静寂の時間が訪れる。
私が痺れを切らしたタイミングと同時にいえもんさんが話し始める。
「…れいまりさんは、もう。帰る家がないじゃないですか。」
断定。確かにあんな狂った母親がいる家に今更帰りたいなんて思えない。しかし、それ以外に家があるわけでもない。確かに、断定されても仕方がない状態ではあったため、特にツッコミ入れない。黙ったまま、その話を聞く。
「だから、えと…俺の旅について来ませんか?」
意外な提案に思わず思考が数秒止まる。
が、キュイーンと音がなりそうなほど直ぐに脳がフル回転を始めた。
いえもんさんの旅について行くということは即ち魔王討伐について行くのと同じ。そこでは絶対に死のリスクが隣合わせであり、いつ死ぬか分からない。確かに、今回の物語ではハッピーエンドは来ない。だがしかし、”面白い” という事実には変わらない。そして、その面白いの基準はおそらく仲春ではなく《あなた》。つまり、読者が面白いか、どうかということ。もし、この物語が面白かったとしたら?いや、違う。面白くなかったら。私はとある仮説を立てた。それはその時、この世界の終わるというもの。だから、常にこの世界は面白くなければならない。
そうだから、答えは。
「───ぜひ!お願いします!」
長考の末、選び出した答え。この答えすら、私が決めたのか怪しいものだったが、致し方ない。今回は『神』の手のひらで踊ってあげよう。
だって、この世界はハッピーエンドを迎えることなんて、できないんだから。
このルートは勇者が魔王に負けた世界線なのだと、予想ができている。なら、この世界の終幕をどう、華やかに、美しく、そして《面白く》終わらせることが出来るか。それが今回の私の仕事なのだ。
頭を打った影響か、なぜだか思考がおかしい気もする。だけど、このくらいでなきゃやっていけない。何かを演じていないとおかしくなりそうだ。
誰かのせいにしないと、みんなが死んでいくことに耐えられない。
そう…!全部全部!!!私以外の何かが悪いんだから仕方がない!!
そう思わないとやっていけない!!
その時、【東雲椎名】の何かが剥ぎとられ、闇に落ちていった。
ここで切ります!今回はピッタリ2000文字です!いつも2000文字オーバーなので少し短く感じるかも?今回のルートはあと3話くらいやって終幕の予定です。…とかいいつつ伸びる気しかしない。まあ、頑張っていきます!
というか、昨日ハロウィンでしたねー!今年はトリックオアトリートやらなかったのだ忘れてました〜!
てことで、次回出てくるキャラを少しハロウィンっぽくさせてもらいました!まあ、3人出す予定で、イラストもできたんですが…。他に描いて欲しいキャラとかいれば描きまーす!って感じですかね〜。あ、描いてあるのはメテヲさん、ラテさん、ガンマスさんです。なんでこのメンバー?って思う方もいるかもしれません。簡単です。思いついた順。で、なおかつHルートに出ていない人。
他に描いて欲しいキャラがあれば、アナログですけど描きまーす!参考程度に1人だけ明かしましょう!個人的に上手くいったラテさんです!
カッコ可愛くないですか?1番そのキャラっぽくかけましたー!次回登場予定のラテさんでーす!
それでは!おつはる!
コメント
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通知来ない☆
うわぁぁ…冗談っぽく振る舞うって本編のれいまりさんみたいだな…だんだん小さな嘘を積み重ねていく感じ