──────Hれいまり視点──────
勇者のパーティに入ることになり、まず初めに行ったことは服装を変えることである。
私の服装は一目だけでは黄緑色の上着で気にならないが、その服の中には白Tと小さな短パンである。なんなら上着もところどころ破れており、勇者の隣に立つ者としては恥ずかしい姿をしている。
いえもんさんはしばらく悩んだ後、紙を取り出し、何かを書き出す。
「どんな服が着たいですか?今、簡単に作っちゃいますよ。ちゃんとしたのは次の街で買いましょう。」
どうやら私の服の設計図を考えているらしい。正直服なんてどうでも良く、強いて言うなら動きやすい服が良い。その旨を丁寧に濁しながら言うといえもんさんはしばらく悩んだ後、無から布を作り出し、手でその布を切る。まるで夢の世界のような光景に目の前の現実を疑ってしまう。
いや、原理はわかる。空中の物質を硬化し、限りなく布に近つけたものを手を硬化させたもので切っている。浮いているのはサイコキネシスで───。
分かるからこそ意味がわからない。そんな大量の魔力を並行使用なんて聞いただけで恐ろしい。そんなものただの人間がやったらすぐにぶっ倒れて1週間は寝込むだろう。それを当たり前かのように、そして平然とやっている目の前の存在が人間だと思えない。
最も、そういうものだ、と思えばそのままするりと受け入れてしまったが。
そんな感想を抱いていれば、いつの間にか縫い終わっていたらしく、空中には出来たての布が浮かび上がっている。まるで透明人間が着ているかのような不思議さがあった。
「こんな感じでどうですかね?着心地には拘ってて…悪くは無いと思います。」
そう言って感情の読めない顔でその服を空中から私の手に握らせる。実際にその布を触ってみて驚く。柔らかい生地、触り心地が、一日中触っていたい、と思うほどの良さ。それでいて服のセンス。軽装でありながら、客観的に見てオシャレだなーと思う見た目、色合い。───センスありすぎじゃね!?
衝撃の事実が私に落ちるが、はっと意識をいえもんさんに戻してニコッと微笑む。
「すっごくいいですね!えと、言葉にするのが難しいんですけど…とっても、とっても嬉しいです!」
「まあ、私のセンスに間違いは無いですから!」
突然ボフンッと音ともに群青色のウルフカットヘアの女性が現れる。サファイアのような大きな瞳がこちらを捕える。どことなく勝気な笑みがとある村長を彷彿とさせる。いえもんさんが「はは…」と苦笑いしながらその人について紹介する。
「この人は魔王討伐のガイド兼監視の【死神】の───」
「私の名前はめめんともり。めめ、とお呼びください。あまり目立つ行動はしませんし、そうそう表に立つことはありませんが、いざと言う時はよろしく。」
やはり、村長であった。前回のルートでは天使だったが、今回は死神らしい。前回は天使とは思えないほどの残虐性を持っていたが、今回は大人しめの性格らしい。ただ、子供のような好奇心があるように見える。一見堅物のように見えて、懐に入れれば手に取りやすい性格のように思える。
このルートでは初めて会うというのにジロジロと見るのは怪しまれるのですぐに視線を切りつつも私の自己紹介をすませる。
簡単に自己紹介すると、めめさんは「そういうことだから、じゃ!」っと言ってサッサっと無に消えてしまう。この消え方は違和感ではあるが、神特有の理解できない動き、というやつだろう。気にする方が負けだ。そう思い、私は貰った服に着替える。
新しい服も着終わり、しばらく雑談した後新たな場所に向かうらしく、仮拠点を離れることになる。たった数日お世話になった宿に思い入れはそんなになく、ただ悲しそうな表情を浮かべながらそこを後にする。感受性豊かな子だとこういう細かい所にもこだわらないといけない。最初のキャラとブレたら何を言われるか分からない。もし変えるとしても、そのきっかけが必要なのだから。
そんな言い訳を自身にしつつ、私はいえもんさんについて行く。
ザッザッと土を蹴る音が2人分。並んではいるが、少しばかり離れたところからいえもんさんの後ろを歩く。辺り1面森だらけで辺りに街の気配は無い。───次の街、とやらはそうとう遠そうだ。
「どこへ向かってるんですかー?」
私がふと疑問に思っていることを聞く。いえもんさんはこちらを振り向かずに答える。
「とある町ですよ。人外も、人間も、皆平等な町。」
「そんなところあるんですか?人間と魔族はこんなにバチバチ敵対してるのに?」
私が信じられない、といった表情を浮かべながら問う。いえもんさんはやっと振り返り、そして自身のまぶたをトントン、と叩きながら
「この瞳。この金色の瞳を持つものが集まる町。そこは全員が平等な地位を持つんです。───神から認められたもの同士、というある意味仲間ですよ。」
「…私、そんな特別な瞳ないんですけど。」
「…何とかなりますよ。多分。」
これだからいえもんさんは困る。変なところで面倒くさがりで、大事なところがはっきりしない。真面目で、頭が切れるから忘れられがちだが、この人は天然でもあるのだ。
私はどうにかこうにかいえもんさんにお願いして、左目だけ光の反射で金色に見えるようにしてもらった。
ここで切ります!うーん出せなかった!あのケモ耳フードのラテさん!めっちゃ出したかったのにぃ…!!割とまきで書いたつもりだったんですけど…2000文字ってもしかして少ない…?いや、でもこれ以上は…
あ、そういえば昨日言ったやつで追加でみぞれさんも描きます!なんならそっちはデジタルです!ちょっと豪華!
それでは!おつはる!
コメント
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全員が同じ地位を持つってこの世界ではかなり理想郷なんだろうな