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山道を下って行く途中で、おいしいピザを焼くお店があったのを思い出した。
「そう言えば、釜焼きピザのお店があるんですが、寄ってみませんか?」
「いいね。行こうか」
頷く彼に、山の降り口近くにあるお店に車を回した──。
席に着き定番のマルゲリータを頼んで、ひと息をつく。
「ここにはよく来ていたのかい?」
「はい、走った帰りにはいつも寄っていて。以前はピザ二枚ぐらいはぺろりとたいらげてました」
「そうか……以前の君にも、会ってみたかったな」
彼がふと漏らした他愛ない呟きに、心臓がとくんと脈打つ。
好きで、好きで、あなたが好きでしょうがなくて……。
この思いが、彼へ届けばと──。