第11話 もう一人の魔法少女
新たな影
とき「で、これからどうするの?」
ときが腕を組みながら、みこと海を見つめる。
とき「《Magica Order》に ‘敵’ と認識されるのは時間の問題よ?」
みこ「……それでも、止まれない」
みこは決意を込めて言う。
みこ「私たちは ‘選ばれた’ んじゃなくて、 ‘利用されてる’ だけかもしれない。だから……ちゃんと確かめたいんだ」
海「なら、次の手が必要だな」
海がスマホを取り出し、《Magica Order》のアプリを開く。
海「また新しい ‘アノマリー’ の報告がある」
画面には、異常発生の通知が表示されていた。
【異常発生地点:東区第4エリア】
海「この前の ‘監視者’ とは関係あるかもしれない」
みこ「行くしかないね」
みこが頷き、3人はその場所へ向かうことにした——。
出会い
みこ「ここ……だよね」
みこたちは指定されたエリアに到着した。
すると、どこからかふわりと優しい声が響いた。
???「あら? まぁまぁ……あなたたちが ‘例の魔法少女さん’ なのですね?」
みこたちが振り向くと、そこには長い銀髪をゆるく巻き、フワッとしたワンピースをまとった少女がいた。どこか儚げで、温かい空気をまとっている。
みこ(……誰?)
少女はニコッと微笑み、ふんわりとした仕草でスカートをつまむ。
???「ごきげんよう、初めまして。わたくし、新城ふぶきと申しますの」
みこ「え……?」
ふぶき「みなさんと同じく、《Magica Order》の ‘魔法少女’ になりましたの。でも、わたくし……初めて ‘仲間’ に会えたんですのよ」
海「初めて?」
ふぶき「ええ。今まで一人で戦っていましたの。少し怖かったけれど……なんとか、頑張っていましたのよ?」
ふぶきは胸に手を当て、少し恥ずかしそうに微笑んだ。
とき「じゃあ、今までどこで戦ってたの?」
ふぶき「ええっと…… ‘お嬢様’ はあまり外に出る機会がなくて……おうちの近くで、こっそり戦っていましたの」
みこ「そっか……でも、こうして会えたなら、これからは一緒に戦えるね!」
ふぶき「まぁ……! そう言っていただけるなんて、うれしいですわ」
ふぶきはパァッと表情を輝かせる。
海「まあ、戦力が増えるのは悪くないか……」
その時——
???「あらあら、ずいぶん楽しそうね?」
突如、甘い声が響く。
???「でも、 ‘遊び’ じゃないのよ?」
ビルの上に立つ、黒いフードを被った女性。
???「はじめまして。私は寿カレン。《Magica Order》の ‘正義’ を守る者よ」
みこ「……《Magica Order》の味方?」
カレン「そう。だから、 ‘余計なこと’ はしないでちょうだい?」
次の瞬間、カレンが指を鳴らすと、辺りの空気が一気に張り詰めた。
カレン「——さあ、 ‘試験’ を始めましょうか」
みこたちの前に、新たな ‘脅威’ が立ちはだかる。
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