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#微ホラー・ミステリー
恐福。
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#童話
恐福。
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恐福。
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恐福。
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私は元々、少し怒りやすい性格だった。
そんな性格だから私の周りにはいつも人がいなかった。
でもそんな時、一人だけ私についてくる奴がいた。
彩音だ。
彩音は私がどれだけ怒っても「ごめんなさい…」というだけで離れて行かなかった。
どれだけ理不尽な怒りを向けても彼女は私を捨てなかった。
怒らなかった。
初めて出来た、友達。
私は嬉しかった。
幸せに悶えた。
でも、なぜだか嬉しさのなかに、幸福の中に、小さな汚れがあるように思えた。
出会ってからしばらくして。
彩音と私は二人で遊びに行くほど仲良くなった。
家。
海。
ショッピングモール。
映画。
プール。
ゲームセンター。
色んな所に行った。
その時間は私にとって紛れもなく、宝物だった。
楽しくて。
楽しくて。
少し、怖かった。
………
夏休み、私たちは山に行くことにした。
「あ〜明日、楽しみだなぁ」
ベットに寝転び、呟く。
枕に顔を埋め、お弁当の内容を考える。
「…早く、明日…ならないかなぁ…」
そんなことを考えながら深い眠りに意識を委ねる。
朝。
準備をしてご飯を食べる。
家を出たときにはすっかり約束の時間を過ぎてしまった。
山のふもとで彩音と合流する。
「よしっ!じゃあいくよ」
「ごめんなさい…少し…」
私は時間はたっぷりあったにも関わらず準備不足の彩音にすこし厶っとしてまい、つい文句を言ってしまった。
「なんでまだ準備出来てないの?本当ならもう山の中腹には居るはずなんだよ?」
「…ごめんなさい…靴紐がほどけちゃって…」
なぜそんなことも出来ていないのか不思議に思いながら言い放つ。
「そんなのそっちが悪いでしょ準備不足の罰として私の荷物も持ってきてね」
間抜けなままだといじめられるし私がすこし鍛えてあげよう、
そんな事を考えながら私は山にの入っていく。
暫く歩いていると息を切らしながら彩音が私を呼ぶ。
「ハァハァ…待って…ごめんなさい…待ってください…」
「情けないわね!まだ全然登ってないのにもう息切れ?」
彩音は申し訳そうに眉をハの字にしていう。
「ごめんなさい…」
全く情けない!どうしてそんなに貧弱なんだろう…
しょうがない…もう少ししたら休憩にしてあげるか…
「ほら!早く来なさい!お昼休憩にしてあげるわ!」
彩音は、ごめんなさい…なんて言いながら走ってくる。
彩音はお弁当を取り出し座る。
「ちょっと私の分は?」
「ッ!ごめんなさい!出し忘れてました…」
「全くしっかりしてよ」
なんでこんなこともできないんだと文句を言いながらお弁当を開ける。
「どうですか…?」
一口食べてみて感想をいう。
「う〜ん…まぁまぁね食べられないことはないわ」
彩音は安心したように表情を柔らかくして良かった…なんて言いながらご飯を食べ始める。
少ししてご飯を食べ終えた私は歩き始める。
「ほら!何してるの?早くきなさいよ」
彩音は咀嚼を繰り返しながら言う。
「ごめんなさい…まだ食べ終わってなくて…」
なんで私が待たなくてはいけないのだ。
「そんなの残せばいいじゃないの早く来なさい置いていくわよ」
私は歩きながらそう言う。
彩音はごめんなさいと言いお弁当を片付ける
少しして追いつき私に言う。
「ごめんなさい待たせちゃって…」
全く…そろそろ躾けなきゃかしら…
「次ミスしたら躾よ」
「ひっ…すみません!ごめんなさい…許してください…」
「ミスしたらと言ったのが聞こえなかったの?」
なぜこんなこともわからないんだとイライラしながら私は謝り続けている彩音を横目に山を登っていく。
しばらく歩くと彩音は転んだ。
私は舌打ちをし冷たく言い放つ。
「そこに立ちなさい」
彩音は顔を歪ませ懇願する。
「ごめんなさいごめんなさいもうミスしません、許してください…」
そんな声を無視して私は彩音の顔を蹴った。
ミスをしないよう躾してあげなきゃ社会に出た時困るもんね!
心を鬼にして躾しないと、なんて考えながら私は彩音を蹴り続ける。
彩音は泥だらけになりながら謝り続ける。
しばらく蹴ったあと手を差し伸べ言う。
「ほら、あんたのせいで無駄に時間食ったじゃないさっさと行くわよ」
せっかく手を差し伸べて上げたのに彩音は怯えたような顔をして走って逃げようとした。
私は少しイラッとして石を投げ当て、問う。
「ねぇあんたなんで逃げたの?」
泣きながら謝り続ける彩音を蹴りながら叱る
「泣くんじゃないわよ私が悪いことしてるみたいでしょ」
「あんたがミスし続けるから躾してあげてんでしょ!なに泣いてんのよ!」
しばらく躾をしてあげると彩音はすっかり大人しくなった。
最後に思い切り蹴り飛ばすと
思いの外吹っ飛び、かなり急な坂に落ちてしまった。
「嘘…!」
私は坂を降り彩音をみる。
ぐったりと横たわった彩音のお腹は抉れており、腐敗した果実のようにグジュグジュとした肉が見えていた。
血が滲み、内臓がこぼれ出る。
「ひっ…」
私は小さく悲鳴を上げ後退りする。
つい自分自身言い訳をする。
「ちがっ…!私は躾けて上げただけで…殺す気なんて…」
腰が抜け、座り込む。
すると彩音が血だらけの手で私を掴んだ。
「…いだいぃ…だず…げてぇ…」
もう助かるわけない怪我で私に縋り付いてくる彩音は、
気味が悪くて私は彩音を蹴って逃げた。
「ハッハッハぁ…ハァ…」
息が切れるまで走り家に着く。
キュッ
ジャー
バシャッバシャ
私の手にへばりついた彩音の血を水で洗い流そうとする。
バシャッバシャ
いつまでも落ちない汚れを洗い続ける。
バシャバシャッ
息を切らし、自分は悪くないと言い聞かせながら手を力任せに擦る。
バシャバシャ
どれだけ経っただろうか辺りがすっかり暗くなった頃テレビでニュースが流れる。
○○県〇〇市にある山で女子高生の遺体が発見されました。
ニュースを聞き私は、より一層洗う力を強くする。
バシャッバシャッ!
警察は複数の打撲跡から事件性ありと見て、、、
心臓が跳ね上がり鼓動が早くなる。
違う!私は友達として躾をしてあげただけで…
殺す気なんて…
思いとは裏腹にニュースは現実を突きつけてくる。
「…アカリさんだと…思います…」
「アカリさんは彩音さんとどういった関係なんですか?」
「アカリ…彩音のことイジメてて…」
それを聞き私は反射的に反論する。
「違うッ!私は…友達で…」
外からサイレンが聞こえる。
私は一人。
暗い部屋で違う違うと呟きながら
いくら洗っても落ちることのない汚れを
手が傷付くほど強く洗い続けた。
最後まで見てくれて感謝ヨ
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コメント
1件
もう、なんだろうこの読後感…すごい重いけど、めちゃくちゃ引き込まれた。 「友達」って言葉で自己正当化してるアカリの歪み方がリアルで怖い。最後の手を洗うシーン、罪の意識が物理的な汚れとして描かれてるのが秀逸すぎる。彩音が「ごめんなさい」しか言えなかったのも、じわじわ効いてくる構成だわ。 続きあるなら絶対読む。これは心抉られるやつだ🔥