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#青春恋愛
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夏希(なつき)
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奇蹟あい
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火曜日の夜。
星羅はスマホの画面を見つめていた。
『星乃セラさんの正体、知ってるかもしれません』
『あなたの学校にいるんですよね?』
『――黒瀬玲くんのことも知っています』
「……」
胸が嫌な音を立てる。
玲の名前。
どうして。
「……誰なの?」
返信欄を開く。
指が止まる。
――返してはいけない。
そう直感した。
けれど。
知らないままというのも怖い。
星羅はゆっくり文字を打つ。
『あなたは誰?』
送信。
数秒。
既読。
そして。
『明日、学校で会いましょう』
「……!」
それだけ。
星羅はスマホを伏せた。
「……」
眠れない。
ベッドに入っても。
目を閉じても。
玲の顔が浮かぶ。
――黒瀬玲くんのことも知っています。
「……玲くん」
星羅はスマホを抱きしめる。
「大丈夫」
自分に言い聞かせる。
「私が守るから」
翌朝。
「おはよう、星羅」
「……おはよう、玲くん」
玲はすぐに気づいた。
「寝てない?」
「え?」
「目、少し赤い」
「……ちょっとだけ」
「何かあった?」
「何もないよ」
星羅は笑う。
「本当に?」
「うん」
玲は星羅を見る。
明らかに様子がおかしい。
でも。
無理に聞かなかった。
「……分かった」
「ありがとう」
昼休み。
二人は屋上へ。
星羅はいつもより玲の近くに座る。
「……」
「どうした?」
「今日は……」
星羅は玲の袖を掴む。
「離れたくない」
「……」
「だめ?」
「別に」
玲はそのままにする。
星羅は安心したように笑った。
しかし。
校舎の反対側。
一人の生徒が二人を見ていた。
「……やっぱり」
スマホの画面。
そこには。
星乃セラの配信画面。
そして。
玲と星羅の写真。
「間違いない」
午後。
授業が終わる。
星羅は教室を出ようとした。
そのとき。
「天城さん」
「……!」
後ろから声がした。
振り返る。
そこにいたのは。
同じクラスの女子生徒。
文化祭のときにも話しかけてきた子だった。
「ちょっといい?」
「……うん」
廊下の端。
女子生徒はスマホを見せる。
「これ」
画面には。
星乃セラの配信切り抜き。
星羅の声。
「……」
「私ね」
女子生徒が言う。
「セラちゃんのファンなんだ」
「……!」
「ずっと配信見てた」
星羅は黙っている。
「だから」
女子生徒が星羅を見る。
「気づいた」
心臓が跳ねる。
「声も」
「……」
「笑い方も」
「……」
「話し方も」
そして。
「全部、同じ」
星羅の顔から血の気が引く。
「……」
「天城さん」
女子生徒が静かに言う。
「あなた、星乃セラでしょ?」
沈黙。
星羅は答えない。
女子生徒も急かさない。
ただ。
「大丈夫」
優しく笑う。
「誰にも言わないよ」
「……どうして?」
「ファンだから」
星羅は少し驚く。
「私、セラちゃんが好きなの」
「……」
「だから困らせたくない」
星羅の緊張が少しだけ解ける。
「……ありがとう」
「でも」
「……?」
女子生徒はスマホをしまう。
「一つだけ聞きたい」
「何?」
「黒瀬くんとは……」
星羅の表情が変わる。
「付き合ってるの?」
「……」
「やっぱり」
星羅は小さく頷く。
「うん」
「そっか」
女子生徒は少し笑う。
「よかった」
「……?」
「セラちゃん、ずっと幸せそうだったから」
星羅は目を見開く。
「配信でね」
女子生徒は続ける。
「最近、すごく嬉しそうだった」
「……」
「たぶん黒瀬くんのおかげなんだね」
「……うん」
星羅は笑う。
「ありがとう」
「こちらこそ」
女子生徒は手を振る。
「秘密にするね」
去っていく。
星羅はその背中を見送る。
「……」
――よかった。
敵じゃなかった。
その日の帰り道。
「星羅」
「ん?」
「今日、何かあった?」
「……」
玲は気づいていた。
星羅がずっと何かを考えていることに。
「実は……」
星羅は迷う。
そして。
「私がセラだって、気づいた子がいる」
「……!」
「でも」
星羅はすぐに続ける。
「秘密にしてくれるって」
「そうか」
「うん」
「よかったな」
「……うん」
星羅は玲の手を握る。
「でもね」
「?」
「一つだけ怖かった」
「何が?」
「その子が玲くんのことを知ってたこと」
「……」
「私のことだけならいい」
星羅は玲を見る。
「でも、玲くんまで巻き込まれるのは嫌」
「星羅」
「だから」
手を強く握る。
「私がちゃんと守る」
「……」
「絶対に」
玲は少し困ったように笑う。
「一人で抱えるなよ」
「……うん」
夜。
星羅のスマホに。
一件の通知。
昼間の女子生徒からだった。
『ごめんね』
『一つだけ言い忘れてた』
星羅は画面を見る。
『私以外にも、あなたがセラちゃんだと気づいてる人がいるかもしれない』
「……」
続けて。
『その人、黒瀬くんのことも調べてるみたい』
星羅の指が止まる。
「……」
そして。
最後の一文。
『気をつけて』
星羅はスマホを握りしめる。
怖い。
でも。
それ以上に。
玲を守らなければ。
「……大丈夫」
星羅は静かに呟く。
「玲くんには……」
笑顔。
「絶対、何もさせない」
その瞳には。
今までとは違う。
強い決意が宿っていた。
コメント
1件
「うわっ…新たな伏線キター!!😳💦」 クラスメイトにバレちゃうドキドキ…でも敵じゃなかった時の安堵、よかったね…!でも最後の「他にも気づいてる人がいるかも」「玲くん調べてる人もいる」ってところでまた緊張が走った…💦星羅の「玲くんは絶対守る」って決意、めっちゃかっこよかったよ…!続き気になる〜😭🌸