「くぁ〜」
豚のピン留めをつけたオーバーオールの少年は軽く伸びをする
あたりは真っ白で雲の上かのように床はもこもこしており少年は暇そうに肘をつく
少年の名は『シャオロン』。天界の天使だ
頭には輪っかが浮いており、体からはふわふわの羽が生えていた
「なぁ〜、シャオロン。面白いことあらへんの?」
上から濃い緑色のパーカーを着た少年が降りてくる
どうやら暇だからシャオロンに会いにきたようだ
少年の名は『ゾム』。魔界の悪魔だ
頭に黒いツノが付いており体からはコウモリのような羽が生えていた
「ん〜、せやなぁ…」
そうシャオロンが悩んでいると1人の天使がやってきてこう言った
「シャオロン、神様が呼んでるよ〜?」
「え、マジ!?すぐ行くわ!」
そう言ってシャオロンは鏡を取り出して身だしなみを整え始める
焦っているからかなかなかアホ毛が治らないのでニット帽をかぶって行くことにしたようだ。
「あ…ゾムも…」
「おぉ、さんきゅー」
そう言ってゾムは気楽そうにシャオロンを待っている
天使は急いで逃げるように帰って行く
それもそのはず普通悪魔と天使が仲良くすることなどない。天使にとって悪魔は敵だからだ。もちろん悪魔にとっても同様である
つまり、彼らの仲は普通ではない特別な仲なのだ
そんな話は後にして、シャオロンは用意が終わったようでゾムを連れて急いで神のもとへ向かうのだった
「おぉ、よく来たね。まぁ座って」
頭に神と書いてある紙をつけた青年はそう言って指を鳴らす
すると椅子がポンッという音と共に出てくる
シャオロンとゾムはそこに座る
「あの、俺、なんかしました?」
「いや?何も?なんで?」
「呼び出されたんでなんかしたんかなぁって…」
シャオロンはオドオドとそう言う
神に目を合わせていないので何か心当たりがあるようだ
「君達には新しい試練を課そうと思ってね」
「「試練?」」
2人は首を傾げる
「2人も試練受けたことあるでしょ?」
試練とは、普通出世する時に課せられる宿題のようなものだ
それができれば見事出世し魂なら天使に、天使なら上級天使に、上級天使なら五星に、五星なら神にといった感じだ
彼は今、五星という上級天使の上にある天使と悪魔5人の階級なので試練が成功すれば神になれる
「いや〜、そろそろ俺も寿命っぽくてね。君達にお願いしようかなぁって」
「神に寿命なんかあらへんやろ!しかも俺、神とかめんどそうやしいややな〜なんて…」
「俺も、閻魔大王怖いやん…怖がられたないわぁ…」
「ん?何か言った?」
神の声は優しそうだがどこか圧を感じる…
どうやら彼らに拒否権はないようだ
「今回の場所は人間界!目標は荒れた学校を治せ!あ、正体がバレちゃいけないよ?じゃ、行ってらっしゃーい」
そう言って神は指をパチンッと鳴らす
すると下に穴が空き彼らは落ちて行く
彼らにどんな運命が待っているのか、この時神以外に知る由はなかった
[最終ミッション:荒れた学校を治せ
ミッション:人間界の友達を作れ]
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!