「エライネエライネ」
そう言いながらロボットは手を動かす。
その手の真下に立つと褒められながら頭を撫でられてる感覚を体験出来る。
そんなロボット。
ルユはこれを沢山作っている。
数万個くらい作っただろうか。
いやそれは言い過ぎだろうか?
まぁ、とにかくルユはそれを宇宙に放り込んだ。
自分が今いる星にでは無く、宇宙全体に。
わざわざ放り込んだ。
そう。
自分が今いる星に放り込んだとしても意味は無いのだ。
これは他の星の奴らに作られたもの。
他の星はこれを受け取ってどう思うのか。
何をするのだろうか。
愚かな奴らは真似をするのだろうか。
善良な奴らは少し気になってすぐに飽きるのだろうか。
愚かや善良とは決めつけるのは良くない。
が、こうでもしないと気づかない。
またルユは何かを作っていた。
次はなんだろうか。
また何かのロボットなのだろうか。
だが、見たところ先ほどと何ら変わりの無いロボットに見える。
これをどうするのだろうか。
今度は自分の今いる星用なのだろうか。
そうして見ていると裏側に違う色が見えた。
気になり裏側を見てみると同じ動きなのにも関わらず怒っているように見えた。
表面は笑って撫でているような動作をし、
裏面は怒って撫でているような動作をしていた。
どういう意図があるのだろうか。
なぜこれを作ったのだろうか。
ルユは裏面の方に立って撫でられ始めた。
紙に色々書いている。
実験結果の紙だろうか。
見てみると、『怖い』『悲しい』そう書いてあった。
そうしてルユはまた宇宙に放り込んだ。
なぜこれも放り込むんだろうか。
先ほどの実験結果の紙を見るに、
失敗作なのでは無いのだろうか。
今度は他の星のためでは無いのだろうか。
ただ単に宇宙をゴミ箱として見ているのだろうか。
またルユはロボットを作った。
今度は何のためのロボットなのだろうか。
また怖いロボットなのだろうか。
そんなことを考えてる最中にもロボットは作られていく。
今度はどんな動きなのだろうか。
そんなことを思っていても、
一向にロボットは動きそうになかった。
不良品なのだろうか。
ルユは「99点」と書かれた紙をロボットに見せた。
するとロボットは怒った。
ルユは怖いのだろうか。
小刻みに震えているように見える。
次にルユは「100点」と書かれた紙を見せた。
するとさっきの態度とは一変し、
ロボットはルユを褒めた。
まるで別人のように。
そうしてルユはまた、宇宙に放り込んだ。
この後も何度も作っては宇宙に放り投げて、
また作っては放り投げる。
それを繰り返した。
研究室が実験結果の紙で覆い尽くされた位のときだろうか。
ルユは満足したかのように眠りに落ちた。