Ⅳ
kr side
nk「俺、シャークんと双子なことが嫌なんです。」
衝撃的だった。
先程見せていた仲の良さからは想像もできない
シャークん君はいい人そうであったが不満があるのだろうか
他の人から比べられるのだろうか
色んな説が脳内を駆け巡る
nk「先生…?」
kr「あ、あぁ…ごめん」
考えていたらどうやら不安を与えてしまったようで取り敢えず謝る
kr「双子が嫌って、それはどうして?」
自分で考えるだけでは意味が無いので直接本人に尋ねる
nk「…それは」
少々躊躇いつつも彼は話してくれた
産まれたタイミングが少し違うだけなのにnakamu君は兄だから、と扱われてしまうこと
双子なのに、とシャークんと比べられてしまうこと
kr「そっか…今まで我慢して、偉かったね」
そっと彼の頭を撫でる
我慢癖がついているのか目には涙が溜まっていて泣くのを我慢していることがわかる
kr「泣きたいなら泣いていい、ここには俺しかいない」
「誰も君を責めるような人はいない」
「時には甘えたっていいんだよ」
nk「ひぅッ…ぅぅッ…」
静かに泣く彼
俺は泣き止むまで辛い気持ちを全部吐き出させるかのように彼の背中を摩っていた
kr「少しは落ち着いたかな?」
啜り泣く声もあまり聞こえなくなってきた頃、俺は彼に問いかけた
nk「はい、泣いちゃってすいません…」
kr「気にしないでw」
「悩み事、教えてくれてありがとう」
口角を上げてふわっと笑う
kr「nakamu君はさ、どうしたい?」
nk「……?」
kr「シャークん君と双子でいるのは嫌だ?」
nk「正直、シャークんとは双子でいたい…」
「でも、…比べられるのは嫌だ」
水色は本音を吐き出す
kr「じゃあ、一緒にどうすればいいのか考えよっか」
nk「………!」
「はいっ!」
彼は嬉しそうな顔をして笑って見せた
弾ける涙は光り静かに彼を照らしていた
kr「まずは、比べられるのが嫌だって伝えてみたらどう?」
nk「そんな率直に!?」
率直であると同意せざるを得ないことを言う俺に驚く彼
kr「人に言ってみることは大事だよw」
「それとももう言ったことあった?」
「それなら他のを考えないt」
nk「言ったことないですよお!!!w」
俺の言葉を遮り大きくツッコむ彼は面白くて堪らなかった
kr「wwwwww」
言葉にもならない笑いを口にする
nk「意外ですw」
なにが、と聞く前に彼が先に言った
nk「先生、あまり派手に笑わない人だと伺っていたのでw」
俺は彼の言葉で今までの事を思い返すと実際、あまり声を出して笑うことは少なかった気がした
kr「nakamu君、笑いのセンスあるもかもねw」
nk「光栄です〜w」
kr「w…で、率直に言ってみたらどう?w」
nk「そもそも誰に言うんですか?w」
kr「nakamu君が言うべき相手?w」
「俺が誰に言うかなんて知らねぇよw」
nk「まずは兄…ですかね」
「別に俺を苦しめたくてやってるわけではないと思うんですけど…」
「多分無意識なんでしょうね…」
ははっと自虐的に笑う水色
kr「無意識なら尚更、率直に言うってのは大事だろうね」
nk「なるほど…じゃあ早速今日家に帰ったら話してみますね…!」
kr「行動が早いね〜w」
「心の準備とかは大丈夫?」
行動の早さに驚きつつも心配の声をかける
nk「大丈夫です!w」
「先生と話して心が軽くなったので!」
嬉しい言葉
これだからこの仕事はやりがいがあるのだ
kr「それはよかった、頑張れよ?」
nk「はいっ!!!」
nk side
高鳴る心臓を抑えていつものように玄関のドアを開ける
nk「ただいま〜…!」
返事は返ってこなかった、おそらくまだ誰も帰ってきていないのだろう
さっきまでの緊張もほぐれて思わず笑みが零れる
nk「そりゃ俺かシャークんが最初に家に着くのがほとんどだもんなw」
廊下を進んでいき自分の部屋を目指す
__ガチャッ
部屋に入ると鞄を机に置いて課題を取り出す
nk「う〜…」
やりたくない課題をとにらめっこをする
“お兄ちゃんなんだからちゃんとしてよ”
誰かが言ったわけでもないのに聞きたくない言葉が聞こえた気がした
nk「やら…ないと…w」
時計の針の音を聞きながら紙に文字を連ならせる
頭を空っぽにして文字を埋めていく
nk「やっぱり…怖いよッ…」
椅子の上でうずくまって顔を埋める
嫌われたらどうしよう、怒られたらどうしよう、そんな嫌な考えが頭を駆け巡る
nk「頑張るしかないんだよね…変わるには…」
コメント
4件
えへ…えへへ……うへぇ(????) やっばいほどnkが可愛い(((((
神ですねこの作品