第1話 雨の夜、拾われた子
夜の雨は、冷たくもぬるくもない。
空気が重く沈んでいて、街灯の明かりがゆらゆらと滲んでいた。
舗道の隅を、小さな影がふらふらと歩いている。
足取りは危うく、濡れた地面に何度もつまづいた。
子ども――いや、まだほんの幼い少年だ。
白いシャツは泥に染まり、裸足の足裏は傷だらけ。
雨に打たれながら、それでもどこかへ向かおうとしていた。
晴明「……ままぁ」
掠れた声が、小さく漏れる。
返事はない。
母親はもういない。
最後に残した言葉だけが、耳の奥にこびりついている。
――「いらない」
その意味をきちんと理解していない。
けれど、置いていかれたことだけは分かっていた。
息が荒い。
喉が焼けつくように熱く、体の奥がじんわり疼いている。
どうしようもなく、苦しい。
けれどその理由を、幼い頭では掴めない。
晴明「……はッ……ふッ……ぅぅ”」
言葉にならない声。
膝が折れ、細い身体が雨の中に崩れ落ちた。
その瞬間、遠くで靴音がした。
ぱしゃり、と水を踏む音が近づく。
??「……おい」
低い声。
続いて、別の柔らかい声が重なる。
??「うわ、ほんとに子ども……!大丈夫そ?」
ぼやけた視界に、二人の影が見えた。
黒い傘を差した背の高い男と、もう一人は紫髪の男。
雨の帳の中、その二人だけがやけに現実的に見えた。
??「顔、真っ赤……。熱あるのかな?」
??「多分だけどこれ、ヒートじゃねえか?」
??「まじで?……まだ子供だよ?」
“ヒート”という言葉の意味も分からないまま、
少年は力なく瞬きをした。
晴明「……や……」
掠れた声が漏れ、腕を少しだけ動かそうとしたが、すぐに力が抜けた。
??「おい、動くな。大丈夫だ」
黒いコートの男がしゃがみこみ、ため息をつく。
もう一人の男が、傘を少し傾けて彼を覗き込んだ。
??「放っとけないよね。道満、抱っこしてあげて」
??「は? お前がやれ」
??「僕、傘持ってるんだって」
短いやり取りのあと、黒い男が舌打ちをしながら子どもを抱き上げた。
濡れた体はあまりにも軽く、腕の中で震えていた。
晴明「……ん」
小さな声が漏れる。
瞼がぴくりと動いたが、すぐに閉じられた。
??「……ひでぇな。雨の中で放り出されてたのかよ」
??「ま、見ちまったもんは仕方ねぇ。……連れて帰るぞ」
??「うん」
傘の下、三人の影が雨の闇の中へ消えていく。
道の上に残ったのは、子どもの小さな足跡と、雨音だけ。
その夜、少年――晴明は、初めて“あたたかい腕”の中で眠った。
すみません、前のやつがどうしても気に食わなかった私、リメイクしてもう一度書き直させて頂きました。
💬も♡沢山頂いていたので心苦しかったのですが、本当に申し訳ございません🙇♀️🙇♀️
あと最近めっちゃ赤ちゃん返りしたい気分なんで、みんな私のママになってほしーな、なーんて……いっぱい褒めて赤ちゃんみたいに接して🥺
コメント
8件

晴明の母絶対許せない気持ちがある
あおちゃぁぁぁん!!! リメイク前も良かったけどリメイク後も最高だね!!💕💕💕 赤ちゃん返りしたいの?おいで!私がママになったげる!!!😘😘 思いっきり幼児退行してぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!💕💕💕💕 次も楽しみにしてるね!! 今日もお疲れ様!!らぶゆぅー!!