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僕があの人と会ったのは一年前
暖かくなり始めた春の日、僕は引っ越してきた
学校にも馴染めず、いじめを受けていた頃
学校の帰りにこの桜を眺めていたら
「この桜綺麗だよね」
そう言い話しかけてきた貴方
驚いたような顔をしていると
「あっ、驚かせちゃってごめんね」
「僕は藤澤涼架」
そういいにへっと優しく笑いかけてくれた
「君の名前は?」
なぜ初対面の人に名前を教えなければならない?そんなことを思いきつい目で僕はその人を睨みつけた
でもその人は、どうしたの?とでも言うような柔らかい眼差しで見つめてくる
なんなんだこの人は、と思いながらも
「大森元貴…」
と答える
「元貴ね!覚えたっ!」
無邪気に笑いかけてくる
「あっ!習い事始まっちゃう!」
慌てながらも「また明日会えるといいね!」と一言残して走り去ってしまった
嵐のような人だった
でも
とても優しくて、面白い
僕は生まれて初めて人と仲良くなりたいと思った。