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「なんでおじさんは,うちに野菜を取りにくるようになったの??」
「藤次郎に新鮮で良いものを食べてもらいたくて.ほらあいつ,病弱だろ??」
「うん.」
「初めてあの直販店に入ったとき,小さい🌸がおやっさんと野菜を並べてるのを見かけてさ.微笑ましいなと思って他の商品見てたら,🌸がおやっさんと間違えて俺の手をつないできたんだよ.」
「うそ!?全然覚えてない!!」
「おやっさんめっちゃ謝ってくれて,お詫びにこれ持ってけ!!金はいらん!!って持たせてくれたピーマンがめっちゃおいしかったわけ.そこから直接取りにくるようになったんだよ.」
「そうだったんだ….」
という話をしてから時は過ぎて.
「卒業おめでとう.」
「ありがとう.」
「春からは大学生か.」
「うん.おじさんの出張先に心理学部がある大学があって良かったよ.」
「色々落ち着いたら,美味しいごはん屋さんに食べにいこうな.」
「やった.楽しみにしてる.」
と公立校よりだいぶ早い卒業式を終え,息抜きに遊びに出かけた2人.その帰り際.
「降りないのか??」
家の近くに止めた車から,🌸は降りようとしない.
「ん….」
🌸は菊田の方を向き,何かを待っている.察した菊田は“やれやれ…”と思いながら唇を重ねた.
「っと!!ここまでだ.」
🌸の胸に添える手つきがあまりにもアレを連想させたので,菊田は慌てて離れる.
「いいじゃん,もう高校生じゃないんだし….」
「まだダメ.二十歳になったらこの続きしような.」
「約束だよ.」
ふてくされながらも,🌸は約束して車を降りていった.
そして🌸が二十歳の誕生日を過ぎた頃.
「さすが酒飲みの血を引いてるな.とはいえその辺でやめとけ.」
と菊田は🌸の手を引き店を出る.
「甘いもの食べたくなってきた.」
「甘いものねぇ….」
と夜の街を歩くなか.
「入ってみるか.」
と菊田が向く方向にはラブホテル.
「うん….」
🌸は緊張した面持ちで,菊田の腕に手を回して歩く.
「え!?すごいすごい!!」
緊張がほぐれ,フロントのウェルカムスイーツや部屋の内装にテンションがあがる🌸.
「風呂入るか??」
「うん!!」
お湯が溜まるまで一通りのアメニティやらをチェックして.
「…一緒に入る??」
「そうだな.入るか.」
タバコを灰皿に入れて菊田は腰を上げた.
「恥ずかしいか??」
「うん….」
うつ向きひざを抱えて湯船に浸かる🌸の背中を抱く形で菊田も湯船に入る.
「◯◯さんはどうしてる??」
「あー,別れたよ.」
「えっ!?」
驚いて向き直る🌸を抱き寄せ,菊田は唇を奪う.
「ッ…!!」
いつもより深くねっとりとしたキスの感触と硬いモノが当たっている感触に,思わず🌸の身体は強ばる.でも,疼く感覚はおさまらない.
「早く続き,しようよ….」
「そうだな.」
その言葉を待っていたかのように,菊田は🌸の手を取り湯船から上がり,興奮冷めやらぬうちにベッドに🌸を押し倒す.
「なんで◯◯さんと別れたの.」
「🌸が二十歳になるまでに別れるって決めてたんだ.」
「私がおじさんのお嫁さんになるって言ったから??」
「それよりずっと前.あの時間違って手を繋いだ時からさ.あの屈託のない笑顔で俺を見上げる🌸のことを忘れたくなくて.野菜を取りに行ったとき・元妻と楽しそうに話す🌸を遠巻きにずっと見てた.」
そう言うと“18も離れた子に抱く感情じゃないよな”と菊田は苦笑した.
「なぁ,俺とこういうことして平気か??」
「平気だよ.だって私が高2の時,おじさんの家に泊まりに行ってからずっとこうしてほしいと思ってたから.あれ,私がいるって分かっててやったでしょ.」
「大人の世界ってのを体感してほしかったからな.」
「じゃあ,さっそく体感させてよ.」
と両手を広げる🌸に応え,菊田の態度は今までとは一変.
まるで,獲物が見つかるまでじっとしていた蛇がそれを見つけてから,凄まじい勢いで捕食するように.
あの頃のように純粋に笑っていた関係には戻れない2人の歩む道は茨の道かそれとも….