テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
19
92
36
NARI
19
二人でお茶と梨を堪能し、しばしソファでテレビを見てまったり過ごした後。
布団の中に入っても、ヨンスさんは当然のようにぴったりとくっついてきた。
すっかり定位置となった腰に回された腕。背中に感じるぬくもりが心地良くて、なんだかんだと理由をつけて突き放さないでいる自分に、心の中で小さくため息をつく。
「……ヨンスさん、もう寝ますよ」
「……きくー」
耳元で甘えるような声色で名前を呼ばれ、首筋にぐりぐりと顔を埋められた。
擦り寄せられる彼の髪は私よりも少し柔らかくて、くすぐったい。
「俺、今日一日いい子にしてたろ? ごほうびチョーダイ」
「……どの口が言うんですか。トイレにもお風呂にもついて来ようとしたじゃないですか」
「でも最後はちゃんと待ってたんだぜ?」
ふふん、と鼻を鳴らして誇らしげに言う。背後で浮かべているであろうあのドヤ顔が、容易に想像できた。
まったく、と呆れながらも、くるりと身体の向きを変える。目の前にある、ねだるようにまっすぐこちらを見つめてくる、愛おしい眼差し。
本当に、黙ってさえいればかっこいいんですけどね、このひと。
「……はいはい。わかりましたよ」
諦めたように小さく笑い、そっと背中に手を回して抱き返すと、ヨンスさんは満足そうに目を細めた。
「やっぱり犬じゃないですか、ヨシヨシ」
「んー? お前は犬とこういうことすんの?」
耳元でくすくす笑う声とともに、ぐっと腰を抱き寄せる腕の力がいっそう強くなる。
ずっしりとした温かい体躯に包み込まれて、「言わなければよかった」と急に顔が熱くなった。
「……しません。ヨンスさんだから、です」
「知ってるんだぜ〜!」
嬉しそうに声を弾ませたヨンスさんが、そのまま深く、甘い口づけを降らせてきた。
* * * * *
同棲ヨン菊は糖度が高くて幸せ。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!