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月翳
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月翳
31
5ihun@nrkr厨
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全てのメールというメールを返信し、
午前の仕事が終わった頃。
(コーヒーでも淹れるか)
「コーヒー、あなたもいります?」
「ああ」
白いマグカップをキッチンに置く音。
コーヒーを淹れる音。
それが、今は大きく響いた気がした。
マグカップの10分の7をコーヒーで満たし、
そいつの所へ持っていく。
「どうぞ」
「ああ、ありがとう」
そいつはまだ、午前中には終わったはずの、
終わるはずの書類を見ていた。
(まだ、見ているのか…。仕事熱心なのか生真面目なのか)
「書類、まだ見てるんですね」
「少し引きずってしまったからな」
絵にかいたような完璧人間でも、こういう事ってあるんだな、と思うと
他人にそんなところを見せていないのに
私はそんなところを見れると思うと、少し優越感を覚えた。
「ああ、そういえば。君に言うのを忘れていたことがあった」
「はい?」
仕事の話か?それとも―…
「…――僕と付き合ってくれないか。」
…は?
は???
はァ!?!?!?
「な、なんで急にそんな事……。」
そう言って、目をそらした先に
ふと、見えたものは
壁にあるカレンダーだった。
四月一日
四月一日のイベントといえば。
エイプリルフールだ。
「え、エイプリルフールですよね?そんな嘘すぐにバレま…」
そういうと、北神はこめかみを押さえた。
「…、今日はエイプリルフールだったか…。」
え。
エイプリルフールだと思って言ったんじゃなかったのか…?
「まあ、今日をエイプリルフールだと知らなかった僕も僕だが、」
北神がソファから立ち上がって
私にずい、と近づいた。
「はぁ、な、なんです…?」
「エイプリルフールは、午前中だけ、だ。そうだろう?」
「…!!」
顔が赤くなっているのが自分でもわかる。
「そっ、そういう事言ったら人に嫌われますよ!!」
「…。そういうものなのか?」
「はい!!絶対そうです!!」
はあ、と北神はため息をつき、言った。
「まあいい。今の君は混乱してるだろうから、
今じゃなくてもいい。ただ、返事だけは考えておいてくれ」
「は!?勝手に混乱してると勘違いしないでください!!」
「どこからどう見ても混乱しているとしか思えないが……」
な、なんなんだ、なんなんだこいつ…!
私は、今日も今日とてコイツの考えていることが分からない。
それだけが確かに分かる。
(これから、どうなってしまうんだ…?)
いや、でもそんなことは関係ない。
こいつは私の仕事のペースを乱したいだけで……!!
コメント
1件
第2話読み終わったよ🥀 え、エイプリルフールで告白…?しかも「午前中だけ」って返し、北神さんずるすぎるでしょ😂✨ 普段完璧な人がまさかそんなミスするとは思わないから、そのギャップがすごく良かった〜。主人公が混乱しながらも「ペース乱したいだけ!」って抗うとこ、ちょっと可愛いなって思っちゃった💕 これからどうなるのか、すごく気になる!続き楽しみにしてるね🤍