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#ベリアン・クライアン
ぷち
205
タコロ
67
主は仕事終わりに指輪を着けて、執事達の居る世界に行く事が日課になっていた。その日は休日前夜で、どうやって過ごそうかと思っているとドアをノックする音が響き渡った。
「どうぞ。」
主が返事をすると、ハウレスが入って来たのだが、少し落ち着かない様子だった。
「失礼します、主様。」
ハウレスから告白されて付き合う事になったのだが、2人で居る時どこか落ち着かない事が多かった。
「…ハウレス?どうしたの?」
「いえ、主様と2人で居ると胸がいっぱいになると言いますか…」
主はいつまでも“主様”と呼ばれる事にモヤモヤし出し、名前で呼んで欲しいと言うとハウレスは恥ずかしそうに“○○さん”と言った。
「うん、そっちの方が嬉しい♡」
主がとびきりの笑顔をハウレスに向けると手を顔に当てながら顔を赤くしていた。
(…可愛いです、○○さん。俺が○○さんの彼氏だなんて、こんな嬉しい事があって良いのだろうか。
しかし、○○さんは主様で、本来なら付き合う事など出来ない関係なんだよな…)
ハウレスは溢れる気持ちを抑え切れず、主の事を抱き締めていた。
「ハ、ハウレス!?」
「あ、申し訳ございません。急に…愛おしくなってしまって、つい…」
ハウレスはそう言いつつも、抱き締める力は強くなっていった。主はそんなハウレスの事を愛おしく思い抱き返した。
(ハウレス良い香りがする…シャンプー…柔軟剤なのかな?他の執事達も同じはずなのに、ハウレスは特別に良い香りがするんだよね。)
「◯◯さん、好きです。…俺は執事としても彼氏としても、◯◯さんの事を命をかけてお守りします。」
「…ありがとう、ハウレス。でも、私はハウレスにも生きていて欲しい。私と一緒に生きていて欲しい。」
どちらかともなく自然と顔が近付き、お互い見つめ合い唇を重ね合わせた。
「あ、あの…明日はお休みだと確認したのですが…何処か行きたいところはございますか?」
主はこの先を少し期待したのだが、やはりハウレスはキス以上の事をしようとはしてこなかった。
「あ…買い物行きたいな。」
当たり障りのない返事をして、主はハウレスから離れベッドに潜り込んだ。
(…私だけなのかな?ハウレスはしたいって思ってくれてるのかな…?)
「おやすみになられますか?なら、安眠サポート致しますね。」
主は2人で居るにも関わらずいつまでも執事としての対応を取ってくるハウレスに苛立ちを感じてしまい、そっぽを向いてしまった。
「あ、ある…◯◯さん?」
(まただ…私はハウレスの彼女なのに、2人で居るのにずっと執事で居る。そりゃぁ、主と執事の関係でもあるけど、今だけは…)
「っ…ひっく…」
ハウレスは掛け布団を頭まで被っている主が泣いている事に気が付き、掛け布団を剥ぎ取った。
「っ、見ないで!ハウレスにこんな私見せたくない。…っ、今は1人にして欲しい。」
主は頭を冷やそうと思い、ハウレスに部屋から出てもらった。
(…俺は◯◯さんを泣かせてしまったのか?戻るべきなのか…でも、1人にして欲しいと言われた手前、戻るわけにも…)
ハウレスが主の部屋の前で思考を巡らせていると、ボスキとアモンがお風呂の帰りなのかハウレスが1人で主の部屋の前に居るのを見付けた。
「あいつ、何やってんだ?」
「…なんか、悩んでるっぽいっすね。」
手を伸ばしたり、引っ込めたりしているのを見て何をしているのか気になり話し掛ける事にした。
「おい、何面白い事してんだよ。」
「何かあったんすか?」
ボスキとアモンは話し掛けるも当のハウレスはどう説明すれば良いものかと思ってしまいなかなか言えずに居た。
「…主様と何かあったんすか?」
アモンがそう言うとハウレスは核心に触れられたせいか、見るからに気を落としていた。
「何があったのか知らないっすけど、俺が主様と話して来るっすよ!ハウレスさんはここで待ってて下さいっす♪」
アモンはそう言うと、主の部屋のドアをノックし入って行った。
✢✢✢
「っ…」
(ハウレスに嫌われちゃったかな…)
コンコンコン
リズム良くドアをノックする音が主の耳に入り、まだハウレスとは会いたくないと思い無視をしていると、アモンの声が聞こえた。
ハウレスではないと分かると、主はアモンを部屋の中に入れ、ベッドから体を起こした。
「どうしたんすか?こんなに泣いて…可愛い顔が台無しっすよ?」
アモンはベッド脇に座り、主の涙を指で拭いながら主の頭を撫でた。 主はハウレスとの事は言えないと思い、なかなか話せずに居ると アモンは主を抱き締めた。
「頑張り屋で不器用な人って放っとけないんすよね。つい支えたくなっちゃうっす。
…◯◯さん、俺なら◯◯さんの事を泣かせるような事しないっすよ?俺にしないっすか?」
主は急な事で、アモンが何を言っているのか分からなかったが、告白をされたのだと理解した。
「それって…」
「俺は◯◯さんの事が好きっす。執事としても、男女としても、俺は◯◯さんの事が好きっすよ♡… 俺じゃダメっすか?」
主はアモンが彼氏だったら…そんな事を考えてしまった。
「その顔、俺との事考えてたんすか?…だったら、ハウレスさんと別れて俺にすれば罪悪感を感じる必要もないっすよね…?」
主はなんでハウレスとの事を知っているのかと思ったが、アモンの事だから勘づいたのだろうとすぐに分かった。
「…私はただ、ハウレスがずっと執事として接して来るのが嫌なだけでそれ以外は…」
「でも何かハウレスさんに言いたそうな感じっすよね。…俺は二股でも良いっすよ?甘えたい時は俺に甘えてくれたら良いっすから♪」
主はどうしても食い下がってくるアモンをどうすれば良いのか分からなかった。心が弱っている以上、揺らいでしまう嫌な自分がいる事にも嫌気を感じていた。
「…キスしても良いっすか?」
「え…?」
アモンは主を抱き締める力を緩め、主の唇に自身の唇を重ね合わせ逃げられないように後頭部に手を回した。
「っん゙んっふぁ!…っんぁあっ」
主はアモンとのキスで体が熱くなり疼くような感覚に襲われた。体を触られてもいないのにも関わらず感じてしまい唇の力が緩んだ。
アモンはその隙を見逃す事はなく舌を絡め取り深いものになっていった。
「んぁ…ハァっぁ、」
主がアモンとのキスでとろけていると 、ドアを開ける音がした。ハウレスが入って来て主とアモンを引き離し、主とアモンの間に座った。
「アモン!やり過ぎだ…◯◯さん、俺は◯◯さんの事を大事にしていたはずなのに不安にさせていたんですか?」
主はアモンとのキスで疼いた体を抑え切れずにハウレスの上に乗り、ハウレスの唇に自身の唇を重ねた。
「っんぅハァっぁ…ん、ハァっハウレスにもっと求められたかったの。…もう、私…我慢出来ないよ。」
アモンとボスキはこのまま始めだすのではないかと思い、主の部屋を早々に退室した。
「…あ!俺、◯◯さんから返事聞いてなかったっす。あ~ぁ…もっと早く聞いとけば良かったっすね〜」
「でも、キス出来ただけ良いじゃねぇか。」
†††
「っん…ハァっぁ、ハウレスは、私としたいって思ってくれてる?私はしたいよ…っハウレスに求められたいよ。」
ハウレスは主に馬乗りにされた状態で急にキスをされ戸惑っていたが、主を押し倒して服を脱ぎ始めた。
「俺も…したいって思ってます。…◯◯さん俺はもう我慢しませんから覚悟して下さい。」
ハウレスは主の服を脱がせると、主の体に自身の体を重ねた。主もそれに応えるように甘く縋るような声で、ハウレスの理性を崩壊させていった。
「っぁあ!ハァっ…ぁあっんぅっ」
「◯◯さん、痛くはないですか?」
ハウレスは主の中にゆっくりと挿れながら痛くないように突起部を触っていた。
「んぁあ!っハァ…っうんハァっ痛くないよ。もっとハァ…ハウレスの事、ちょうだい?」
主の言葉で我慢出来ず、主の中を掻き乱していった。
†††
主が目が覚めると、ハウレスは主の事を抱き締めながら寝ていた。
(格好良いな…やっと繋がれた。アモンのおかげなのかな?でも、アモンのキスってすごく気持ち良かったな。今度、やり方でも聞いてみよっかな…)
主が考え事をしていると、ハウレスが目を覚まし主の額にキスをした。
「おはようございます、◯◯さん。…何か考え事でもしてたんですか?」
「あ…おはよう、ハウレス。…昨日、アモンとキスしたのを思い出してたの。その…体の底から疼く感覚があったから、今度やり方でも聞こうかな〜って思って。」
ハウレスは慌てて、それだけは駄目だと主を制した。
「駄目です!そんな事したらアモンはまたキスをする口実作りにしますよ!…◯◯さんは俺の彼女なんですから…俺と練習しませんか?」
主はハウレスがいつもより積極的に来てくれた事が嬉しくなり、ハウレスの額にキスをした。
「大好きだよ、ハウレス♡」
「…俺も大好きです。」
その日、主とハウレスは手を繋いでエスポワールの街並みへとくり出して行った。
fin.
次回🦋🧡
コメント
1件
みーさん、第4話読み終えたわ! もうね、ハウレスがずっと“主様”って距離置いてる感じと、それで泣いちゃう主の気持ちがすごく伝わってきて切なかった…。アモンの急接近も「えっ今!?」ってなったけど、あれがきっかけでハウレスが本気になってくれたのは熱かった🔥 最後の朝の会話、めっちゃほっこりした! 続きも楽しみにしてるわ〜!