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「今日は授業を変更する。」
朝のホームルーム。
担任の一言で教室が静まり返った。
「来月、本校最大の行事である体育祭を実施する。」
一瞬の静寂。
次の瞬間、教室が大きく盛り上がった。
「よっしゃ!」
「待ってました!」
「絶対優勝してやる!」
雷斗は隣の席の黒崎を見る。
「体育祭って……普通の体育祭?」
黒崎は首を横に振った。
「この学校に普通はない。」
担任は黒板へ大きく文字を書いた。
『学科対抗体育祭』
「参加するのは全学年。」
「救助科。」
「戦闘科。」
「研究科。」
「支援科。」
「それぞれの学科で総合得点を競う。」
教室の空気が引き締まる。
「今年も救助科が優勝だろ。」
「いや、戦闘科も負けてねぇぞ。」
担任は続ける。
「競技は一般的なものだけではない。」
「異能の使用を認める競技も存在する。」
「ただし、安全基準を超える異能は禁止だ。」
雷斗は思わず身を乗り出した。
「《神速》も使えるんですか?」
「競技による。」
「使える競技では使用可能だ。」
その言葉だけで雷斗の胸は高鳴った。
担任は一枚の紙を配る。
『競技一覧』
・百メートル走
・障害物競走
・騎馬戦
・綱引き
・大玉転がし
・部活動対抗リレー
・異能リレー
・学科対抗サバイバル競技
「最後の競技は体育祭最大の目玉だ。」
「詳細は当日発表する。」
お湯の中の葉っぱ
206
#学園
たまごさんど
82
36
教室中がざわつく。
「サバイバル?」
「何やるんだ?」
「楽しみだな。」
担任はチョークを置いた。
「まずはクラス代表を決める。」
「立候補でも推薦でも構わない。」
すると、後ろの席から声が上がった。
「黒崎で決まりだろ。」
「あいつなら安心だ。」
黒崎はため息をつく。
「勝手に決めるな。」
「でも黒崎が一番強いし。」
次々と賛成の声が上がる。
結局、黒崎は代表に選ばれた。
雷斗はその様子を眺めながら、小さく拳を握る。
(僕も……。)
(少しでも役に立ちたい。)
その時だった。
担任が雷斗へ視線を向ける。
「天城。」
「はい!」
「百メートル走の候補に名前を書いておいた。」
「えっ?」
教室が一斉に雷斗を見る。
「俺は反対。」
「まだ危ないだろ。」
「神速の反動があるし。」
雷斗も不安だった。
すると担任が静かに言う。
「だからこそだ。」
「17%を使いこなせるか。」
「試すにはちょうどいい。」
雷斗は一瞬だけ迷う。
だが、すぐにうなずいた。
「……やります。」
担任は満足そうに小さくうなずく。
「よし。」
「今日から体育祭に向けた特別練習を始める。」
放課後。
校庭には各学科の生徒が集まり始めていた。
救助科。
戦闘科。
研究科。
支援科。
それぞれが優勝を目指し、準備を始める。
雷斗は夕日に照らされたグラウンドを見つめる。
(17%。)
(今の僕にできる全力で戦おう。)
体育祭まで、あと二週間。
新たな戦いが、幕を開けようとしていた。
コメント
1件
学科対抗っていうのがもう熱いですね!救助科・戦闘科・研究科・支援科、それぞれの特色が競技にどう生きるのか想像しただけでワクワクします。雷斗が17%の《神速》に挑む決意を固めたシーン、前回までの反動の描写があったからこそ胸に響きました。担任の「試すにはちょうどいい」って言葉、雷斗の成長を信じてる感じがして好きです。体育祭本番、どう転ぶか楽しみ!