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8月10日
「え〜とこの辺に居るはず、、、?」
今日は虹一と一緒に夏祭りに行く日だ。夏休み中とくに予定の無い俺は、今日に至るまで毎日のように虹一とやりとりしていた。久しぶりに虹一に会えると思うとワクワクしてきた。友達と遊ぶなんて事もしかしたら中学生以来だ。
5時30分虹一との待ち合わせ時間、学校の校門前って行ったはずなんだが、、、どこに居るんだ?
ドンッ!
「うわ⁉︎」
背後から突然衝撃が走る。驚いて振り返るとそこにはニヤニヤと笑う虹一がいた。
「なんだ虹一か、びっくりした」
ニヤニヤしながら虹一は俺の隣に移動した。虹一め、、、いつかやり返してやる。
“早く行こう?”
虹一からのLINEだ
「はいはい」
苦笑いしながら俺は市殻神社に向かう虹一の横を歩き出した。
夏祭り会場、なるべく早く来たつもりだったけどすでに人はわんさかいた。これは目当ての屋台まで行くのも大変なくらいだ。畑か田んぼぐらいしかないこの町に、こんな人がいるなんて失礼だけど信じられない。
「思っていた以上人いるな、虹一はなにか食べたいものとかある?」
虹一は夏祭りのチラシを見ている。裏には夏祭り会場の全体の地図や、ステージのプログラムが書いてある。チラシを覗き見すると8時から今年も恒例の花火をやるらしい。すると急に虹一がバンっとチラシの一点を指差した。焼きそば?と俺が虹一が指差している所を指して言うと、コクコクと虹一は頷く。
「他に行きたいところは」
虹一は首を振る。嘘っ!焼きそばだけでいいのか⁈なんかもっとこう、、、かき氷とか射的とかあるじゃん。虹一は左手でがっしり100玉を握りしめている。まさか100円しか持ってきてないのか?
「100円しかないかんじ?」
虹一は頷く。マジか
「100円だけじゃ祭りは楽しめない。俺が金出すから虹一は思いっきり楽しめ‼︎」
腕を掴んで自信満々に言うと虹一は俺の勢いでびっくりしていた。俺の腕を振り解いてスマホに何が打ち込む。
“ダメだよそれは快晴のお金だから快晴が使わないと100円でも楽しめるから”
「気にすんなそれに俺だけ屋台回ってても楽しくないし、虹一も一緒に回らなきゃ」
熱弁すると虹一はふふっと笑ってスマホにまた何が打ち込んでいる。
“わかったありがとう快晴ありがたく使わせてもらうよ”
うむ、それで良いのだ。虹一は大人しく楽しめばいいのだ。
「じゃあ早速焼きそば買いに行こうぜ」
虹一は頷く。
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