テラーノベル
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その夜、二人は楽屋で向かい合って座っていた。
瑠姫は、過去の純喜との思い出を、少しずつ語り始めた。
タイムスリップしたこと、大学生だった純喜との出会い、そして、彼の人柄、歌声に惹かれ、恋に落ちたこと。
純喜は、瑠姫の話を信じられないという表情で聞いていた。
しかし、瑠姫の真剣な瞳と、話に出てくる出来事が、妙にリアルに感じられた。
「…俺、その頃のこと、全然覚えてないんやけど」
純喜の言葉に、瑠姫は寂しさを感じたが、すぐに笑顔を見せた。
「うん、知ってるよ。でも、大丈夫。俺は、純喜との思い出を全部覚えてるから」
その夜以来、二人の関係は少しずつ変わっていった。
純喜は、過去の自分と瑠姫の関係を知りたいと、積極的に瑠姫に話しかけるようになった。
瑠姫は、純喜に過去の二人の思い出を語ることで、彼との距離を縮めていった。
「なぁ、瑠姫。俺、過去の俺に、嫉妬してるんかな」
ある日のこと、純喜はそう言って笑った。瑠姫は、彼の言葉に驚き、顔を赤らめた。
「瑠姫は、過去の俺じゃなくて、今の俺を好きになってほしい」
純喜の真っ直ぐな言葉に、瑠姫は胸が熱くなった。
記憶がなくても、純喜は瑠姫を愛してくれていた。
「…俺も、もう一度、お前に恋をしたい」
瑠姫の告白に、純喜は優しく微笑み、彼の唇にキスをした。
二人の新しい恋が、ここから始まった。
過去の思い出を大切にしながら、二人は未来を歩んでいく。
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