テラーノベル
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ぴるぴると動く猫の耳。降り積もった白銀の雪のように光る綺麗な銀色の毛並み。同じ色のくるくる動くしっぽ。綺麗な青い眼がこちらを見た。
いやぁぁ、めちゃくちゃかわいいいぃぃぃ! けど、待って。
なんで、なんで、アリスが猫に変身しちゃったの!?
ーーー
時間は少し遡る。
「ここがスターダストフォレスト。木の精霊の国だよ」
眼下に広がる、小さな光があちこちにふわふわと浮く大きな森。
「大昔、空の星が沢山降り注いだ場所と言われてる国ですね」
「実際、この森の中にいくつも穴があったり、ここにしかない植物があったりするんだ。空から落ちてきた星に種がくっついてたのかな?」
「大きな森だねー」
大気圏で燃え尽きてそうだけど、強い種だったのかな。と、変なところを気にしながら、私達はゆっくりと森の中、一際大きな木がある場所へと下降する。
「スターダストフォレストへようこそ、アリストさんはお久しぶりですね」
着いてすぐに緑色の髪の女の人が来て、挨拶してくれた。人間に見えるけれど、身体のあちこちに細い枝がぐるぐると巻き付いていて、耳の場所に大きな花飾りが左右ともについている。あちこちでアクセサリーのように葉っぱが揺れている。
「私達は木霊人、木の精霊様に仕えるものの集まりです。私があなた方を認識することにより、すべての木霊人が情報を根を通して共有しておりますので行動に気を付けて下さいね。ここでは、不必要に火を起こさぬよう。それ以外は特に制限はありません。あぁ、深層幻影の森に迷いこまぬようにご注意を――」
そう言って木霊人の女の人は去っていった。
「美人さんっすねー。僕ちょっと別の用事してくるんで、リサちゃん達の用事はちゃちゃっと、済ませといてくださいっすー。ここの泊まる場所は一つしかないんで、合流はそこでしましょうっす」
スペードはそう言い残し、さきほどの女の人の後を追っていった。
別の用事……? いったい何をするつもりなのか。彼は走るようなスピードで真ん中にそびえ立つ一本の大樹の根本に向かう。
「スペードの向かう先にある、あの大きな木がこの国の『命の木』だよ。木霊人は家を持たない。夜はあの木で皆眠るんだ。根を張ってね」
「うーん、想像できない」
「初めて見ると驚くだろうね」
「国の民全ての集合住宅ですか――。すごい規模ですね」
あ、なるほど、大きなタワーマンションか!
それなら、なんとなく想像できるな。
「ただね、ボク達の目的地はあそこじゃないんだ」
「あれ? そうなの」
皆が居る中心場所だし、木の精霊の場って言うからどう見てもあの木のところにありそうだけど。
「ボク達が行かないといけないのは、深層幻影の森。さっき注意しろって言われた場所だ」
え? いきなり、注意されてることを無視ですか?
「その中にある大昔の大魔法使いの家。その裏に木の精霊の場があるみたいなんだ」
ーーー
「警告しましたよね?」
最初に現れた木霊人の女性がきた。あれ、耳の花飾りの色が違う、ピンク色だ。
「うん、でもこの先にボク達行かないといけないんだ」
「命の保証はありませんよ」
彼女は無表情だ。
アリスはじっと彼女の後ろ、深層幻影の森の入り口から目をそらさない。
「そうですか、ではお気を付けて。森の栄養になっても恨まないで下さいね」
彼女はゆっくりと横に移動し、道をあけてくれた。
「行こうか」
私達は深層幻影の森に足を踏み入れた。
コメント
1件
うわあ、スターダストフォレストの描写がめちゃくちゃ綺麗で引き込まれました!星が降り注いだ森っていう設定、すごくロマンチックですね。木霊人のビジュアルも情報共有の仕組みも凝ってて、世界観の構築が丁寧だなって思いました。それでいて「注意しろと言われた場所に真っ先に向かう」展開、もう冒険って感じでテンション上がります。アリスの猫変身の謎も気になるし、次の話が楽しみです!
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