テラーノベル
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「悪いけど、お前の気持ちには応えられない。」
今日、私、朱鷺院楓は赤羽劉磨くんに告白をしてフラれた。
花月と聖が結婚して2年。私もあの2人みたいになれたらって思っていたのに私の夢は…叶わなかったみたい。
「劉磨くんは、やっぱり花月のことが好きだから…?」
「別にそんなんじゃ…ねえ。それにお前こないだ琉生に告られてたんだから、琉生と付き合えばいいだろ。」
「話を逸らさないでよ。私は劉磨くんが好きなの。あのとき、私を追いかけてくれて、優しくしてくれた劉磨くんが好きなの。」
「優しさなんて誰にでもあんだろ。なんで俺に固執すんだよ。俺はお前の気持ちには応えられない。じゃあ、仕事あるから。」
「待って…!それなら体だけでもいい。」
「それ、どういう意味か分かってんの?」
「分かってるよ!私ももう20歳になるんだよ。大人の恋愛だってできるもん。」
「まだ能力が分かっていないのにか?」
そう、劉磨くんの言う通り、私の能力はまだ分かっていない。5年経って牙はやっと生え始めてきたけど、まだ生えかけで立派な吸血鬼だとも言えない。
「いいからとっとと帰れ。ほら、琉生が待ってるぞ。」
劉磨くんに促された方向を見ると、心配そうな顔をしている琉生くんが立っていた。
「楓ちゃん、大丈夫?僕、心配で…。」
「別に平気。いいから帰ろ。」
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